デートアプリの「ティンダー」が
世界中で人気に!
デートアプリ「ティンダー(Tinder)」が世界でブレイクしています。
ティンダーの2018年第1四半期の時点でのサブスクライバー(加入者)数は、347万人でした。また、サブスクライバー成長率は、前年同期比+87%でした。
ティンダーが急成長している理由は、「カジュアルな出会い」が社会的に受け入れられるとともに、デートアプリが、ある種のエンターティメントないしは「暇つぶし」として使われ始めているためだと思われます。
数多くのデートアプリ運営企業を買収する
マッチ・グループとはどんな会社?
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ティンダーは、マッチ・グループ(ティッカーシンボル:MTCH)の傘下です。マッチ・グループは、世界のデートアプリを次々に買収し、それらの持ち株会社となっています。
そのポートフォリオ企業は、1995年から運営され米国で最も認知度の高い婚活サイト「マッチ」、欧州を中心とした婚活サイト「ミーティック」、50歳以上のシニアの出会いを支援する「アワタイム」、ユーザー間の会話を重視した「プレンティーオブフィッシュ」、ちょっときわどい「OKキューピッド」、そして日本の「ペアーズ」などになります。
それらを合計すると、世界190カ国にユーザーが広がっており42の言語が使用されています。
これらのデートアプリは、独立して運営され、なるべく経営に干渉しない方針を採っています。その理由は、デートアプリ市場は細分化されており、ユーザーはそれぞれのデートアプリの特徴や差異を敏感に感じ取るからです。画一化されたサービスになると、ポートフォリオ企業の全てが同時に魅力を失うリスクがあるのです。
ユーザーは、ひとつのデートアプリから他のデートアプリへと乗り換えがちです。しかし、その場合でも両方のデートアプリをマッチ・グループが所有していれば、リスクの分散になるというわけです。
マッチ・グループは、北米以外の
海外ユーザーにも課金できているのが強み
マッチ・グループ全体のサブスクライバーは、下のチャートのように推移しています。
ここで注目されるのは、海外のサブスクライバー成長が著しい点です。さらに、ユーザー単価(ARPU)を見ると、下のチャートのようになっています。
北米と海外のユーザー単価が、ほぼ同じである点に注目してください。これはネット企業としてはとてもユニークです。
フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)など他社の場合、海外のユーザー単価はアメリカのユーザー単価よりかなり低いです。しかしマッチ・グループの場合、海外ユーザーにもしっかり課金できているのです。これが同社の成長ストーリーを補強していると思います。
マッチ・グループの業績は順調に推移
ただしティンダーの加入者成長は鈍化へ
先に発表された第1四半期決算は、EPSが予想24セントに対し26セント、売上高が予想3.84億ドルに対し4.07億ドル、売上高成長率は前年同期比+36.3%でした。
第2四半期の売上高は予想3.9億ドルに対し、新ガイダンス4.05~4.15億ドルが提示されました。
2018年の売上高は、予想16億ドルに対し、新ガイダンス16~17億ドルが提示されました。
決算カンファレンスコールでは、第2四半期のティンダー純加入者数は+20~25万人を見込んでいると説明がありました。また、下半期に入ると前年比較が苦しくなることが指摘されました。
ユーザーのエンゲージメント(愛着・思い入れ)を高めるためのさまざまな新サービスのロードマップは充実しており、今後セレブのエンドースメント(著名人が実際に商品を使用する契約)やブランド・パートナーシップにより、マーケティングを強化する考えです。
フェイスブックのデート・サービス開始は、
マッチ・グループにとって懸念材料ではない
フェイスブックがデート・サービスを開始することに関しては、フェイスブックはフェイスブック本体の存在意義を失わないため、「イベントに絡めたデート」だけを促す方針であり、これはマッチ・グループと競合しないと考えています。
また、マッチ・グループのユーザーのうちフェイスブックのIDを利用してログインするユーザーは全体の25%に過ぎず、ユーザーがプライバシーに敏感であることを示しています。
【今週のまとめ】
今後の成長が期待できる
マッチ・グループに要注目!
ティンダーが世界的にブレイクしています。親会社マッチ・グループは様々なデートアプリを展開しており、いわゆるポートフォリオ・アプローチによりリスク分散しています。
海外展開がとりわけ上手く行っており、今後の成長の余地を提供しています。ティンダーの成長率は下がると思われますがフェイスブックのデート・サービスへの参入はあまり気にする必要は無いでしょう。
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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