IPO株の銘柄分析&予想

2021年3月の「IPO」13銘柄の中で株価上昇に期待の2銘柄! AI関連銘柄の「Appier GROUP(エイピアグループ)」とスキルマーケットの「ココナラ」に注目!

2021年4月25日公開(2022年9月20日更新)
ザイ・オンライン編集部
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2021年3月に新規上場した「IPO株」の中で、アナリストが「買い」「強気」と診断する「Appier Group(エイピアグループ・4180)」と「ココナラ(4176)」をチェック!

発売中のダイヤモンド・ザイ6月号は、連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」を掲載!「IPO」とは、企業が上場して、市場に株式を公開すること。IPO株は公開価格と比較して、初値が大幅に上昇する場合が多いほか、上場してからも値動きがダイナミックで、短期間のうちに急騰することも少なくない。ただし、上場直後に盛り上がった後、すぐさま失速してしまう銘柄もあるため、“玉石混交”な側面もある。

この連載では、直近で新規上場したIPO株にスポットを当て、IPO株の専門家であるフィスコの小林大純さんが、今後の投資判断を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価。今回は2021年3月に新規上場したIPO株の中から、今後さらなる成長の可能性を秘めた注目の2銘柄をピックアップして解説する。「成長株」投資に興味がある人は、ぜひ参考にしてほしい!
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2021年3月に新規上場したのは全部で13銘柄!
市場の軟調で過熱感がないIPO株が多く、狙いやすい銘柄も多数

 2021年3月に上場した13銘柄の初値は、すべて公開価格を上回った。半導体検査装置を展開するシキノハイテック(6614)が3.1倍になるなど、5銘柄が2倍以上になっている。
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 例年3月は上場企業数が多く、2020年3月は24社だったが、今年は13社と約半分に。今年上場件数が減ったのは「東証マザーズ市場への上場時に開示する『成長性に関する資料』の審査が、厳格になった影響です」と、フィスコの小林大純さんは指摘する。

 上場基準が厳しくなったことで新規上場企業数は減ったが、だからこそ上場を果たしたのは優良企業が多いと言えそうだ。実際、投資判断は13銘柄中9銘柄が「強気」以上になっている。ただし、これにはIPO株の株価に過熱感がないことも影響している。というのも、IPO株は3月中旬まで、有力スタートアップのココナラ(4176)を中心に初値の上昇率が高かった。しかし、株式相場が不安定な動きを見せたことで、IPO株の株価も軟調になったのだ。

 「上場前の期待ほどIPO株の初値が伸びなくなっています。公開価格割れスタートとなる銘柄などは出てきていませんが、初値が急騰する企業は減りました」(小林さん)

 このため、3月に上場した銘柄は株価指標が高くはない。今後の業績成長への期待度から判断すると、株価の上昇余地が大きい銘柄が多いと言えそうだ。

2021年3月の【IPO株】13銘柄の投資判断は?

