GPUメーカーのエヌビディアの決算は
売上高成長率+65.6%の素晴らしい内容
先週、GPU(リアルタイム画像処理プロセッサ)メーカーのエヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA)が、2019年度第1四半期決算を発表しました。素晴らしい内容でした。
EPSは予想1.66ドルに対し2.05ドル、売上高が予想28.8億ドルに対し32.1億ドル、売上高成長率は前年同期比+65.6%でした。
エヌビディアの売上高の半分はゲーミング需要
仮想通貨のマイニングのための需要も
下は、エヌビディアのGPUにおける市場別売上動向のチャートです。
ゲーミングが売上高の54%を占め、最も重要な市場となっています。ゲーミング売上高は、前年同期比で+68%の17.2億ドルでした。
高い成長を記録している理由は、『フォートナイト』『パブジー(PUBG)』などの新しいゲームがGPUの買い替え需要を促進しているためです。
なお、第4四半期から第1四半期にかけて売上高が下がっているように見えるのは、通常、第4四半期はクリスマス商戦期間を含んでいるためです。従って第1四半期は例年、前期比ではマイナスになります。
ゲーム向けGPUは、卸(おろし)市場を経由し消費者へ届けられるのですが、品薄から卸市場における価格が高騰し、ファンが手頃な値段でGPUを買えないという問題が起きました。
品薄状態は、上記の新しいゲームの登場に加えて仮想通貨をマイニングする目的でGPUが買い漁られたことにより引き起こされました。
仮想通貨向けの重要は冷え込むと予想されるが
コア市場であるゲーミング市場にとってはプラス要因
今期の決算発表から、エヌビディアは初めて仮想通貨向け需要の数字を開示し始めました。第1四半期の仮想通貨向け売上高は2.89億ドルでした。これはアナリストの予想数字を上回りました。
しかし、ビットコイン、イーサリアムなどの仮想通貨の価格が下落したことに加え、イーサリアムのマイニング専用のASICs(=カスタム半導体)が他社から発表されたことなどの要因により、第2四半期は0.96億ドル前後に落ち込むと会社側は見ています。
この仮想通貨向けGPU市場の冷却化は、エヌビディアの本来のコア市場であるゲーミング向けGPUの消費には、むしろ好都合だと思われます。なぜなら、上に書いたような卸市場に於ける価格高騰により、いままでGPUを買い替えたくても買い替えることができなかったファンにとって、ようやく手の届く価格に下がってくるからです。
これが第2四半期の売上高に与える影響ですが、通常、第2四半期は第1四半期と比べると+15%前後で成長するのですが、今回はゲーム・ファン達の待機需要を充足する売上が好調だというと見込まれることから、それより少し高い売上高成長率を出せそうです。
別の言い方をすると、来期にかけて仮想通貨向けの売上高が3分の1に急減しても、それを補って余りある売上成長をゲーミングから出せるということです。
データセンター向けGPUの市場規模は
2023年までに500億ドルに
一方、データセンター向けGPU市場は同社の売上高の22%を占めていますが、ここは第1四半期+71%(前年同期比)の成長を記録しました。人工知能(AI)向けGPUの引き合いが、たいへん強いです。
世界には3000万台のサーバが存在し、それらの大半はディープ・ラーニングが無い時代に購入されました。その多くはCPU(中央処理装置)と呼ばれる半導体により駆動されているのですが、CPUではディープ・ラーニングに必要な演算処理は到底捌き切れません。
つまり、CPUからGPUへの交換需要が向こう何年にも渡って期待できるのです。
人工知能(AI)には様々な用途(アプリケーション)があるのですが、それらを設計するソフトウェア・デベロッパーは、先ずGPUに基づいた設計の手法を体得する必要があります。いま続々とそのような新しいスキルを身に着けたデベロッパーが誕生していますから、アプリケーションが開花するのはこれからが本番になります。
具体的にはイメージ認識、ナチュラル・ランゲージによるスピーチ認識などが目先の商機となっていますが、今後、数限りない応用が考えられます。
つまりアプリケーションの多様化に伴い、さらにGPUの需要が喚起されるという好循環が期待できるのです。エヌビディアでは、2023年までにデータセンター向けGPUの市場規模は500億ドルになると予想しています。
CPUとGPUを比べると、場合によってはGPUの方が100倍もパワフルです。それは、サーバが少なくて済むうえ配線などデータセンター周りのゴチャゴチャが整理でき、結果として費用削減につながることを意味します。
自動運転者向けの半導体市場は
2035年までに600億円規模に成長!
第1四半期の自動車関連売上高は、前年同期比+4%の1.45億ドルでした。
自動運転車向け半導体はまだまだ小さいですが、2035年までには世界で1億台の自動運転車が走り回り、さらに1000万台のロボット・タクシーが登場する、とエヌビディアでは予想しています。その場合、自動運転車向け半導体は600億ドル市場へ成長すると見込まれます。
【今週のまとめ】
エヌビディアは決算発表後に下落したが
ここは「押し目は買い場」と考えよう
先週、エヌビディアが決算発表した後、「理想買い、現実売り」で同社株は売られました。来期に仮想通貨向け売上高が落ち込むという会社側のコメントもセンチメントを悪くしました。
しかし今日説明したように、仮想通貨向け需要の一巡はむしろ同社のコア市場であるゲーミング向けGPUにとっては好都合であり、エヌビディア株の押し目は買い場と考えることが出来るでしょう。

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