来週の日経平均株価の予想レンジを発表!

来週(3/17〜3/21)の日経平均株価の予想レンジは3万6000~3万7500円! FOMCと日銀金融政策決定会合の結果や防衛関連株・配当株の動向を要チェック

2025年3月14日公開
ラカンリチェルカ(村瀬 智一)
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日経平均株価はトランプ関税の影響で下落するも、
3万6000円前後が「目先の底値」として意識される

 今週(3月10〜14日)の日経平均株価は上昇し、最終的に先週末と比べて165.93円(0.45%)高い3万7053.10円となり、3万7000円台を回復して終えました。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 先週末3月7日に800円を超える急落となった反動から、週明け10日は反発。ただし、米国のトランプ大統領がインタビューで景気後退の可能性を明確に否定しなかったことが重荷となり、一時は下げに転じる場面も見られました。

 3月10日の米国市場が、トランプ大統領の関税政策による米国の景気減速への警戒感から大幅安となったことで、翌11日の日経平均株価は一時3万5987.13円まで下げ、2024年9月17日以来、約半年ぶりに3万6000円台を割り込みました。しかし、その後は急速に下げ幅を縮めたことで、目先の底値が意識されました。

 3月12日の日経平均株価は反発しましたが、3万7000円に接近した局面では「戻り待ちの売り」の圧力が意識され、小幅な上昇にとどまりました。

 また、3月12日にトランプ政権が鉄鋼・アルミニウム関連の輸入品に対する25%関税を発動したところ、同日、欧州連合(EU)とカナダが対抗措置を発表。それに対してトランプ大統領がさらなる報復関税の考えを示すなど、貿易戦争の激化が意識されました。

 3月13日の日経平均株価は、前日12日の米国市場でハイテク株が買われた流れから買いが先行して始まりました。しかし、参院財政金融委員会における植田総裁の発言をきっかけに円高が進み、後場に入って下落に転じました。

 週末3月14日は、3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)で日経平均株価がSQ値を割り込まなかったことに加え、指数インパクトの大きいアドバンテスト(6857)の強い値動きがセンチメント(投資家心理)の改善につながり、上昇しました。

来週の日経平均株価は、日銀金融政策決定会合とFOMCの
2大イベントの結果やハイテク株の動向に左右される展開に

【来週の日経平均株価の想定レンジ】
 3万6000 ~ 3万7500円

 
 来週(3月17〜21日)の日経平均株価は、引き続きトランプ大統領の発言を警戒しながらの相場展開になりそうです。

 日経平均株価は、3月13日の反発で一時3万7326.27円まで上昇しましたが、2月半ば以降の下落するトレンドラインの上限水準を超えておらず、依然として調整が継続中と考えられます。ボリンジャーバンドの−1σに上値を抑えられた形で推移しているので、同バンド突破が上昇トレンドへ転換するタイミングになりそうです。

■日経平均株価チャート・ボリンジャーバンド/日足・3カ月
日経平均株価チャート・ボリンジャーバンド/日足・3カ月日経平均株価チャート・ボリンジャーバンド/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 来週は3月20日が祝日で休場となっているほか、3月18〜19日に日銀金融政策決定会合と米・連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。いずれも現在の金融政策を継続すると見られますが、この重要イベントを通過するまで積極的な売買は手控えられそうです。また、ハイテク株の本格的なリバウンドが見られるまでは、上昇トレンドへの転換は難しいでしょう。

 個別の物色としては、防衛関連株へ断続的ながらも投資資金が向かいやすいと考えられるほか、期末に接近していることから配当志向の物色が広がる可能性が期待できます。
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【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
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 ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。

 今週の値上がり率ランキングのトップはインタートレード(3747)でした。3月5日にデジタル資産インフラストラクチャプロバイダーのFireblocksと、日本企業のWeb3インフラ導入支援に関する戦略的パートナーシップを締結したと発表。この発表以降、ストップ高を交えての上昇が続きました。

 値上がり率2位は内外トランスライン(9384)。3月7日に投資会社のIAパートナーズ系企業が、内外トランスラインに対して完全子会社化を目的としたTOB(株式公開買付)を実施すると発表。TOB価格は4065円で、これにサヤ寄せする形でストップ高を交えて上昇しました。

 値上がり率3位のシキノハイテック(6614)は3月12日、Computer Aided Software Technologies(CAST社)と、世界の半導体市場における両社のIPラインナップと販路拡大を目指し新たな戦略的提携を締結すると発表。これを手掛かりにストップ高を交えての上昇になりました。

 一方、今週の値下がり率ランキング1位のREVOLUTION(8894)は、3月11日に株主優待制度の廃止を発表。2024年10月に、基準日の時点で2000株以上を保有し、かつ2回以上連続で株主名簿に記載または記録された株主に対して「QUOカードPay」を半期ごとに6万円分(年間12万円分)を贈呈する株主優待制度の新設を発表していましたが、結局、1度も実施することなく廃止となり、失望売りが強まりました。
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REVOLUTION、新設した株主優待を一度も実施せずに廃止し、夜間取引で25%も株価急落! 年12万円分の「QUOカードPay」優待を実施前にすべて白紙に!

