闇株新聞[2018年]

ソニー(6758)が巨額減損で業績予想を撤回!苦戦する映画事業を米大手企業に売却か!?

2017年2月1日公開(2022年3月29日更新)
闇株新聞編集部
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

ソニー(6758)は1月30日、「映画分野の営業権に関する減損計上のお知らせ」なるIRを発表し、2016年10~12月期に減損損失1121億円を営業損失として計上すると発表しました。2017年3月期の連結業績予想は売り上げ7兆4000億円、営業利益2700億円(うち映画事業は売り上げ9100億円、営業利益290億円)となっていましたが、全て2月2日の2016年10~12月期決算発表時に公表するとして引っ込めてしまいました。ソニーの映画事業はこれからどうなるのでしょう? 日本株や為替、世界経済について、明快かつ独特な視点で切り込む刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」が解説します。

映画制作・配給事業の収支が
とんでもなく悪化している!

 IR資料によると、減損の対象となった営業権の大半は1989年にコロンビア・ピクチャーズ・エンタテインメント(現・ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)を公開買い付けした際に計上したものとされています。

 具体的には映画分野の営業権のうち、プロダクション・アンド・ディストリビューションの1121億円を全額減損するようです。これは映画制作・配給という映画会社本来の業務にかかわるところで、ここを全額減損するということは、今後の映画事業の収益見通しが「とてつもなく悪化している」ことになります。

 またメディア・ネットワークの営業権1145億円は、そのまま計上していくようです。

 ところで1989年にソニーがコロンビア・ピクチャーズ(当時)を買収した際の金額は48億ドル(約5000億円)でしたが、1995年にも営業権の減損損失として2652億円を計上しています。

 映画会社とは、その事業の性格上から企業価値の大半は営業権(要するにヒット作品を生み出して稼いでくれるはずという期待感の対価)となりますが、買収以降その大半を減損してしまったことになります。

映画産業は好調なのに…
ソニー・ピクチャーズだけが苦戦する理由

 ソニー・ピクチャーズは、本場ハリウッドの映画会社(制作・配給会社)では大手6社の一角です。そして世界でも米国でも映画業界は決して不況ではありません。

 まだ2015年の集計しかありませんが、映画産業の世界規模は383億ドル(4兆2000億円)で前年比5%伸びています。国別トップは米国の111億ドル、2位が中国の68億ドル(前年比41%増)、3位が英国の19億ドル、4位が日本の18億ドルと続きます。2016年はポンド安だったので日本が3位に浮上しているはずです。

 また大手6社とは、ウォルト・ディズニー、ユニバーサル・スタジオ(ケーブルテレビのコムキャスト傘下)、ワーナー・ブラザース(タイム・ワーナー傘下)、20世紀・フォックス(ニューズ・コーポレーション傘下)、パラマウント(ケーブルテレビのバイアコム傘下)、それにソニー・ピクチャーズのことです。

 ソニー・ピクチャーズを除いた5社は、すべて世界的な総合メディア・グループの傘下にあり、映画(アニメも含む)もそのグループ戦略にしっかりと組み込まれています。

 2015年10月にコムキャスト傘下のユニバーサル・スタジオが、日本のユニバーサル・スタジオ運営会社の51%を1830億円でゴールドマン・サックスから買ったのも、グループ戦略の一環だったはずです。

[参考記事]時価総額7000億円と目されたUSJ再上場をゴールドマンサックスが半額で譲った理由(2015年10月9日)

 さらに2016年10月には、通信大手のAT&Tが総合メディア・グループのタイム・ワーナーを854億ドル(9.8兆円)で買収すると発表しています。これはさすがにFCC(連邦通信委員会)が認めないと思われていましたが、トランプ政権となってFCC委員長も規制緩和派に交代したため可能性が出てきました。

[参考記事]米通信大手AT&Tがタイムワーナーを買収、世界の総合メディア企業は「新戦国時代」に突入か!?(2016年10月28日)

 こう考えると、ソニー・ピクチャーズだけは総合メディア企業ではないソニーの傘下であり、グループとしてのシナジー効果が今一つ上がっていないことになります。つまり「使いこなせていない」あるいは「コントロールできていない」わけです。

闇株新聞は映画事業売却を予想!?
買収するのはベライゾンか

 アクティビストのダニエル・ローブが2013年にソニー・ピクチャーズのスピンオフ(分離・上場)を提言していましたが、その時点ではソニー・ピクチャーズの企業価値はソニー・グループから切り離した方が大きくなるとの見通しだったはずです。

 その時点からソニー・ピクチャーズの企業価値がどれくらい棄損してしまったかは不明ですが、本紙は「今からでも売却してしまうべき」と考えます。ただ米国の総合メディア・グループ傘下にはすべて映画会社があるため、残る可能性はもう1つの通信大手のベライゾンか?と考えています。

 さてソニー経営陣の判断はどうなのでしょう?

