業績好調なのに5万円台、もしくはそれ以下で買える「値上がりが期待できる株」を紹介!
ダイヤモンド・ザイでは、「上がる5万円株」と題した特集を掲載。最低投資金額が5万円台以下の銘柄は、手軽に買いやすく個人投資家に人気が高い。なかには、5万円株でありながらも高配当な株、値上がりが期待できる株、魅力的な株主優待がもらえる株もある。
今回は、その中から「値上がりが期待できる5万円株」についてピックアップ。値上がりしそうな銘柄の探し方とともに、具体的に注目したい2銘柄を紹介する!
中小型株は逆風でも上がりやすく、大型株より「おいしい」
5万円株には、実力がありながら、株価は過小評価されている銘柄が少なくない。「一方で、そうした歪みに対する修正の力も常に働いています。価値のある企業なら、いずれ株価は上がります」と語るのは、大和住銀投信投資顧問で中小型株投信のシニア・ファンドマネージャーを務める苦瓜達郎さん。
特に、株式市場を取り巻く環境に不透明感が強い状況では、好業績の5万円株に多い中小型株のほうが、勝てる可能性が高い。「逆に言うと、大型株では儲からないということです」と、外資系証券会社で長年ストラテジストを務めた智剣・Oskarグループの大川智宏さんは指摘する。
「5月上旬時点では、外国人投資家は日本の大型株を買っていますが、今後はまた売りに転じる可能性が高い。円安による増益もあまり期待できない。株価の変動が大きい割に、結局利益は取れないという状況なのです。それに対して、中小型株は“おいしい”。外国人投資家の比率が低いので、その影響を受けにくく、内需系で為替に関係なく利益を増やしている企業も多い。外部環境に負けずに頑張っているところは“買い”です」(大川さん)
「成長性重視」と「割安感重視」で分散投資するのがおすすめ!
実力がある中小型株の銘柄選びのポイントは、大きく2つある。まず業績が好調であること。これは「成長性」と言い換えてもいい。そして、割安であることだ。両方とも重要だが、どちらに重きを置くかで選び方は違ってくる。
大和証券の吉野貴晶さんの分析によると、「成長性や収益性重視の銘柄と、割安性重視の銘柄に2:1で投資すると、リスクが下がり投資成績が向上する」という。東証1部での分析結果だが、5万円株でも有効なはずだ。
共通の注意点は数字を見るだけに終わらないこと。
「意外と皆、見ていないのですが、その会社が“何者なのか”をちゃんと知ることが重要です」(苦瓜さん)
一方で、5万円株は往々にして情報が少ないという現実も。アナリストがカバーしている銘柄もごく一部だ。しかし、「だからこそ大きな利益が狙える」と大川さんは言う。
「情報が少ないから、価値に気付かれず安値で放置されているのです。むしろアナリストがカバーしていない銘柄が狙い目です」(大川さん)
難しく考える必要はない。決算などの公表資料をチェックし、企業のホームページを詳しく見るだけでも、かなりのことがわかる。プロも見ていないのだから、それで十分勝ち目が出るのだ。
皆が実力に気付いていない、業績好調の成長銘柄を探せ!
銘柄を選ぶ際に、企業の業績に注目するというのは株式投資の基本中の基本だ。5万円株でもそれは同じである。値上がり益を狙うなら、なかでも見るべきは成長性。企業が成長するから、株価も上がるのだ。
実際に何を選別基準とすべきかについては、さまざまな意見があるが、最もわかりやすいのは「増益」だ。ただ、5万円株に多い中小型株の場合、業績のブレが大きい企業が多いのが注意点。足元は好調に見えても、一転して大幅減益になるリスクがある。
業績のブレが大きいということは逆に大化けもありうる、ということで、あえてブレの大きな銘柄で一発大儲けを狙う手もあるが、初心者や中長期の投資スタイルを目指す人は、業績がある程度安定している銘柄を選ぶほうが安心だろう。
「過去3年から5年程度の実績を見て、安定的に増益しているものがいいでしょう。注目もされないまま、2ケタ成長を続けているような企業も珍しくありません」(大川さん)
さらに絞り込むなら、売上高もチェック。増益だけだと、コストカット頼みで実は競争力は高くないという可能性もあるからだ。長く増収増益を続けている企業は、技術やビジネスモデルで何らかの“強み”を持っていることが多い。
「何をやっている企業で、何で稼いでいるのか、そのビジネスは今後も持続できそうなのか、しっかり見る必要があります」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾さん)
つまり、成長の源泉を持つ企業なら、知名度がイマイチでも伸びるのだ。
「経営の成果などがビビッドに出るのが、中小型株の面白さなのです」(苦瓜さん)
知られざる成長株はまだたくさんある!
5万円以下で買える連続増収増益の2銘柄を紹介!
ここからは、連続で売上高と利益を伸ばし続けている銘柄を抽出。利益については、より厳しく、本業の稼ぎを示す営業利益と、会社全体の業績を示す経常利益の両方で見た。ダイヤモンド・ザイ7月号では6銘柄紹介しているが、ここではそのうちの2銘柄を抜粋してみよう(※データは5月8日時点。銘柄選定と分析はグローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博さん)。
7期連続と、長期にわたって増収増益を続けているのは「ビジネス・ワンホールディングス(4827)」。不動産を主軸に、業務用ソフト開発も手掛ける企業だ。主力の不動産事業は買取再販と競売落札が急拡大。業績は物件の有無で左右され、また流動性が少ないなどのリスクはあるが、当面の業績見通しは良い。
なお、「ビジネス・ワンホールディングス」は福岡証券取引所(福証)の新興企業向け市場であるQボードの単独上場で、知られざる業績好調株の典型だ。出来高が小さく、流動性の問題、つまり売りたいときに売れないリスクに注意が必要だが、長期で注目する価値はある。
もう1銘柄は、「アスラポート・ダイニング(3069)」。焼肉の「牛角」や釜飯の「とりでん」などのチェーンを運営する企業だ。店舗が急拡大、ラーメン業態やファストフードなど新ジャンルへの進出も積極的に行なっている。株価は400円前後を横ばいで推移。購入しておき、時折訪れる急騰を待つのも得策だろう。
この2銘柄のような有望銘柄を選び出しておき、株価が低いときを狙って買えば、値上がり益を手にする確率はさらに高まる。まだ注目度が低く横ばいが続いているときや、一時的に下落しているときが狙い目だ。決算発表で、上方修正などのサプライズがあったときもチャンスだ。
「中小型株は、大型株に比べて上方修正に株価が反応するまでに時間がかかる傾向があります。最近、アナリストなどへの情報開示のルールが厳しくなったために、大型株でも決算のサプライズが増えていますが、結果としてそれらの大型株に関心が集中し、中小型株はますます放置される期間が長くなる可能性があります」(井出さん)
これはつまり、決算発表後に買っても、遅くないということ。3月決算企業の決算発表が出そろう今の時期からでも、値上がり益を狙える中小型株に投資してみてはどうだろうか?
(※関連記事はこちら!)
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