つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2024年]

「つみたてNISA」は、バランス型投資信託を1本だけ
選べばOK! 国内と海外の4つの資産(株式+債券)に
投資するバランス型投信の選び方と注意点を解説!

2018年6月22日公開(2022年3月29日更新)
深野 康彦
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つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

 「つみたてNISA(積立型の少額投資非課税制度)」で買える投資信託には、株式に100%投資する商品のほかに、国内外の株式や債券といった複数の資産を組み合わせて投資する「バランス型投資信託」があります。

 1本で複数の資産に分散投資が可能で、管理もプロにお任せできるといったメリットから、バランス型投資信託は「つみたてNISA」で投資デビューをする人にも人気です。しかし、選び方の基本を間違っている人もいるようです。今回は、「つみたてNISA」でバランス型投資信託を選ぶ際に気を付けたいポイントについて説明します。

バランス型投資信託の最大のメリットは
リスクを抑えてより安定的なリターンを狙えること

 バランス型投資信託とは、株式、債券、リートといった複数の資産や日本、海外などの異なる地域の投資対象を組み合わせた投資信託のことです。バランス型投資信託は投資初心者にも向いている商品ですが、最初にそのメリットを確認しておきましょう。

 バランス型投資信託のメリットは、主に2つあります。1つは、自動的に「リバランス」をしてくれることです。資産運用を続けていると、株式などの投資対象の値上がり・値下がりによって、資産の配分が望ましい比率から次第にずれていきます。そこで各資産を一部売ったり、買い増したりしてズレを修正する「リバランス」が必要となるのですが、バランス型の投資信託ならこのリバランスを自動的に行ってくれます。言い換えると、運用のメンテナンスを“お任せ”でやってくれるので非常に楽です。

 もう1つのメリットが、1本で複数の資産に「分散投資」できることです。これがバランス型投資信託の最も大きなメリットと言ってもいいでしょう。

 分散投資の目的は、株式と株式以外の資産を組み合わせ、値動きを安定化させることにあります。この「分散」は投資の基本でもありますが、「つみたてNISA」で対象となっている商品は株式100%の投資信託・ETFか、バランス型の投資信託のみですから、「つみたてNISA」の中だけで分散投資をしようとすれば、バランス型の投資信託を買うしかありません。

 ただし、バランス型投資信託ならどれでも同じ、というわけではありません。大まかに言うと、株式への投資比率が高ければ高いほど、高いリターン(利益)が期待できる反面で、リスク(値動きの幅)も大きくなります。逆に、株式の比率が低いほど、リスクは小さくなりますがリターンも低くなります。つまりバランス型投資信託の中でも、投資する資産の組み合わせ方によって、リターンとリスクが違ってくるということです。投資初心者の方は、その点をよく理解しておいてほしいと思います。

 いずれにせよ、バランス型投資信託は株式100%の投資信託に比べると、値動きが落ち着いたものになる代わりにリターンも控えめになります。とはいえ、株式の組み入れ比率が低いバランス型投資信託であっても、預貯金や債券100%の投資信託と比べれば当然リターンは高く、インフレ率にも負けないはずです。

組み合わせの数が多いほどいいわけではない
国内外の「株式」と「債券」の組み合わせで十分!

 さて、「つみたてNISA」での対象となっているインデックス型の投資信託のうち、バランス型投資信託は60本あります。内訳は以下のとおりです(6月22日現在・金融庁の分類による)。ちなみに、アクティブ型にも6本のバランス型投資信託があります(金融庁の分類では「株式及び公社債」「株式、公社債及びREIT」となっています)。

●国内型
・2指数…1本
・3指数…2本

●海外型(※日本も含む)
・2指数…1本
・3指数…2本
・4指数…16本
・5指数…2本
・6指数…11本
・7指数…2本
・8指数…23本

 「指数」が組み合わせる資産の数です。見ての通り、バランス型投資信託でも、日本国内の2資産(株式とリート)に分散投資されているだけのものから、国内外の8資産(国内と先進国の株式・債券・リート、新興国の株式と債券)に分散投資されているものまであります。

 では、どのようなタイプのバランス型投資信託を選べばいいのでしょうか前回解説したように、日本国内のみが投資対象のものはおすすめできませんが、実は単に組み合わせる資産の数が多ければいいというものでもありません。なんとなく「資産は分散すればするほどいい」というイメージを持っている人もいるようですが、それは誤解です。分散投資は、あくまで分散の効果がしっかり期待できる組み合わせであることが重要です。

