先週の米国株式市場は、様子見ムード
先週の米国株式市場は小動きでした。今週発表されるアップル(ティッカーシンボル:AAPL)、アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)の決算を前に、投資家は様子見を決め込んでいます。
【前回8月の決算に関する記事はこちら】
⇒アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブックの決算の内容と投資戦略を解説!今週はテスラ・モーターズの決算に注目!
週間ベースでは、ダウ工業株価平均指数が+0.04%、S&P500指数が+0.38%、ナスダック総合指数が+0.81%でした。
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【アップルの決算発表】
iPhone 7の売れ行き次第では、落胆からの下落もあり得る
アップルは、10月25日(火)引け後に決算発表する予定です。コンセンサス予想はEPSが1.65ドル、売上高が468.9億ドルです。今回の決算発表では、9月から新発売されているiPhone 7の売れ行きに注目が集まると思われます。
iPhone 7が市場に出回り始めた直後、スプリント(ティッカーシンボル:S)、Tモバイル(ティッカーシンボル:TMUS)などの下位の携帯電話会社が「iPhone7は期待を上回る売れ行きだ」と発表しました。しかし、その後のスプリントやベライゾン(ティッカーシンボル:VZ)の決算発表を見る限り、iPhone 7がメチャクチャ売れているような形跡はありませんでした。
すでにアップルの株価は、iPhone 7の好調な売れ行きを織り込むかたちで上昇しているので、むしろ落胆リスクの方が大きいかも知れません。
ちなみに7月に発表された第3四半期(6月期)決算では、EPSが予想1.38ドルに対し1.42ドル、売上高が予想421億ドルに対し423.6億ドル、売上高成長率が-14.6%でした。さらに、iPhone販売台数は、予想4020万台に対し4040万台、iPad販売台数は予想870万台に対し995万台、Mac販売台数は予想460万台に対し420万台でした。
今回の決算のもうひとつの注目点として中国市場におけるiPhoneの販売状況が挙げられます。ちなみに前回の第3四半期決算では中国が前年比-30%を超える落ち込みを見せました。未だに中国市場の見通しが回復していないようだと、投資家は嫌気すると思います。
⇒アップル(ティッカーシンボル:AAPL)の最新株価チャートはこちら
【テスラ・モーターズの決算発表】
生産能力の確保が急務。建設中の工場が計画通りに完成するかがカギ
テスラ・モーターズ(ティッカーシンボル:TSLA)は、10月26日(水)引け後に決算発表します。コンセンサス予想はEPSが7セント、売上高が23.7億ドルです。
先週、「当初2017年後半に予定されていた「モデル3」の量産が、2018年にずれ込むのではないか?」という観測が流れました。
現在、テスラ・モーターズはカリフォルニア州フリーモントの工場で全ての車を生産しています。すでにフリーモント工場は生産能力の限界に達しているため、「モデル3」を量産するためには、まずネバダ州に現在建設中のギガファクトリーがちゃんと立ち上がることが前提条件になります。もしギガファクトリーの竣工が遅れると、生産計画に大きな狂いが生じるわけです。
8月に発表されたテスラの第2四半期決算では、EPSが予想-65セントに対し-$1.06、売上高が予想16.5億ドルに対し15.6億ドル、売上高成長率は前年比+30.5%でした。また、第2四半期の納車数は1.44万台でした。その内訳は「モデルS」が9764台、「モデルX」が4638台でした。
上に書いたような理由で、テスラ・モーターズの目下の生産能力は限界に来ているため、計画通り納車が出来ず、決算が予想を下回るということが常態化しています。
それにもかかわらず、テスラ・モーターズはソーラーシティを買収するなど本業に関係の無いことに手を出しており、投資家の我慢は限界に近づきつつあります。
⇒テスラ・モーターズ(ティッカーシンボル:TSLA)の最新株価チャートはこちら
【アルファベットの決算】
業績の中で占める割合が高いYoutube広告の成長率に注目
グーグルの親会社であるアルファベットは、10月27日(木)引け後に決算発表します。コンセンサス予想はEPSが8.62ドル、売上高が218.8億ドルです。
7月に発表された第2四半期決算では、EPSが予想8.04ドルに対し8.42ドル、売上高が予想207.7億ドルに対し215億ドル、売上高成長率は前年比+21.3%でした。
グーグル・サイトにおけるペイド・クリックは+37%でした。伸びている部分の大半がYouTube広告です。ちなみに第1四半期は+38%、去年の第4四半期は+40%でした。
つまり現在のアルファベットの業績はYouTube広告への依存が大きくなっているということです。さらに、YouTube広告はいまとても勢いがあるのですが、そのペイド・クリックは上に見るようにだんだん成長率が鈍化しています。
従って、今回の決算発表で、またしてもYouTube広告の成長率が下がるようだと投資家は嫌気すると思います。
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【アマゾンの決算発表】
好業績を上げるアマゾン・ウエブ・サービスの成長性を見極めたい
アマゾンは、10月27日(木)引け後に決算発表します。コンセンサス予想はEPSが77セント、売上高が326.5億ドルです。
7月に発表された第2四半期決算ではEPSが予想1.12ドルに対し1.78ドル、売上高が予想295.7億ドルに対し304億ドル、売上高成長率は+31.1%でした。特にアマゾン・ウエブ・サービス(AWS)は、売上高が+58%の29億ドル、営業利益が+126%の7.18億ドルと好調でした
AWSは確かに+58%と高成長なのですが、成長率自体はじりじり下がって来ています。実はアマゾンのビジネスで一番利幅が大きいのはAWSで、他のビジネスは薄利多売です。
従って、今期もまたAWSの成長率が下がるようだと投資家は嫌気すると思います。
⇒アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)の最新株価チャートはこちら
【今週のまとめ】
事前予想の数字が高いだけに、
それを上回らないと株価が騰がるのは難しい
ここまで説明してきたように、今週は重要な決算が目白押しです。テスラ・モーターズを除いて、事前の期待(予想)は高いです。コンセンサス予想をかなり上回らないと株価は騰がらないでしょう。
またEPS、売上高で予想を上回ることも必要ですが、それらに加えて、アップルの場合はiPhone 7の売れ行き、アルファベットの場合はグーグルサイトにおけるペイド・クリック数、アマゾンの場合はAWSの成長率に投資家は注目しています。それらにも注意を払ってください。
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