「株の売買で思うように利益をあげられない」「どんな銘柄を売買すればいいかわからない」と思い悩む投資家は多いだろう。
そんな悩める人々にマネックス証券が『高勝率の銘柄分析ロボットがメールで毎日、銘柄の売買シグナルを配信する』サービスを始めた。各銘柄の売買シグナルを教えてくれるサービスだ。
個人投資家はその銘柄を売買するだけでいいのだが、本当にそんなラクチン売買ができるのか?
早速サービスに申し込み、メールの配信を受けたので、今回はメールで送られてきた銘柄やパフォーマンスの状況など、新サービス「マネックスシグナル」について詳しくみていこう。
モニター期間のロボットの勝率は約71%だった
「マネックスシグナル」は、複数の投資分析アルゴリズム(ロボット)の投資判断により、売買シグナルが発生した銘柄が日々メールで配信される新サービスだ。
ロボットは「日本株ロボット運用投信(愛称:カブロボファンド)」に投資助言を行うトレード・サイエンス社が開発。長期間のバックテストを行い、勝率・平均利益率・平均損益などを評価の上、採用されたアルゴリズムが使われているという。
ちなみに2011年9月9日から2012年1月31日までのモニター期間中に発生した、「アウトライト」と呼ばれる戦略の決済シグナル(201件)の勝率は約71%だった。
2種類の戦略、6種類のロボットがシグナルを配信
「マネックスシグナル」では、流動性・時価総額の観点から約500銘柄を抽出、その中からシグナルを配信する銘柄が選ばれる。ロボットが使う戦略は「アウトライト戦略」と「ペアトレード戦略」の2種類だ。
「アウトライト戦略」を使うロボットは5種類、主に逆張り系のテクニカル分析が利用されているようだ。メールは毎営業日配信される【表1】。
「ペアトレード戦略」を使うロボットは1種類。同業種のペア銘柄で同時に買いと売りを行う。値動きが似ているが、価格変動差がある銘柄を売買することで、株価の差額を利益にする売買方法だ。ペアトレードが有効と判断される銘柄ペアをロボットが選び、毎週金曜日にメール配信する【表2】。
週に1回、売買した銘柄のパフォーマンスを検証したメールも配信される。今回は2月20日(月)に配信された検証結果を紹介しよう(【表3】~【表6】)。なお、騰落率はシグナル配信の翌営業日の寄付で売買を行ったと想定して、算出されている。
アウトライト戦略では、全体の勝率が57.89%で、平均損益率は-0.56%(2月1日~2月17日)(【表3】【表4】)。なお、下記の【表3】における「騰落率」は、銘柄ごとにロボットが行なった売買の損益率を示している。
ペアトレード戦略では、勝率が57.05%で平均損益率が1.31%(2011年9月12日~2012年2月17日)となった(【表5】【表6】)。
高勝率でも高収益とは限らない
どちらも勝率は57%台とかなり高い。ただし、アウトライト戦略の結果を見てわかるとおり、勝率が高いからといって、損益がプラスになるとは限らない。夢のようにガッポリ儲かることを期待していると、拍子抜けするかもしれない。
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チャート上で具体的な売買ポイントを見てみよう。
アウトライト戦略では、逆張り的に仕掛ける傾向があり、シャープの場合、急落後をうまく拾って反発で利食っている様子がわかる【図7】。
一方、ディー・エヌ・エーでは、前回高値付近から売りを仕掛けたところ、高値をブレイクされ、直近の高値付近で損切りとなった【図8】。
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このように、実際の運用では、勝ったり負けたりを繰り返しながら取引をしていく。
シグナルが出たすべての銘柄を売買できない場合、どのロボットを選ぶかも重要だ。
たとえば、「あまり大きな値動きが出ると困る」という場合には、時価総額上位30銘柄を対象とする「Long003」や「Short202」を選ぶべきかもしれない。また、買い(Long)と売り(Short)の銘柄を一緒に買っておけば、リスクヘッジになる可能性がある。
実際に売買をする場合、ロボットが出した高勝率の売買シグナルといえども、負ける場合はあることは承知しておくべきだろう。過去の検証は、将来の収益を保証するわけではないからだ。
シグナル配信で銘柄を売買するのは簡単なことだが、シグナルを信じて売買を継続していくことは意外に難しいかもしれない。興味を持たれた方は、試しにシグナルの配信を受けてみてはいかがだろうか。利用料金は月々3150円だが、初回申込み時は、申込月とその翌月が実質無料で利用が可能だ。
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