東京市場まとめ
1.概況
前日の米国市場にて主要3指数が揃って続伸となった流れを引き継ぎ、日経平均は472円高の37,868円で寄付きました。海外投資家による株価指数先物への買いが優勢となったことも支えとなり前場は堅調に推移しました。10時46分には節目の38,000円を超える607円高の38,004円をつけ、本日の高値を更新しました。その後は伸び悩み、546円高の37,943円で前引けとなりました。
後場は序盤に再び38,000円を目指す場面がみられるも失速し、その後は伸び悩みました。ここ数日の戻り相場を受け、利益確定の売りが上値を抑え、段々と上げ幅を縮小し最終的には448円高の37,845円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が0.3%高と3日続伸で取引を終えました。
2.個別銘柄等
三菱重工業(7011)は一時1.7%高の2,917円をつけ上場来高値を更新するも、利益確定の売りが入り、終値では2.5%安の2,796円と5日ぶりに反落となりました。中谷防衛相が、政府の反撃能力として運用する地上発射型の長射程ミサイルについて「どこに配備するかはまだ決めていない」と述べたと伝わったことをきっかけに売りが優勢となりました。
三越伊勢丹ホールディングス(3099)は1.5%安の2,185円をつけ続落となりました。3月前半の国内百貨店における既存店売上高が前年同期比3.2%減となったことで、インバウンド需要の減少を警戒した売りが出ました。
三菱商事(8058)は3.6%高の2,741.5円をつけ3日続伸となりました。著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが日本の5大商社株を買い増したことがわかり、これを材料視した買いが入りました。そのほかの商社株も軒並み高となっています。
日本ハム(2282)は2.5%高の4,942円をつけ続伸となりました。外資系証券が新たにレーティングを開始し、投資判断を最上位となる「オーバーウェイト」に、目標株価を足元の水準を大きく上回る6,100円としたことが買い材料となりました。
工業用貴金属素材メーカーのフルヤ金属(7826)は3.1%高の2,856円をつけ、3日続伸となりました。国内証券が同社の目標株価を従来の5,100円から5,300円に引き上げたことが買い材料となりました。アナリストからは貴金属関連のリサイクルや精製受託を手掛ける事業等がけん引し、増益基調が続くといった評価がされています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は一時節目の38,000円を超える場面が見られるも、利益確定の売りが上値を抑えました。明日の材料は、日本銀行の金融政策決定会合の結果発表があげられます。昼頃に結果が発表されるとみられることから、明日の株式市場にも影響が考えられます。
もっとも、今回会合では政策金利の利上げは見送られる公算が高く、市場は大引け後の植田総裁の記者会見の内容に注目しているといえるでしょう。ここまで、オントラックと評価されるであろう経済環境のなかにあって、記者会見では次の利上げタイミングのヒントを探ることになると考えられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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