IPO株の銘柄分析&予想

「ラクスル」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の印刷・運送関連企業との比較や予想まで解説![2018年6月1日 情報更新]

2018年4月27日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 ラクスル
市場・コード/業種 東証マザーズ・4384/情報・通信業
上場日 5月31日
申込期間(BB期間) 5月16日~5月22日
おすすめ証券会社 大和証券SBI証券SMBC日興証券マネックス証券カブドットコム証券松井証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 1645円(+9.67%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

ラクスルのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 5月15日
ブックビルディング(抽選申込)期間 5月16日~5月22日
公開価格決定 5月23日
購入申込期間 5月24日~5月29日
払込日 5月30日
上場日 5月31日

ラクスルのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2018年5月24日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
大和証券(主幹事証券)
[最短翌日に取引可能]
57.8
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SBI証券
[最短翌日に取引可能]
3.0
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SMBC日興証券
[最短3日で取引可能]
0.9
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マネックス証券
[最短2日後に取引可能]
0.4
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カブドットコム証券
[最短4日後に
取引可能]
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松井証券
[最短3日後に取引可能]
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三菱UFJモルガン・スタンレー証券(主幹事証券) 23.5  
みずほ証券(主幹事証券) 14.3  

ラクスルのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 1400
仮条件
[予想PER(※2)
1300~1500円
5909.1倍~6818.2倍]
公募価格 1500円
初値 1645円
初値騰落率 +9.67%
予想トレーディングレンジ(※3) 1000円~3000円
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2018年5月14日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 47.9倍
ラクーン<3031> 39.7倍(連)
ピーバン<3559> 23.8倍
Mマート<4380> 80.2倍

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割高と判断できる。

ラクスルの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 2751万7000株(予定)
公開株式数 公募250万株  売出844万9900株
(オーバーアロットメントによる売出164万2100株)
想定公開規模(※1) 176.3億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

ラクスルは注目ベンチャーのマザーズ大型案件

「ラクスル」の公式サイトより

 印刷及び集客支援のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」を中心とした印刷事業、物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を中心とした運送事業など、産業ごとのシェアリングプラットフォームの創出を手掛ける。印刷EC業界は潜在需要が大きく、2018年度まで年平均10%超の成長が続いているもよう。

 ビジネスモデルや将来性は評価される可能性があるものの、公開規模の大きさが初値の重しとなる。今年もキュービーネットHD<6571>などの大型IPOは公開価格を下回る初値を付けた。有望ベンチャーの一角として注目されているため、今後の人気度変化を注視したい。

 公開規模については100億円台後半となる見込み。上場後もベンチャーキャピタルとみられる株主の保有株が多数残るが、ロックアップ等から目先の売り圧力は大きくない。 

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ラクスルの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2014/7 761
(―)
▲ 373
(―)
▲ 374
(―)
2015/7 2,644
(247.2%)
▲ 1,731
▲ 1,754
2016/7 5,082
(92.1%)
▲ 1,438
▲ 1,448
2017/7 7,675
(51.0%)
▲ 1,163
▲ 1,175
2018/7予 10,515
(37.0%)
9
6
2018/1 2Q 4,903
(―)
▲ 129
(―)
▲ 132
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:0.22円/0.00円
※予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの。

ラクスルの業績コメント

 2018年7月期の業績は、売上高が前期比37.0%増の105.1億円、経常損益が900万円の黒字転換の見通しとなっている。

 足元では、印刷業界においては、引き続きデジタルメディアの拡大とともに従来型の紙媒体の需要が緩やかに減少傾向にあるものの、印刷EC業界は潜在需要が大きく、市場は拡大している。運送業界においては、宅配便大手企業の運賃値上げが相次ぎ、各企業において輸送コストの増大への対処が喫緊の課題となっている。

 このような状況のなか、同社は基幹事業である「印刷事業」及び「運送事業」の新規顧客の獲得とサービス向上に注力し、両事業ともユーザーインターフェイスの改善や登録ユーザー数増加に向けたマーケティング等の先行投資を行ってきた。

 印刷事業においては、自動データチェック入稿機能、及びデザインテンプレートの拡充等顧客満足度の更なる向上に努めたことで、新規顧客の獲得が進みリピート購入数も好調に推移した。