 値下がり率2位はクオンタムソリューションズ(2338)。先週はGPUクラウドサービスとAIネイティブクラウドソリューションを提供するTurbo AI Solutions(シンガポール)と戦略的協力に関する非拘束的覚書を締結したとの発表を受けて急伸しましたが、すぐに急落。今週も換金売りが続きました。

■今週の値上がり率 トップ5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 +64.84 インタートレード(東S・3747)
2 +61.54 内外トランスライン(東P・9384)
3 +47.44 シキノハイテック(東S・6614)
4 +47.31 エコモット(東G・3987)
5 +45.92 バリュークリエーション(東G・9238)
■今週の値下がり率 ワースト5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 −43.22 REVOLUTION(東S・8894)
2 −18.99 クオンタムソリューションズ(東S・2338)
3 −18.87 ハウテレビジョン(東G・7064)
4 −17.31 ウインテスト(東S・6721)
5 −16.15 Kudan(東G・4425)
■今週の出来高 トップ5
順位 出来高(株) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 690,907,500 NTT(東P・9432)
2 338,968,900 三菱重工業(東P・7011)
3 338,563,800 ランド(東S・8918)
4 320,055,900 ジャパンディスプレイ(東P・6740)
5 299,147,200 ソフトバンク(東P・9434)

【来週の主要イベント】
米国のFOMC、国内の日銀金融政策決定会合とCPI、
JX金属やTalentXなど5社のIPO(新規上場)に注目!

 来週は以下のようなイベントが予定されています。

<3月17日(月)>
◆決算:三井ハイテック(6966)
◆中2月小売売上高
◆中2月鉱工業生産
◆米3月ニューヨーク連銀製造業景気指数
◆米2月小売売上高
◆米3月NAHB住宅市場指数

<3月18日(火)>
TalentX(330A)東証グロース上場
日銀金融政策決定会合
◆決算:アスクル(2678)
米連邦公開市場委員会(FOMC)
◆独3月ZEW景況感調査
◆欧3月ZEW景況感調査
◆欧1月貿易収支
◆米2月住宅着工件数
◆米2月鉱工業生産
◆米2月輸入物価指数
◆米2月輸出物価指数

<3月19日(水)>
JX金属(5016)東証プライム上場
メディックス(331A)東証スタンダード上場
日銀金融政策決定会合、政策金利発表
◆1月機械受注
◆2月貿易統計
◆1月鉱工業生産確報値
◆欧2月消費者物価指数(HICP)改定値
◆米MBA住宅ローン申請指数
米連邦公開市場委員会(FOMC)、政策金利発表
◆パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見 

<3月20日(木)>
◆春分の日で休場
◆独2月生産者物価指数(PPI)
◆イングランド銀行(BOE)金利発表
◆米3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
◆米2月景気先行指標総合指数
◆米2月中古住宅販売件数

<3月21日(金)>
ミーク(332A)東証グロース上場
パパネッツ(9388)福証Qボード上場
◆決算:サツドラホールディングス(3544)コーセル(6905)
2月全国消費者物価指数(CPI)
◆欧3月消費者信頼感

【来週の注目銘柄】
「AOKIホールディングス」「リケンテクノス」「日特建設」
の3銘柄をピックアップ!

 来週、注目したい銘柄は、この3つです。

AOKIホールディングス(2025年3月14日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
小売業 東P・8214 1315円 13.8倍 0.81倍
パジャマスーツなどのカジュアル衣料が好調
紳士服を中心にファッション事業などを手掛けています。 2025年3月期・第3四半期セグメント別業績では、ファッション事業で既存店が堅調に推移して増収。特にパジャマスーツなどのカジュアル衣料が好調でした。また、エンターテイメント事業は既存店が好調に推移したことで増収増益となり、第3四半期として過去最高益を達成しました。さらにアニヴェルセル・ブライダル事業は、休館していた表参道店が再稼働した影響で増収でした。株価は、2月26日につけた安値1228円をボトムに上昇の勢いを強めており、直近で25日・75日・200日移動平均線を上抜けています。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
リケンテクノス(2025年3月14日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
化学 東P・4220 1110円 8.1倍 0.88倍
国内ではエラストマーコンパウンドの売上が好調
複合材料であるコンパウンドやフィルム、食品包材などを製造販売しています。2025年3月期・第3四半期の業績は、営業利益が前年同期比20.4%増の78億4300万円、通期計画に対する営業利益の進捗率が78.4%と順調でした。国内ではエラストマーコンパウンドが好調なほか、高騰した原材料の価格転嫁が進んでいます。株価は、75日移動平均線を下値支持線とした1050~1100円辺りのレンジでの推移を見せていましたが、直近で同レンジを上抜けてきました。2024年10月15日の高値1131円に接近しており、高値更新からのさらなる上昇が期待されます。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
日特建設(2025年3月14日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
建設業 東P・1929 1042円 24.1倍 1.29倍
インフラの老朽化対策が注目されるなか、公共事業の増加に期待
地盤改良工事や法面工事が主力で、公共土木工事が7割強を占める建設会社。土地や建物の基礎工事、地盤改良工事などを手掛けています。インフラの老朽化対策が急務となるなか、公共事業の発注増が期待されます。株価は、2月7日につけた高値1214円をピークに調整が続いていますが、75日移動平均線が下値支持線として意識されやすく、25日・200日線突破からの一段の上昇が想定されます。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)

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