文中にもある通り、2月2日にはソニー(6758)の2016年10~12月期決算発表があり「映画分野の営業権に関する減損計上」を踏まえた業績予想が改めて示されます。ソニーは収益改善に見通しの立たない映画事業をこのまま継続するのか、あるいは世界の総合メディア企業郡の戦国時代の荒波に飲み込まれてしまうのか!? 続きは刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』でお楽しみください。
 

闇株新聞PREMIUM

闇株新聞PREMIUM
【発行周期】 毎週月曜日・ほか随時  【価格】 2,552円/月(税込)
闇株新聞PREMIUM 闇株新聞
週刊「闇株新聞」よりもさらに濃密な見解を毎週月曜日にお届けします。ニュースでは教えてくれない世界経済の見解、世間を騒がせている事件の裏側など闇株新聞にしか書けないネタが満載。
お試しはコチラ

 

DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)

●DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)とは?

金融・経済・ビジネス・投資に役立つタイムリーかつ有益な情報からブログに書けないディープな話まで、多彩な執筆陣がお届けする有料メールマガジンサービス。
初めての方は、購読後20日間無料! 


世の中の仕組みと人生のデザイン
【発行周期】 隔週木曜日  【価格】 864円/月(税込)
世の中の仕組みと人生のデザイン 橘 玲
金融、資産運用などに詳しい作家・橘玲氏が金融市場を含めた「世の中の仕組み」の中で、いかに楽しく(賢く)生きるか(人生のデザイン)をメルマガで伝えます。
お試しはコチラ

堀江 貴文のブログでは言えない話
【発行周期】 毎週月曜日、水曜、ほか随時  【価格】 864円/月(税込)
堀江 貴文のブログでは言えない話 堀江 貴文
巷ではホリエモンなんて呼ばれています。無料の媒体では書けない、とっておきの情報を書いていこうと思っています。メルマガ内公開で質問にも答えます。
お試しはコチラ

 


UI銀行の「金利&手数料」はなぜお得なのか?詳しくはこちら!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強株主優待
人気投信をズバ斬り!
最新iDeCo入門

4月号2月20日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[最強株主優待/投信格付]
◎巻頭特集
人気20銘柄の売買診断も!
最新決算でわかった2025年の大本命株28

●トランプ追い風株
●来期も好業績株
●好調の中小型株株
●配当を増額修正した株

◎第1特集
優待の達人25人が選んだ!
合計利回り30%超も!
最強株主優待ベスト150

桐谷さんの愛してやまない推し優待株
「優待+配当利回り」「最低投資額」2大ランキング
●多種多様なお店が並ぶ!外食
●押しグルメを探そう!食品
●家計の救世主!日用品
●いろんな買物に使える!百貨店・家電量販店
●化粧品や洋服でキレイに!美容・アパレル
●心躍る体験を!エンタメ・レジャー
●欲しいものが選べる!カタログ
●自由度が高い!金券・ポイント
●優待新設・廃止の最新ニュース
●優待弁護士が指南!優待株の失敗しない選び方
●女性優待ブロガー3人の座談会

◎第2特集
★★★の数を見るだけでOK!
人気投信をズバ斬り!
2年目NISAで買うべきは?
投信格付242【2025年春版】

2年目NISAの投信の選び方!
●コストの引下げアリ!インデックス型
●市場環境の変化が影響!アクティブ型
●株式比率の高い投信が好調!バランス型
●最高利回りは36%超!毎月分配型100

◎第3特集
手数料比較はもう古い!
大手ネット証券7社を徹底比較!
NISAで最強の証券会社セレクトガイド

基本サービスの充実度
ポイントのオトク度
●資産管理のしやすさ

【別冊付録】
今スグ始める?やめとくべき?
改正ポイントがわかる!最新iDeCo入門

iDeCoの何がスゴイ?
●受取のルールをマスター
●運用商品は何がオススメ?
●出口戦略こそ考えどころ
●手数料と買える投信で金融機関を選べ!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆おカネの本音!VOL.32
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報