 運送事業においては、各企業が輸送コストの増大に課題を抱えているなかで積極的な提案活動を行ったことにより、顧客基盤は順調に拡大している。また登録ドライバー数の増加にも努めており、年末に急増した配送需要にも対応し売上拡大へと繋がっている。

ラクスルの詳細情報

■基本情報
所在地 東京都品川区上大崎二丁目24番9号
代表者名(生年月日) 代表取締役社長CEO 松本 恭攝(昭和59年10月10日生)
設立 平成21年9月1日
資本金 1億8859万円(平成30年4月27日現在)
従業員数 147人(平成30年3月31日現在)
事業内容 印刷及び集客支援のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」を中心とした印刷事業、物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を中心とした運送事業等、産業毎のシェアリングプラットフォームの創出
■売上高構成比率(2017/7期 実績)
品目 金額 比率
印刷事業 7,500 百万円 97.7%
運送事業 168 百万円 2.2%
その他 6 百万円 0.1%
合計 7,675 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 松本 恭攝 563万5000 22.52%
2 株式会社オプトホールディング 477万3300株 19.08%
3 株式会社日本政策投資銀行 239万1100株 9.56%
4 グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合 196万5300株 7.86%
5 WiL Fund I,L.P. (常任代理人 株式会社WiL) 179万3800株 7.17
6 テクノロジーベンチャーズ3号投資事業有限責任組合 130万4200株 5.21%
7 YJ1号投資事業組合 129万8700株 5.19%
8 株式会社リンクアンドモチベーション 51万7200株 2.07%
8 AT-I投資事業有限責任組合 51万7200株 2.07%
10 日本生命保険相互会社 47万5000株 1.90%
合計   2067万800株 82.63%
■その他情報
手取金の使途 (1)広告宣伝費、(2)新規サービスの開発に係る人件費及びシステム外注費等、(3)人材採用費及び人件費等に充当する予定
関係会社 INTERNATIONAL DIGITAL SOLUTIONS PTE.LTD (関連会社) 印刷事業
VC売却可能分(推定) -社 -株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 2016年8月5日
割当先 株式会社日本政策投資銀行、他11社
発行価格 820円 ※株式分割を考慮済み
◆「ラクスル」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
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ラクスルの銘柄紹介

 同社は「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」という企業ビジョンのもと、デジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを用いて新しい仕組みを創り、既存のビジネス慣習を変えていくことで、同社の主な顧客である国内の企業・個人事業主の経営をより良くすることを目指し、事業を展開している。

 その主たる事業内容は、印刷事業(印刷・集客支援のシェアリングプラットフォームである「ラクスル」)及び運送事業(物流のシェアリングプラットフォームである「ハコベル」)である。

 インターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(同社の場合、印刷事業における提携印刷会社や配布会社及び運送事業における提携運送会社)を統合するコストが大幅に低下した。同社は、産業ごとにプラットフォームを創出することで、1社が全ての製造及び販売機能を持つのではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける産業形態の在り方を提示したいとしている。

(1)印刷事業

 同社の主たる事業である印刷事業について、印刷業界全体の市場規模は5.5兆円と大きなものであるが、市場に約2万5000社もの中小印刷会社が存在しており、供給過多になっているため、印刷機の実際の稼働率は低い水準にあると同社では考えている。また、印刷機によって印刷できる印刷物が異なるため、自社で刷れないものは他の印刷会社に依頼するという"まわし仕事"が発生している。

 同社は、現状非効率な印刷業界にとってより良いビジネス環境をつくりたいと考え、インターネットを使って全国の顧客から印刷の注文を集め、その注文を同社がネットワークとして築いている印刷会社に発注し、印刷機の非稼働時間を使って印刷をする仕組みを開発、提供している。

 具体的には、まず、顧客が「ラクスル」のウェブサイト上で印刷物の部数や納期等を選び、印刷データをアップロードする。その後、同社は印刷データを印刷に適したデータに加工し、提携印刷会社へ印刷を委託する。印刷会社は同社から受領した印刷データを印刷後、直接顧客へ品物を届ける。同社との取引を通して、提携印刷会社の印刷機の稼働率の向上を図り、印刷会社の経営にも資する形での事業展開を実施している。なお、現状国内の印刷EC市場は約920億円程度の規模であると言われている。

