8月14日(水)に米国株式市場が急落し、
NYダウとナスダックは約3%の下落!
8月14日(水)、米国株式市場が急落しました。ダウ工業株価平均指数(NYダウ)とナスダック総合指数は約3%の下落、S&P500指数ならびに小型株指数であるラッセル2000指数は-2.9%でした。
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急落の原因は、長期債と短期債の利回りが逆転する
「逆イールド現象」という異常事態
急落の引き金になったのは、いわゆる「逆イールド」という現象です。つまり、10年債利回りから2年債利回りを引いた「金利差」が「0」以下になったということです。
普通、債券の利回り(イールド)は短期債ほど低く、長期債になるほど高いです。その理由のひとつは、「今日おカネを貰えるのなら、それは遠い将来、同じ金額を貰うよりお得だ!」という考え方にあります。これを「おカネの時間価値(Time Value of Money)」と呼びます。
「どうせ同じおカネなら、将来貰うより今すぐに貰った方が得」と考える理由は、
1)将来、本当にそのおカネを貰えるかどうかわからない
2)そのおカネをすぐに消費に回す、あるいは投資することで、メリットを享受することができる
という2つです。
そのため、「今のおカネ」と「将来のおカネ」が等価の価値を持たせるためには、魅力が薄れがちな「将来のおカネ」に、より多くの金利をつけることで魅力をアップさせる必要が出てくるわけです。
これが理論上、長期債の利回りの方が短期債の利回りより高くなる理由です。
8月14日の米国株式市場急落に先立って起きたのは、この「長期債の利回りは、短期債の利回りより普通大きい」という常識が崩れたということです。
具体的にその日の10年債利回りは1.572%、2年債利回りは1.575%でした。つまり、
1.572% - 1.575% = -0.003%
となり、長期債の利回りが短期債の利回りを下回ったのです。
「逆イールド現象」が発生した理由は、
トレーダーによるキャピタルゲイン狙いの売買
それでは、なぜ「逆イールド現象」という異常事態が起きたのでしょうか? これは「トレーダーの心理」が大いに関係しています。
普通、債券を購入する動機は「利回りが魅力だから」ということになります。しかし、それに加えてもうひとつ「キャピタルゲイン狙い」というトレード戦略があります。
不景気が来そうな局面では、世界の機関投資家が安全な債券に避難するという現象が起きます。
「みんなが債券を買うから債券価格が上がる。価格が上がるなら、キャピタルゲイン狙いでどんどん債券を買い上がろう!」そういう値幅取りのメンタリティーに突き動かされて、利回りがどんどん小さくなっているにもかかわらず、高値の債券をさらに買い上がったわけです。
このような現象は、不況の前によく見られます。これが10年債利回りが2年債利回りよりも低くなってしまったカラクリです。
「逆イールド」になったからといって、
すぐさま「株式市場の暴落」が来るわけではない!
一般的に、このように長短金利差が逆転して「0」以下になるのは「不況の前兆」と捉えられます。しかし、過去の歴史を紐解くと逆イールドになったからといって、そこから株価が直滑降で下げたという例はありません。
普通、逆イールドになっても株式市場が最高値をつけ、下落トレンドに転じるのはその何カ月も先です。だから、「逆イールド=即、株は売り!」というのは“早とちり”です。
同様に、逆イールドになっても、すぐにリセッション(不況)が到来するということはありません。逆イールドの現象が起きてからリセッションが到来するまで、1年以上かかるのが普通です。
今取るべき投資ストラテジーは、
「利が乗っている銘柄を粘り強く保有し続ける」こと
したがって、逆イールドが来たから急いで「株式から全降り!」というような考え方は性急なだけでなく、愚かな考えだとすら言えます。むしろ、株式投資家にとって一番美味しい、キョーレツな強気相場は、しばしば逆イールドになった後に到来します!
つまり、我々が心がけるべきは「粘る!」ということです。
もちろん、逆イールドの現象が起きたということは、「ストップウォッチが押され、カチカチと残り時間の計測がはじまった」ということを意味します。だから、ガードを下ろしてはダメです!
しかし、上で説明したように、債券が買われていて市中金利がすごく低くなっているという現象は、「より有利な投資先を求めてさまようおカネが株式市場に殺到する可能性も高まっている」ことを意味するので、「『すわ暴落か!?』と思って全降りした直後にグワーンと株式市場が急騰する」というシナリオも十分に考えられるということです。
だから今は、取り乱したり、アタフタしたり、右往左往しないで、平常心を忘れないことが重要!
皆さんがとるべき戦略は、「利が乗っている銘柄、回転が効いている銘柄を粘り強く保有し続ける一方で、力なくヘナヘナと値を消してしまう銘柄は切る!」ということです。
英語の格言に、「状況がタフに(厳しく)なったら、タフなヤツだけが残る(When the going gets tough, the tough gets going.)」というのがあります。
つまり、今、値を保っている銘柄は相当実力のあるタフな銘柄なのであり、そういう貴重な銘柄はちょっと相場環境が悪いからといってアッサリ降りてしまうのではなく、じっと抱いているのが得策なのです。
往々にして、そのような銘柄は「良い決算」を出す銘柄でもあります。
具体的な例を挙げれば、第2四半期決算で「再び力強い成長局面に入った!」という印象を強く残したコカコーラ(ティッカーシンボル:KO)、同じく抗がん薬「キイトルーダ」が絶好調で素晴らしい第2四半期決算を出したメルク(ティッカーシンボル:MRK)、インフルエンサー・マーケティングの恩恵を受けてコスメがガンガンに売れているプロクター&ギャンブル(ティッカーシンボル:PG)などが良いと思います。
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