 伝統的に分散効果が高いと言われているのは、株式と債券の組み合わせです。この2つは基本としては「逆相関」の関係にあり、株式が下落するときには債券が上昇、逆に株式が上昇するときには債券が下落するため、互いの値動きが相殺されて、リターンとリスクが安定する効果があります。

 なお、株式と債券は近年値動きが同調する(同じ方向に動く)ことも多く、分散効果が薄れてきたのではないかという人もいます。確かにそうした面もありますが、長い目で見ればまだ逆相関の関係は続いており、分散効果は期待できると言えます。

 一方、株式とリートは同じような値動きをするため、分散効果はあまり期待できません。つまり、5~8資産に分散投資するバランス型投資信託のうちリートを組み入れているものは、選ぶ必要は特にないと私は考えます。分散効果を考えるなら、国内と海外の株式と債券の4資産に投資するバランス型投資信託で十分です。もしくは、海外を先進国と新興国に分けて、株式と債券の6つの資産に分散投資するバランス型投資信託でもいいでしょう。

【※関連記事はこちら!】
つみたてNISAでおすすめの「バランス型投信」を紹介! 分散投資が目的のバランス型投信を選ぶなら国内外の株式と債券に投資する「4指数」で十分!」

「均等配分」タイプは“わかりやすい”が“いい”わけではない
自分に合った資産配分のバランス型投資信託を選ぶのが基本!

 続いて、各資産の配分について考えてみましょう。同じ4つの資産に分散投資するバランス型投資信託でも、商品によって資産の配分比率は異なります

 例えば、国内株式・国内債券・先進国株式・先進国債券に分散投資する「DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)」と「DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型)」では、前者が「国内株式」30%、「外国株式」20%、「国内債券」30%、「外国債券」15%(残り5%は短期金融資産)なのに対して、後者は「国内株式」40%、「外国株式」30%、「国内債券」15%、「外国債券」10%(短期金融資産5%)となっています(図参照)。

バランス型投資信託の資産配分の例
DCニッセイワールドセレクトファンド
(標準型)
DCニッセイワールドセレクトファンド
(株式重視型)
バランス型投資信託の資産配分の例/DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)
バランス型投資信託の資産配分の例/DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型)

 では、どのような配分のバランス型投資信託を選ぶのがいいのかですが、実は誰にでも当てはまる「正解」はありません。先ほども述べたように、株式の比率が高くなるほど、高いリターンが期待できる代わりにリスクが大きくなります。

 そこで、「ある程度リスクを取っても高いリターンを目指したい」と思う人なら株式の比率が高いものを選び、「リスクをできるだけ抑えたい」と考えるのであれば、逆に株式の比率を抑えたものを選ぶのが、基本的な考え方です。また、国内資産と海外資産であれば、海外の比率が高いほうが値動きの幅は大きくなります。

 ただ、分散投資によるリスク低減効果は、株式比率を25~30%くらいまで下げたところで止まり、株式比率20%や10%でもさほど変わりません。リターンとリスクのバランスを考えると、国内株式と海外株式の合計が25~30%未満のバランス型投資信託は、買わなくていいと私は思います。

 もう一つ、気を付けたいのが、「4資産均等」「8資産均等」などのタイプです。「つみたてNISA」で、こうした資産を均等に配分するタイプのバランス型投資信託をラインナップしている金融機関は多く、人気も高いのですが、「均等配分」は必ずしもベストではありません

GPIFの基本ポートフォリオ

 均等配分のメリットは、個人が見たときの「わかりやすさ」に尽きます。逆に言えば、それ以外のメリットはないのです。運用成績面で、均等配分が望ましいという検証結果はこれまで出ていないからです。一つの参考例として、公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の基本ポートフォリオ(投資対象の組み合わせ)も、均等配分ではありません(図参照)。

 バランス型投資信託は、自分が目指すリターンと取れるリスクに合った配分のものを選ぶのが、あくまで基本です。

買う前に「目論見書」に目を通して
組み合わせ比率や騰落率を確認しよう!

 「バランス型投資信託」における資産分散の基本的な考え方がわかったところで、次にやるべきは、購入を検討する投資信託がどのくらいのリスクを取っているのか、リターンを得ているのかを確認することです。

 その方法としては、「交付目論見書」(以下「目論見書」)を見るのが簡単です。目論見書は、その投資信託の重要事項を説明した書類で、各金融機関のウェブサイトなどで見ることができます。各社の「つみたてNISA」の取扱商品一覧にもリンクがあるはずです。

 まず、資産(投資対象)の組み合わせ比率を確認しましょう。これは多くの場合、目論見書の最初のほうに書いてあります。投信名に「債券重視型/標準型/株式重視型」「(株式比率)30/50/70」などと付いている場合は名前だけでもある程度の判断はできますが、ざっとでも目論見書に目を通すことをおすすめします。