 また、同社は印刷事業の海外展開の一環で、同社の100%子会社であるRAKSUL INTERNATIONAL PTE. LTD.を通じて、インドネシア及びインドにおいて現地の印刷EC企業に対するベンチャー投資を行っている。加えて同社は、ネット印刷の事業を基軸に、印刷物のデザインサービスや、印刷したチラシの新聞折込・ポスティングといった、狭商圏内での"集客支援のワンストップサービス"を提供している。

(2)運送事業

 運送事業は、荷物を送りたい顧客と運送会社のドライバーをマッチングして、インターネット上で荷物の配送予約から支払までを行うことができる物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を運営している。

 顧客がパソコンやスマートフォンから「ハコベル」のウェブサイトを通じて依頼すると、その情報が「ハコベル」に登録したドライバーのパソコンやスマートフォンに届く。そのなかで条件が合うドライバーが受注し、依頼時間にトラックで向かい、荷物を積んで、配送先に届ける。顧客は様々な利用目的で注文するが、特に都市内輸送とラストマイル配送で活用している。

ラクスルの投資のポイント

 ビジネスモデルや将来性は高く評価される可能性があるものの、公開規模の大きさが初値の重しとなる。今年4月に上場した8社の公開価格に対する初値上昇率は平均+279.2%と極めて好調に推移した。さらに同社は約1カ月のIPO休止期間明けの上場となるため、需給環境も良好だろう。

 一方、公開規模は3月上場のキュービーネットHD<6571>に次ぐ今年2番目の大きさとなる見込み。公開規模253億円のキュービーネットHDは公開価格比-6.0%、同じく3月上場で公開規模159億円の信和<3447>も同-3.8%と公開価格を下回る初値だった。

 また、HEROZ<4382>など初値好調だった4月IPO銘柄はセカンダリーで反動安がきつく、直近のIPOでは上場初日に売り急ぐ動きが強まった印象がある。とりわけ同社のような大型案件では換金売りがかさみやすいだろう。とはいえ有望ベンチャーの一角として注目されているため、今後の人気度変化を注視したい。

 同社は、印刷・集客支援のシェアリングプラットフォームを中心とした印刷事業を「ラクスル」のサービス名で、また物流のシェアリングプラットフォームを中心とした運送事業を「ハコベル」のサービス名で展開している。顧客が「ラクスル」のウェブサイト上で印刷物の部数や納期等を選び、印刷データをアップロードすると、同社が印刷データを印刷に適したデータに加工し、提携印刷会社へ印刷を委託する。印刷会社は同社から受領したデータを印刷後、直接顧客へ品物を届けている。印刷EC業界は潜在需要が大きく、2018年度まで年平均10%超の成長が続いているもよう。

 業績面について、2018年7月期は売上高が前期比37.0%増の105.1億円、経常損益が900万円の黒字転換の見通しとなっている。なお、第2四半期まで赤字で推移しているが、受注が継続的に増えていくこと、印刷業界及び運送業界の繁忙期が第3四半期以降であることの2点から、売上が下期に偏重する傾向にあるという。

 想定仮条件水準の今期予想PERは4ケタに上る。今期は黒字化を果たしたばかりで利益水準がまだ小さいことが主因とみられる。来期も業績の高い伸びが期待されるが、それも反映した価格設定と捉えられそうだ。

 公開規模については100億円台後半となる見込み。上場後もベンチャーキャピタルや投資ファンドとみられる株主の保有株が多数残るが、大株主には上場日後180日間のロックアップがかかっており、その他も第三者割当等に係る継続所有の確約(上場日後6カ月間)が取られている。このため、既存株主による目先の売り圧力は見た目ほど大きくない。

 また、前述のとおり4/27のエヌリンクス<6578>から1カ月ほど間を空けての上場となるため、一般的には投資家の参加意欲が高まりやすいところだが、公開規模の大きさに需給懸念が強まるだろう。

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[データ提供・銘柄分析]フィスコ 

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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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