フィットネス事業を展開する「ペロトン・インタラクティブ」が
ナスダックにIPO(新規株式公開)!
2012年にニューヨークで創業され、フィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ(Peloton Interactive、ティッカーシンボル:PTON)が、近くナスダックに新規株式公開(IPO)します。今回の売出株数は4千万株、価格設定は26〜29ドル、ディール後の発行済み株式数は2.78億株、主幹事はゴールドマン・サックスとJPモルガンです。
「ペロトン・インタラクティブ」は、
いまアメリカでもっともイケてるブランド
ペロトン・インタラクティブは、自宅にいながら、あたかもクラブ系フィットネスジムにいるのと同じような高揚感、連帯感、モチベーションを得られる環境を演出することで、顧客を長期ユーザーにする手法を編み出しました。その結果、「ペトロン」はいまアメリカで最もイケてるブランドとして若者から支持されています。
ペロトン・インタラクティブは、自宅でフィットネス・トレーニングをする際の固定式エクササイズ・バイク「ペロトン・バイク」、ならびにトレッドミル(ランニング・マシン)「ペロトン・トレッド」を販売。全米79か所のショッピングモールなどにショールームを設け、商品のデモンストレーションを行っています。
高額なエクササイズ・バイクを割賦販売することで、
庶民でも手の届きやすい形に!
ペロトン・インタラクティブの販売する「ペロトン・バイク」は1台2245ドル(24.3万円)、「ペロトン・トレッド」は4295ドル(46.4万円)もします。
しかし、それらのエクササイズ器具を普通に売るだけなら、大半の庶民には高価で手が届きません。そこでペロトン・インタラクティブは、割賦販売を行うことで、それらを買いやすくしました。
「ペロトン・バイク」は、頭金なし、利子0%で毎月58ドル(6269円)、39カ月の分割払いで買うことができます。一方「ペロトン・トレッド」は、同じく頭金なし、利子0%で毎月179ドル(1万9347円)、24カ月の分割払いで購入可能です。
これらの製品の売上高は、ペロトン・インタラクティブの損益計算書では「コネクテッド・フィットネス・プロダクツ」売上高として分類されています。また、割賦販売の場合でも、商品が顧客に納品された時点で全額が売上高に計上されます。
動画配信やライブ・イベントなどを積極的に行い、
顧客のモチベーションを維持
ペロトン・インタラクティブのエクササイズ器具は、どこかのメーカーの製品を拝借したものではなく、イチから独自に開発したオリジナル商品です。徹底的な研究開発により、最も優れた製品を目指したわけです。
しかし、どんなに優れたエクササイズ・バイクを開発しても、自宅でのエクササイズは孤独ですぐに飽きてしまいます。そこで、デジタル技術を駆使し、ユーザーのパフォーマンスやエクササイズ量を計測、データ化する機能を搭載しました。これによりユーザーのモチベーションをアップするわけです。
さらに、ネットを通じてエクササイズの動画やライブ・イベントを体験しながら、グループ・エクササイズに参加できる環境を整えました。そこでは、著名アスリートをインストラクターとして起用して、オリジナルの動画コンテンツを作成したり、ライブ・イベントをストリーミングしたりしています。さらに、音楽も自前でプロデュースしています。
そうしたサービスを利用するための「コネクテッド・フィットネス・サブスクリプション」は、毎月39ドル(4215円)です。
コネクテッド・フィットネス顧客の離反率は、下のようにわずか1%以下で推移しています。
さらに、コネクテッド・フィットネス顧客のワークアウト回数は、漸増しています。
つまり、ペロトン・インタラクティブは、単なるスポーツ器具のメーカーにとどまらず、コンテンツやデータを提供するエンターティメントならびにソフトウェア企業であり、究極的にはユーザー・コミュニティーを提供しているわけです。この熱心なユーザー・コミュニティーが、離反率を低く抑えるカギを握っていると言えるでしょう。
そして将来のリピート売上高は、サブスクリプション(定額制料金)から上がってきます。ペロトン・インタラクティブでは、1顧客のライフタイム・バリューを約3100ドルと見積もっています。
なお、ペロトン・インタラクティブは、高価なエクササイズ・バイクを配達するにあたり、自社のチームが自社の配達トラックを使って顧客の自宅におもむき、組み立てと接続を行います。つまり、消費者が自分で組み立てられなくてイライラするようなトラブルを回避しているわけです。
「ペロトン・インタラクティブ」の
売上高、営業キャッシュフロー、利益は?
2019年6月末の時点でペロトン・インタラクティブの売上高(過去12カ月)は9.15億ドル、これまでに販売したフィットネス器具の累計は57.7万台でした。
ペロトン・インタラクティブの会計年度の〆は6月末です。過去3年間の1株当たり業績は下のようになっています。
「ペロトン・インタラクティブ」のネガティブ要因は、
売上の季節性や月賦販売による代金回収リスク
ペロトン・インタラクティブに投資する際の懸念点としては、まず季節性が高いことが指摘できます。11月から2月までに、1年の売上高の63%が計上されます。これは、クリスマス商戦に加え、新年の1月からエクササイズを始める人が多いことなどが影響しています。
次に、頭金なしの割賦販売で商品を売ることにより、将来の代金回収リスクが発生します。
また、いまはフィットネス・ブームなのでペロトン・インタラクティブの売上は好調ですが、ブームが去る可能性もあると思います。
【今週のまとめ】
消費者に熱烈に支持されている
「ペロトン・インタラクティブ」のIPOは要注目!
ペロトン・インタラクティブは、いまイケてるブランドとして消費者から熱烈に支持されています。エクササイズ器具を販売するだけでなく、ソフトウェアやコミュニティーも提供することでユーザーのモチベーションを維持しています。サブスクリプション売上高により、将来のリピート売上が期待できます。さらに、割賦販売により急速に成長しています。
そんなペロトン・インタラクティブだけに、そのIPOには注目が集まってます。
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