バランス型投資信託と代表的な資産クラスの騰落率バランス型投資信託と代表的な資産クラスとの騰落率の比較の例。「三井住友・DC年金バランス70(株式重点型)」の交付目論見書より引用。 拡大画像表示

 特に、リートが含まれている場合は要注意です。リートのリスクは結構高く、株式と同程度です。すでに述べたとおり、国内外の株式と債券の4資産に投資する商品で十分だと私は考えますが、もしリートが入っているバランス型投資信託を検討するなら、株式とリートを合計した比率で判断してください。

 次に、設定からある程度の期間がたっている投資信託であれば、目論見書の後半あたりに「ファンドと代表的な資産クラスとの騰落率の比較」といった図表が掲載されているはずです(図参照)。それを見るとその投資信託(ファンド)の過去の値動きの幅を確認できます。国内株式や先進国株式、国内債券などの各資産の値動きと比べて見るとわかりやすいでしょう。

おすすめのバランス型投資信託はこれ!
うまく利用して長期的な資産形成を目指そう

 複数の投資信託で騰落率の値を比較すれば、「リスクを取ってもリターンを狙えるもの」「なるべくリスクを抑えたもの」など、自分の考えにより近いバランス型投資信託を探す際の手助けになります。

 また、過去の騰落率はできれば5年以上の長期で見たいところです。もっとも「つみたてNISA」の制度スタートを機に設定されたものなど、運用期間が短い投資信託もあります。その場合は、同じ資産配分(同じ指数を利用していることが望ましい)で5年以上の運用期間がある商品のデータを参考にすればいいでしょう。

 4資産に分散投資するタイプでは、先ほど例に挙げた「DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型標準型株式重視型」や、「ダイワ・ライフ・バランス(305070」、「三井住友・DC年金バランス 30(債券重点型)50(標準型)70(株式重点型)」などが基準となりえます。

 これらは内容やコスト面からおすすめと言えるバランス型投資信託でもあります。また、新興国株式を含むアクティブ型ですが、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」も悪くないバランス型投資信託だと思います。

 バランス型投資信託は、「なんとなく」ではなく、内容を確認して、自分に合ったものを選ぶのが重要です。ただ、あまり難しく考える必要はありません。基本を理解して、大まかなリスクとリターンの水準がイメージできれば大丈夫です。「つみたてNISA」でバランス型投資信託をうまく利用して、長期的な資産形成を目指しましょう。

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(構成:肥後紀子)

深野康彦(ふかの・やすひこ)[ファイナンシャルプランナー]
ファイナンシャルリサーチ代表。AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現職。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。主な著書に『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない』『ジュニアNISA入門』(ダイヤモンド社)など多数。
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2024年1月4日以降、新NISA口座では、日本株の売買手数料が全額キャッシュバックされ、実質無料に(上限なし)。投資信託は従来から購入手数料が無料となる「ZEROファンドプログラム」を行っているため、一括購入、積立買付とも手数料が無料だ。投信積立については、1銘柄あたり毎月100円から。低コストの人気ファンドを数多く取りそろえている。ファンド選びに迷った場合は、各自のリスク許容度に合わせた銘柄と投資割合を提案する「投信ロボ」が心強い。また、投資信託の平均保有残高が1000万円以上(プラチナ)、3000万円以上(プレミアゼロ)の場合は、信用取引の手数料が優遇されたり、IPOの当選確率がアップするサービスも提供している。単元未満株の取引も可能で取扱銘柄数も多いが、売買手数料は約定代金2万円まで220円、3万円まで330円、10万円まで660円(すべて税込)などだ。
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国内外のETFに分散投資をするロボアドバイザー「ウェルスナビ」はNISA口座にも対応。5つの質問に答えるだけで最適なポートフォリオを提案し、毎月自動的に積立投資をしてくれるので、初心者でも簡単に効率的な運用を実行できる。2024年からの新NISAなら、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で資産を購入することで最大で年360万円まで投資可能! 運用コストとしては、一般的な証券会社のような売買手数料ではなく、資産残高に対して決まった割合のサービス利用料を負担する形なので要注意。

※ NISA口座に自動積立だけで入金した場合で試算した手数料。リスク許容度(ポートフォリオ)により異なる。また、各商品の値動きによりポートフォリオのバランスが崩れた場合は、手数料が表記の範囲を超えて変動する可能性がある。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。※1 年会費無料のクレジットカードの場合。※2 1約定ごとプランで約定金額240万円までの売買手数料。

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