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デートアプリ「ティンダー」が世界中でブレイクする「マッチ・グループ」が熱い! 日本の「ペアーズ」など数多くのデートアプリを傘下に収める企業とは?

2018年6月11日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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デートアプリの「ティンダー」が
世界中で人気に!

 デートアプリ「ティンダー(Tinder)」が世界でブレイクしています。

 ティンダーの2018年第1四半期の時点でのサブスクライバー(加入者)数は、347万人でした。また、サブスクライバー成長率は、前年同期比+87%でした。

 ティンダーが急成長している理由は、「カジュアルな出会い」が社会的に受け入れられるとともに、デートアプリが、ある種のエンターティメントないしは「暇つぶし」として使われ始めているためだと思われます。

数多くのデートアプリ運営企業を買収する
マッチ・グループとはどんな会社?

ティンダー公式サイトトップ画像ティンダー公式サイト
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 ティンダーは、マッチ・グループ(ティッカーシンボル:MTCH)の傘下です。マッチ・グループは、世界のデートアプリを次々に買収し、それらの持ち株会社となっています。

 そのポートフォリオ企業は、1995年から運営され米国で最も認知度の高い婚活サイト「マッチ」、欧州を中心とした婚活サイト「ミーティック」、50歳以上のシニアの出会いを支援する「アワタイム」、ユーザー間の会話を重視した「プレンティーオブフィッシュ」、ちょっときわどい「OKキューピッド」、そして日本の「ペアーズ」などになります。

 それらを合計すると、世界190カ国にユーザーが広がっており42の言語が使用されています。

 これらのデートアプリは、独立して運営され、なるべく経営に干渉しない方針を採っています。その理由は、デートアプリ市場は細分化されており、ユーザーはそれぞれのデートアプリの特徴や差異を敏感に感じ取るからです。画一化されたサービスになると、ポートフォリオ企業の全てが同時に魅力を失うリスクがあるのです。

 ユーザーは、ひとつのデートアプリから他のデートアプリへと乗り換えがちです。しかし、その場合でも両方のデートアプリをマッチ・グループが所有していれば、リスクの分散になるというわけです。

マッチ・グループは、北米以外の
海外ユーザーにも課金できているのが強み

 マッチ・グループ全体のサブスクライバーは、下のチャートのように推移しています。

 ここで注目されるのは、海外のサブスクライバー成長が著しい点です。さらに、ユーザー単価(ARPU)を見ると、下のチャートのようになっています。

 北米と海外のユーザー単価が、ほぼ同じである点に注目してください。これはネット企業としてはとてもユニークです。

 フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)など他社の場合、海外のユーザー単価はアメリカのユーザー単価よりかなり低いです。しかしマッチ・グループの場合、海外ユーザーにもしっかり課金できているのです。これが同社の成長ストーリーを補強していると思います。

マッチ・グループの業績は順調に推移
ただしティンダーの加入者成長は鈍化へ

 先に発表された第1四半期決算は、EPSが予想24セントに対し26セント、売上高が予想3.84億ドルに対し4.07億ドル、売上高成長率は前年同期比+36.3%でした。

 第2四半期の売上高は予想3.9億ドルに対し、新ガイダンス4.05~4.15億ドルが提示されました。

 2018年の売上高は、予想16億ドルに対し、新ガイダンス16~17億ドルが提示されました。

 決算カンファレンスコールでは、第2四半期のティンダー純加入者数は+20~25万人を見込んでいると説明がありました。また、下半期に入ると前年比較が苦しくなることが指摘されました。

 ユーザーのエンゲージメント(愛着・思い入れ)を高めるためのさまざまな新サービスのロードマップは充実しており、今後セレブのエンドースメント(著名人が実際に商品を使用する契約)やブランド・パートナーシップにより、マーケティングを強化する考えです。

フェイスブックのデート・サービス開始は、
マッチ・グループにとって懸念材料ではない

 フェイスブックがデート・サービスを開始することに関しては、フェイスブックはフェイスブック本体の存在意義を失わないため、「イベントに絡めたデート」だけを促す方針であり、これはマッチ・グループと競合しないと考えています。

 また、マッチ・グループのユーザーのうちフェイスブックのIDを利用してログインするユーザーは全体の25%に過ぎず、ユーザーがプライバシーに敏感であることを示しています。

【今週のまとめ】
今後の成長が期待できる
マッチ・グループに要注目!

 ティンダーが世界的にブレイクしています。親会社マッチ・グループは様々なデートアプリを展開しており、いわゆるポートフォリオ・アプローチによりリスク分散しています。

 海外展開がとりわけ上手く行っており、今後の成長の余地を提供しています。ティンダーの成長率は下がると思われますがフェイスブックのデート・サービスへの参入はあまり気にする必要は無いでしょう。

■マッチ・グループ(MTCH)チャート/日足・6カ月
マッチ・グループ(MTCH)チャート/日足・6カ月マッチ・グループ(MTCH)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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