「連続して配当を増やしている銘柄」に投資することで、受取配当金を雪だるま式に増やし、資産1億5000万円を築いた個人投資家の必勝法を紹介!
ダイヤモンド・ザイでは、「株で儲ける個人投資家の『これだけ』必勝法!」と題した特集を掲載! タイプの違う株の勝ち組10人に直撃取材し、銘柄選びから買いのタイミング、リスク管理の方法まで赤裸々に語ってもらっているが、ここではそのうちの一人である立川一さんの投資法を紹介。2004年から本格的に株を始め、資産を1億5000万円にまで増やした秘訣を聞いた。
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増配を続けている会社は、株価の上昇も期待できる!
個人投資家の立川一さんは、受取配当金を雪だるま式に増やしながら、資産1億5000万円を達成した。その投資の特徴は、「連続して配当を増やしている銘柄」に注目していることだ。
株の教科書には「過去の実績よりも、将来の業績こそが大事」と書かれているケースが多いが、立川さんはこう解説する。
「増配傾向にある会社は、今後も増配する確率が高いと考えます。まずは、ここが一番重要です。決算数字やビジネスモデルの分析は簡単ではありませんが、過去の配当推移は誰でも確認できます。増配を続けているのは本業がうまくいっている証拠なので、結果として業績が順調で今後も業績の伸びが期待できる可能性が高いのです」
もちろん、将来が期待できるビジネスか確認はするというが、「予想が当たることはまれです。自分の投資家としてのレベルはまだまだで、調査は完璧ではないことを忘れないようにしています」。
ただし、単純に「連続増配ランキング」に登場するような銘柄を買えばOKというわけではない。
「ランキングに載るということは、注目されて株価が割高になっている可能性があるので要注意です。また、過去10年程度を見て増配傾向であればOKですが、学習塾を展開する『ステップ(9795)』や、システム関連の『シーティーエス(4345)』のように、記念配当を出したことで連続増配が途切れたものの、実質的には増配を続けている銘柄もあります」
さらに、現時点の利回りにこだわりすぎないことも大事だという。「仮に、配当利回りが1%の株でも、20%増配を続ければ、株価が同じであれば15年後には13%の利回りになります。増配が続けば、いずれは株価にも反映して値上がり益も享受できます」
「全国保証」は購入時から配当も株価も8倍に!
実際に、立川さんの主力銘柄の配当推移を確認すると、最も金額が大きい「全国保証(7164)」は4年で配当金が約3倍になり、買値から株価も8倍に。「ベネフィット・ワン(2412)」は配当金が5年で約3倍になり、買値からは株価が10倍になっている。
なお、立川さんが考える、長期で増配を享受しつつ、値上がり益も狙える株の条件は以下の6つ。
【長期増配株を狙う6つのルール】
(1)増配傾向が続いている
過去の配当金の推移を確認。過去10年程度をチェックして、増配傾向であればOK。
(2)売上げ・利益が伸びている
減収減益では、配当を増やし続けることは不可能。数%でも利益が伸びていることが重要。
(3)配当性向が高すぎない
実力以上の配当を出している銘柄は、近い将来、増配がストップするリスクが高い。
(4)PERなどに割高感がない
連続増配中の銘柄でも株価が下落したら本末転倒。PERが20倍以上などの割高な株は買わない。
(5)海外景気や為替に左右されにくい
資源価格に左右され、利益が大きくぶれる商社などは、配当利回りが高くても避ける。
(6)設備投資などの必要性が低い
設備投資や研究開発費に巨額の費用が必要な銘柄は、長期増配狙いには向いていない。
今後の増配余力は「配当性向」や利益の伸びから確認
これらの条件を満たしていたのが、先に出てきた「全国保証」であり、「ベネフィット・ワン」だったというわけだ。
「たとえば、『全国保証』は独立系の住宅ローン保証会社ですが、有利子負債がゼロで、長期間にわたり収益が見込めるストック型ビジネスを展開しています。参入障壁も高く、それでいて当時のPERは6倍台と超割安だったために購入しました」
今後の増配余力は、配当性向(1株利益のうち、配当に回している割合)や利益の伸びを確認し、判断する。
「配当性向が30%程度であれば、企業の還元意欲は十分と考えます。理想は配当性向が毎年徐々にアップして、利益も伸びる株ですが、配当性向が一定の場合は、利益が増えていけばOKです。配当性向が70%など高い銘柄は、利益が伸びないと十分な増配を続けられないので注意が必要です。繰り返しになりますが、どれだけ分析しても絶対はないので、分散することでリスクを抑えます」
保有銘柄は、現在100銘柄程度。近年、日本企業も株主還元を重視するようになり、2017年度も日本株の配当金総額は過去最高を更新する見込み。立川さんの投資法には追い風が吹いている。
「期初の会社予想の配当が前期と同額でも、連続増配中の銘柄は、最後は増配で着地する傾向があります。『全国保証』も、2017年3月期の期初の配当予想は前期比横ばいでしたが、期中に利益の増額と合わせて配当金も上方修正しました。今後も銘柄の入れ替えや配当金の再投資、市場の暴落時に安く買うことも意識しながら、受取配当金の20%成長を継続できたらと考えています」
<これが立川一さんの必勝法!>
・不確実な将来利益を予想するよりも、過去の配当の伸びをチェックする!
・景気に左右されやすい業種は避け、割安感の強い安定成長株を選ぶ
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