新年の米国株式市場は好調なスタート!
今年1年もプラスで終わる可能性は高い
米国株式市場が、新年から好調なスタートを切っています。先週の金曜日までのパフォーマンスで、S&P500指数は年初来+3.1%、ナスダック総合指数は+4.6%、ダウ工業株価平均指数(NYダウ)は+2.8%となっています。
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このまま1月はプラスで終わる可能性が濃厚となっています。また、今年1年を通じてもプラスで終わる可能性が高いことを過去のデータは示しています。 なぜなら、『ストック・トレーダーズ・アルマナック』(ジェフ・ハーシュ著)によると、1950年以降、今回のように1月の最初の5立会日が通算でプラスの場合、81.8%の確率で1年間を通して相場は高かったからです。
とりわけ大統領選挙の年は、1月の最初の5立会日が選挙戦を占う意味でも重要です。1944年以降、大統領選挙の年は19回ありましたが、「最初の5日間のプラス、ないしはマイナスが、通年のプラス、ないしはマイナスを決定する」という法則が14回当てはまりました。
また、過去19回の大統領選挙の年のうち、現職大統領の所属政党が勝利したのは10回で、そのシナリオでのS&P500の平均上昇率は10.2%でした。一方、敗北したケースは9回で、そのシナリオでの平均パフォーマンスは2.6%でした。特筆すべき点として、現職大統領が敗北したケースでは1・2月に相場が下がるケースが多かったことが挙げられます(2月末の時点で平均ー2.6%)。
現在の米国株式市場はPERが少し割高だが、
金利を考えると十分に許容範囲!
そこで現在の米国株式市場のバリュエーションを点検したいと思います。まず、下のグラフはS&P500の1株当たり利益(EPS)のコンセンサス予想です。
2020年は177.74ドルですから、現在のS&P500指数の3329.62をこの数字で割り算すると、株価収益率(PER)は18.7倍になります。過去5年間の平均PERは16.7倍なので、これは少し割高です。
しかし、株式のバリュエーションは市中金利にも大きく左右されます。ざっくり言って、金利が低いときほど株式は買われても良いと考えられています。
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上のチャートのように現在の10年債利回りは1.81%であり、これは低い位置にあると言えます。つまり、株式にとって支援的な水準だということです。
米中貿易交渉の第1ラウンド合意が成立したことで、
投資家はひと安心
2020年1月15日(水)、米中貿易協議の第1ラウンド合意が成立しました。第1ラウンド合意に達したこと自体はクリスマスの前に報道されていたので、今回の調印はすでに織り込み済みのニュースだと言えます。
しかし、これまで投資家は何度も肩すかしを受けて来たので、合意が成立したことは投資家を安堵させました。
今回の合意では、まずアメリカが2019年12月15日から予定していた、中国で作られた消費財がアメリカに輸入された際に課される関税の発動を止めになりました。それに加えて、2019年9月からすでに始まっていた、中国から来る中間財など1200億ドル相当の輸入品に対する15%の関税が、半分の7.5%に軽減されることが決まりました。
その代わり、向こう2年間に渡り、中国は合計で2000億ドル相当の米国製品の購入を約束しました。
ファーウェイ問題に端を発した米中テクノロジー摩擦も
やや沈静化した印象に
今回の合意書は90ページを超えるものですが、そのうち2ページはテクノロジーのノウハウの強制移転に関し割かれており、「双方とも技術移転を強要する、あるいはプレッシャーをかけることは出来ないことに合意する」という一文が挿入されました。
また、個別企業に対して免許を交付するための条件として、特定の技術を使用することを義務付けることを禁止しました。
これらの規定により、ファーウェイへの部品輸出の規制に端を発した米中テクノロジー摩擦は、やや沈静化した印象を受けます。
ただ中国としては、今回、アメリカにハイテク部品の供給に関して「はしごを外され」そうになったことは深く心に刻まれたことと思います。早く5Gに代表される先端技術に関して、完全に国産化することを考えていると思います。
その場合、いちばんボトルネックとなるのは、ファウンドリのような半導体の大量生産です。この部分が自給自足できなければ、中国の安全保障は万全ではありません。その意味で、中国は、米国からの半導体製造装置の買い付けを前倒しにして、どんどんそれを実現する準備を整えてゆくことが予想されます。
中国による半導体製造装置の買い付けにより、
売上増が期待できる「アプライド・マテリアルズ」とは?
中国による半導体製造装置の買い付けによって恩恵を被る銘柄は、半導体製造の、いわゆる前工程で幅広い製品ポートフォリオを持っているアプライド・マテリアルズ(ティッカーシンボル:AMAT)です。
アプライド・マテリアルズは、最近「アプライド・グローバル・サービス(AGS)」と呼ばれる顧客向けのサービス事業に力を入れています。AGSではサブスクリプション課金を行っており、年率+15%で成長しています。
また、アプライド・マテリアルズは、半導体製造装置を単体で売る商売に加えて、インテグレーテッド・マテリアルズ・ソリューションズ(IMS)という売り方を提唱しています。
半導体の線幅がどんどん微細化し、ムーアの法則が実現しにくくなっている今日、3D構造、新素材など、いままでとは違うことを試さなくてはいけなくなってきています。その際、従来の縦割りの専門性を打破し、新しい、総合的なツールの使い方をする必要があるのです。IMSではそういう手段を提案しています。
【※アプライド・マテリアルズについての詳細記事はこちら!】
⇒米国株で今狙い目な「半導体製造装置株」の最大手「アプライド・マテリアルズ」を解説! 半導体製造の国産化に力を入れる中国からの需要拡大にも期待!
【今週のまとめ】
米中貿易交渉の第1ラウンド合意により、
恩恵を被るアプライド・マテリアルズに注目!
年初から米国株式市場が好調で、目先は小休止が欲しいところです。バリュエーション的には、S&P500のPERが18.7倍と割高なのですが、現在の市中金利が低水準であることを勘案すればこの程度のPERは我慢すべきかもしれません。
1月15日には、米中貿易交渉第1ラウンド合意が成立し、ハイテクを巡る対立にも少し雪解けが感じられました。その恩恵を受けるのは、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズだと思います。
【※今週のピックアップ記事はこちら!】
⇒2020年にIPOが予想されるのは「スカイマーク」や「ハウステンボス」! 2020年のIPO市場の予測と、初値騰落率など「2019年IPOランキング」も発表!
⇒【証券会社おすすめ比較】外国株(米国株、中国株、ロシア株、韓国株など)の取扱銘柄数で選ぶ!おすすめ証券会社
【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
⇒米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!
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