サハダイヤモンド(9898)が28年11月1日付で上場廃止となることが決まりました。同社は刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」が創刊当初から追いかけている銘柄。近年は崖っぷちで上場を維持してきましたが、万事休す。闇株新聞プレミアム」では上場廃止に至った経緯が解説されています。
中国資本に目を付けられたのが運の尽き!?
やりたい放題やられ崖から転がり落ちた
サハダイヤモンドはもともとダイヤモンド卸業者でしたが、2003年にロシア連邦「サハ共和国政府」とダイヤモンドの貿易経済協力を締結、現地で採掘される原石を買付けて現地で研磨、香港の子会社で加工して国内外で販売するビジネスモデルでした。
資源豊富なサハ共和国と繋がりを持つほぼ唯一の日本企業として有望でしたが、中国資本に目を付けられ、経営権を握られた2011年頃から雲行きが怪しくなりました。優良資産を売り払われ、不良資産を高値で買い取らされ、増資や不可解な自社株の売買などまさにやりたい放題。
今回、サハダイヤモンドが上場廃止となる直接の理由は、株価基準に係る規定「株価が10円未満となった場合において、3カ月以内に10円以上とならないとき」に抵触したからです。同社は本年6月に株価(終値の月中平均)が10円未満となったため猶予期間に入っていました。
7月~9月中旬の株価は概ね8~10円で推移していたので、10円の回復はそれほど難しいとは思えませんでしたが、蓋を開けてみるとあっさり上場廃止になってしまいました。いったい何があったのでしょう?
妾氏ら中国人取締役陣の裏切り
株を買い支えるはずが逆に売っていた
現在の取締役会は、日本人4名と中国人4名で構成されています。上場維持のためにそれなりに努力はしていたようで、代表取締役の姜(ジャン)氏を含む中国人取締役陣は協力して市場で自社株を買い、株価を10円以上にすると社内的に請け負っていたようです。
しかし、日本人の取締役陣はこれまでの経緯から、中国人取締役陣をあまり信用していませんでした。そのため「念のために」株式併合の準備を行うべきと主張し、中国人取締役陣もこれを了承していました(7月29日付で「臨時株主総会招集のための基準日設定等に関するお知らせ」なるIRを出しています)。
株式併合すれば株主価値を変えずに株価を上げることができます。株主総会の特別決議による承認(委任状を含む出席者の3分の2以上の賛成)が必要ですが、7月29日時点では取締役陣や関係者の持ち株数から、十分にクリアできる見込みでした。
ところが臨時株主総会の日時や議題を決定する8月26日の取締役会で中国人取締役陣が突如反対に転じ、日本人取締役陣が臨時株主総会の開催を中止せざるを得ない事態に陥りました。具体的なやり取りはわかりませんが、中国人取締役陣は「とにかく我々が協力して市場で(自社株を)買うから安心しろ」と主張したようです。
にもかかわらず、猶予期限が迫っても一向に株を買っている形跡は見えません。それどころか、姜氏を含む中国人取締役陣とその関係者が持ち株を売却していることがわかってしまいます。上場廃止回避に向けた期待が裏切られ、9月20日頃から株価が崩落。そのまま上場廃止が決定したのでした。
中国人は絶対に摘発しない証券取引等監視委員会の怪
姜氏は3月にペーパーカンパニーを通じて引き受けていた500万株の第三者割当増資分も引受け直後に売却していたようで、闇は相当に深いと言わざるをえません。本来なら大量保有報告書等で明らかになりますが、中国人の保有する株式は主に香港の証券会社名義となるため、実際の保有者の名義がなかなかわからなかったようです。
さらに姜氏には、「サハ共和国の研磨工場から原石を自分が経営する上海の別会社に不当に安い価格で卸していた」「サハダイヤモンド(本社)に対する多額の未払い金がある」「6月に売却したはずの合弁会社の売却代金がほとんど入金されていない(売却先は姜氏の関係先と見られる)」など、不明朗な問題が数多く残されたままになっています。
8月26日の取締役会で急に臨時株主総会を中止させたのは、株式併合の議案がIRされて(その時点ではまだ妾氏の手元にいくらか残っていたはずの)株式が値下がりすることを恐れたか、そもそも臨時株主総会で議決権が発生する保有株式が申告ベースより大幅に少なかった可能性まで出てきます。
そういう中国人の身勝手な行動により臨時株主総会が中止に追い込まれ、最終的には「思ってもみなかった」上場廃止が決まってしまいました。損失を被ったのは多くの日本人投資家です。まったくやりきれない話です。
中国人から「日本の上場企業のオーナーになりたい」という話をよく聞きますが、本紙が知る限りこのような身勝手極まりない行動が多く、混乱だけを残してどこかに消えてしまうケースの何と多いことか。頼りの証券取引等監視委員会も、相手が中国人だと積極的には動いてくれません。結局、われわれ日本人が自衛するしかないのでしょうか。
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