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「ショッピファイ」は、ネットショップの開設支援を行う注目企業! アマゾンに匹敵する配送サービスを目指した積極的な投資で、さらなる成長に期待!

2019年8月19日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
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ショッピファイは、ITスキルがない人でも手軽に利用できる
ネットショップ開設支援サービス

 ショッピファイ(ティッカーシンボル:SHOP)は、ウェブ上で物品やサービスを販売する個人や小企業に対し、ウェブサイトの構築から決済までのあらゆるサービスを、クラウドを通じて提供しているネット企業です。

 ショッピファイのクライアントは、スマートフォン、タブレット、ソーシャルメディアに最適化されたウェブストアを簡単に開設することができます。そのプラットフォームは、ITスキルがない商店主でも簡単に利用できるようデザインされており、15分ほどあれば、すぐに自分のウェブストアを開店することが可能です

 ショッピファイのウェブストアは、商店主の実店舗とも連動することができ、顧客がネットで買い物を完結する場合のみならず、実店舗に来て商品を引き取ったり返品したりなどの、いわゆるオムニチャンネルのサービスにも対応しています。

 また、商店主の商売がどんどん大きくなれば、それに応じてウェブストアもどんどん拡充できるスケーラビリティを備えています。

 なお、ショッピファイは、アマゾンのように自分でネット通販を展開していませんので、顧客である商店主とは競争しません。

ショッピファイのネット通販に占めるシェアは約5%で、
米国では無視できない存在感を放つ

 米国のネット通販では、言うまでもなく、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)が大きなシェアを占めています。

 アマゾンに続いてネット通販の売上高が多い企業は、イーベイ(ティッカーシンボル:EBAY)アップル(ティッカーシンボル:AAPL)ウォルマート(ティッカーシンボル:WMT)などです。しかし、ショッピファイのプラットフォーム上で運営されている小規模なウェブストアは、それらを全部まとめれば5%のシェアを占めていることになります。つまり、エコシステム(協業形式)として、ショッピファイは米国のネット通販業界において無視できない存在なのです。

ショッピファイは、2種類の課金方法で
売上げの安定性と成長性を両立!

 ショッピファイは、主に2種類の経路から売上高を上げています。

 まず、サブスクリプションです。商店主がショッピファイを使ってウェブストアを開店すると、毎月、ショッピファイに対してそのプラットフォームの使用料を定額制のカタチで支払う必要があります。このサブスクリプション売上高は、商店主の数が増えるに応じて伸びます

 もうひとつは、マーチャント・ソリューションズと呼ばれる決済フィーで、これはトランザクション(注文処理)ごとに請求します。マーチャント・ソリューションズは、総売上高のパーセンテージで請求されます。

 ショッピファイを利用してウェブストアを開設した商店主たちの総売上高は、GMV(グロス・マーチャント・ボリューム)という数字で表されます。2017年から2018年にかけてのGMV成長率は+56%でした。

 つまり、ショッピファイのマーチャント・ソリューションズ売上高は、商店主の商売が繁盛すればそれに連動して増える仕組みなのです

 2017年から2018年にかけてのショッピファイの売上高成長率は+59%でした。

 8月1日に発表されたショッピファイの第2四半期決算では、サブスクリプション売上高が前年同期比+38%の1.53億ドル、マーチャント・ソリューションズ売上高が前年同期比+56%の2.09億ドルでした。

フルフィルメント・ネットワークのサービスを開始し、
消費者の満足度を向上!

 ショッピファイは、フルフィルメント・ネットワークのサービスを開始しました。これは、商店主に代わって商品を顧客に届けるサービスです。

アマゾンは、フルフィルメント(=商品の発送)が強いと言われており、倉庫でロボットを活用するなどして受注から商品を届けるまでの時間を短縮しています。商品が届くまでの待ち時間は、消費者の満足度に大きく影響します。

 これまでショッピファイのウェブストアは、この待ち時間の面でアマゾンとの競争に負けていました。しかし今後は、フルフィルメントの作業を商店主に任せるのではなく、ショッピファイが代行することで、スケールメリットを出し、少しでもこの時間を短縮しようとしています

 まず、できるだけ自前の保有資産を軽くするため、独立のロジスティクス(物流)業者と連携し、フルフィルメントのサービスを開始。その後、ボリュームが増えるにしたがって、自社のインフラストラクチャに置き換えてゆく計画です。

 さらにショッピファイは、マシン・ラーニング(機械学習)で需要を予想するなど、アマゾンのやっていることに匹敵するサービスを商店主に提供する考えです。

 ショッピファイは、すでに営業キャッシュフローで黒字化を達成していますが、今後、フルフィルメントに投資してゆくので、向こう5年間は営業キャッシュフローで収支トントンになるよう調整します。言い換えれば「成長のためにアグレッシブに投資する」ということです

【今週のまとめ】
安定と成長のバランスが取れたショッピファイの
今後の値動きに注目!

 ショッピファイは、スモールビジネスがネット通販を行うことを支援する企業です。商店主の商売が成功すればするほど、ショッピファイも儲かります。アマゾンと違いショッピファイは顧客である商店主と競争することはしません。

 ショッピファイのビジネスモデルは、将来の売上が読みやすいサブスクリプション売上高と商店主の稼ぎに連動するマーチャント・ソリューションズ売上高から成っており、安定と成長のバランスが取れています。

⇒ショッピファイ(SHOP)の最新株価はこちら!
ショッピファイ(SHOP)チャート/日足・6カ月ショッピファイ(SHOP)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
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