米中首脳会談が終わりました。そして習近平が傍にいるその時に、トランプはシリア攻撃を命令しました。両国の駆け引き、米政権の裏事情、中国指導部内の抗争、ロシアとのパワーバランス、中東におけるプレゼンス、韓国大統領選の動向、そして日本の置かれた状況…etc.今、世界は緊迫の中で動いています。刻一刻と変化する国際情勢を見逃してはなりません。金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」では今週も徹底的に情報を収集分析し、とことん解説しています。
習近平の眼前でシリア攻撃を実行
金正恩[斬首]作戦の本気を示した
先週、本連載でお伝えした米中[緊急]首脳会談が終わりました。共同声明こそありませんでしたが、事実を並べれば北朝鮮の処遇(米国は金正恩[斬首]作戦決行の黙認を求め、中国は金政権後の利権を求めた)について話し合われたのは疑う余地がありません。
参考:米国がついに北朝鮮攻撃に踏み切る!?「金正恩斬首作戦」決行のXデーに備えよ(2017年4月6日)
結果として習近平は「黙認する」とは言わず、聞き置いただけであったと思われます。また、トランプは「中国が動かなければ米国単独でも(金正恩斬首作戦を)実行する用意がある」決意を、シリア攻撃で示威しました。
ではトランプがすぐにも金正恩[斬首]作戦を強行する腹を決めたかと言えば、それは「まだ」だと思われます。その理由は、金正恩[斬首]作戦も「一応は主権国家」である北朝鮮に侵入し、その元首(金正恩)を殺害することになるため、国内外の支持が取り付けられるかが今一つはっきりしないからです。
シリア攻撃に関しては主要国が即座に支持を表明し「人道行為」であったとの評価に収まりました(批判したのはアサド政権支持のロシアとイラン、それに反米のボリビア、ウルグアイ、北朝鮮くらい)。本来なら批判に回る中国も首脳会談後に直接伝えられたため、沈黙するしかありませんでした。
トランプにしてみれば米国内の支持率を多少は回復できた上、オバマ政権下で薄れる一方だった中東における影響力も取り戻し、今のところ損得勘定はプラスです。
ここで間髪おかず金正恩[斬首]作戦を決行して批判が出れば、せっかくのプラスをフイにしてしまうリスクがあります。また、北朝鮮派の文在寅が独走していた韓国大統領選情勢も、親米派の安哲秀が猛追(米国による工作活動の可能性アリ)し、風向きが変わりつつあります。
したがって、金正恩[斬首]作戦は4月15日(金日成誕生日)に、金正恩がどのような行動に出るかを見極めてからとなるでしょう。たった数日間ですが安心できます。
なお、トランプは日曜日(4月9日)早朝、安倍首相に要請し、45分間の電話会談を行いました。恐らくは「実行の通告」ではなく(それだと45分もかからない)「実行したら即座に支持表明するか」という確認でしょう。
外貨ヘッジ売り比率からわかること
相場は北朝鮮有事を織り込んでいない
それでは金正恩[斬首]作戦が実行された場合、円相場や日経平均はどうなるでしょう?
「有事の円高(円買い)」を喧噪する報道機関や評論家がいますが、外国勢が有事に際してわざわざドルを売って円を買うはずがありません。本邦投資家が外貨資産を売却したり、外貨のヘッジ売り比率を高めるので円高になるだけです。しかも、その有事があまり想定されていないものだと、パニックになって余計に振れ幅が大きくなるのです。
それでは現時点における本邦投資家の外貨エクスポージャー(特に外貨ヘッジ売り比率)はどうなっているのかと言うと――想定していたよりも積み上がってはいないようです。外貨のヘッジ売り比率が積み上がると低下するはずの短期国債利回りが上昇しており、ドルの短期調達が思ったほど高くないと感じるからです。
この状況で日本の本土をめがけてミサイルが飛んできたり、金正恩[斬首]作戦が決行されるとどうなってしまうのか――まさに絵に描いたようなパニック相場も想定しておかなければなりません。本紙はこれまで「有事でも1ドル=110円を割り込むことはないだろう」と考えていましたが、修正しなければならないようです。当然ながら日経平均も大幅下落の恐れがあります。その前に「次」を考えておく必要があります。
本連載は金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」で報じられた解説記事の一部を抜粋し、要約してお伝えしています。今週は米中首脳会談以外にも「トランプのシリア攻撃の損得勘定」「FRBの保有資産縮小の意味するところと日本への影響」「結局のところ円相場と日経平均はどうなるのか」などを深く掘り下げ議論しています。この状況は米・中・北朝鮮の動向だけで判断できるものではありません。あらゆる事実を俎上に載せて、政治、経済、金融、地理、歴史、文化、宗教……様々な角度から分析した上で再度組み上げ判断する目と頭脳が必要です。是非、メルマガに登録し世界の今を読み取る力を鍛えていきましょう。
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