上場日 公開価格 初値
(騰落率)
株価
(4/5)
予想PER
(PBR)
今後1年の
高値予想
(安値予想)
投資判断
16日  ヒューマンクリエイションホールディングス(7361・東M)
2120円 3505円
(+65.3%)
2442円 14.8倍
(6.48倍)
4500円
(2000円)
強気
【分析コメント】エンジニア派遣。業績は昨年6月を底に好調へ転じ、初値後の調整で株価の割高感も後退。コンサル機能強化で高成長継続へ。
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16日  ウイングアーク1st(4432・東1)
1590円 2000円
(+25.8%)
1925円 25.7倍
(2.42倍)
2400円
(1600円)
強気
【分析コメント】帳簿ソフトの先駆者で高シェア。2022年2月期は働き方改革やDXの進展で業績が上向き、株価指標面でも上値余地がある。 
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18日  i-plug(4177・東M)
2620円 6000円
(+129.0%)
4960円 98.4倍
(133.98倍)
9000円
(3500円)
強気
【分析コメント】「OfferBox」は企業からのオファーが届く「逆求人型」就活サイトとして学生から人気。オンライン対応でコロナ禍でも業績急伸中。
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19日  ココナラ(4176・東M)
1200円 2300円
(+91.7%)
2084円 1016.6倍
(189.63倍)
3000円
(1500円)
強気
【分析コメント】スキルシェアサービスの有力スタートアップ。多くの企業の参入を跳ね返し、高成長を維持。上場まで果たした実績を評価。
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19
 T.S.I(7362・東M)
2000円 4000円
(+100.0%)
2655円 32.7倍
(17.12倍)
3500円
(2000円)
中立
【分析コメント】高齢者向け住宅建築や、介護サービスを提供。新規開設により年20%の売上高成長を目指す。ただ、成長期待は株価に織り込み済み。
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24
 シキノハイテック(6614・東J)
390円 1221円
(+213.1%)
1705円 52.8倍
(9.40倍)
2200円
(1000円)
中立
【分析コメント】半導体関連の生産・販売。車載半導体の検査装置の需要増加に期待。半導体株人気に乗って初値好調も、株価にはやや過熱感あり。
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24
 Sharing Innovations(4178・東M)
2850円 4650円
(+63.2%)
3360円 59.1倍
(11.96倍)
6000円
(3000円)
強気
【分析コメント】通常のシステム開発にセールスフォース製品を組み合わせた柔軟な開発が強み。2020年12月期にクラウド案件の引き合いが急増。
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25日  ベビーカレンダー(7363・東M)
4200円 9400円
(+123.8%)
1万3050円 107.0倍
(31.32倍)
1万5000円
(7000円)
強気
【分析コメント】妊娠・出産・育児領域の専門サイトを運営。広告掲載案件が順調に増え、業績好調。もともと公開価格が割安で、株価に過熱感はない。
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25日  ジーネクスト(4179・東M)
1230円 2851円
(+131.8%)
2381円 54.0倍
(43.20倍)
3000円
(1800円)
強気
【分析コメント】顧客対応を効率化し、事業活動に反映させるソフトウェアを提供。足元ではクラウド事業が急拡大中。株価調整中の今が買い時。
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26日  ブロードマインド(7343・東M)
810円 1566円
(+129.0%)
1350円 25.1倍
(3.17倍)
2000円
(1000円)
強気
【分析コメント】保険を軸にさまざまな金融商品を提供。証券・不動産関連の相談も。マネー意識の高まりが追い風で、2020年3月期は見込み客が増加。
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26日  イー・ロジット(9327・東J)
1500円 1995円
(+33.0%)
1955円 50.4倍
(5.12倍)
1900円
(1300円)
中立
【分析コメント】ネット通販事業者向けに物流代行などを展開。EC市場拡大で物流センターの需要も増え、業績堅調。ただ、株価指標は同業より高い。
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30
 スパイダープラス(4192・東M)
1160円 1722円
(+48.5%)
1625円 ー倍
(126.76倍)
2000円
(1000円)
中立
【分析コメント】熱絶縁工事が祖業だが、建築図面や現場管理アプリが主力。建設業界の積極的なIT投資が追い風。株価は実力が反映された水準。
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30
 Appier Group(4180・東M)
1600円 2030円
(+26.9%)
2060円 ー倍
(26.83倍)
3500円
(1600円)
買い
【分析コメント】AIを活用して、マーケティングの効果を最大化するサービスなどを提供。今後の成長期待の高さから見ると、株価水準は割安。
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アナリストが推奨するのは、AI関連の「Appier Group」と、
有力スタートアップとして前評判も高かった「ココナラ」!

 ここからは、2021年3月に新規上場した13銘柄の中で、小林さんが特に注目している2銘柄を詳しく紹介していこう。

 まずは、もっとも高い「買い」評価がついたAppier Group(エイピアグループ・4180)だ。

 Appier Groupは、AIを活用したウェブ接客ツールなどを提供する、台湾発のグローバル企業。エンジニアの大半がAIやビッグデータ領域の専門家のため、最先端のAIを使ったデータ分析に定評がある。すでに800以上の企業がブランド強化を目的に、Appier Groupのサービスを導入。実際に、アウディやカルフール、ピザハットなどが、同社のツールの導入でオンラインでの収益率をアップさせている。また、ストック型サービスなので、安定収益が期待できるのも魅力だ。

 Appier Groupは売り出し規模が大きかったため、初値上昇率は27%と、今一つ伸びていない。また、上場直後に株価は大きく下落しているが、その後は初値を更新。グローバルで高い評価を受け、同様のサービスを提供している企業の株価指標を参考にすると、公開価格の2倍の3200円程度までの上昇は十分期待でき、現在の株価はまだまだ割安だ。

 続いて紹介するのは、投資判断が「強気」のココナラ(4176)だ。

 ココナラは、知識・スキルなどを出品・購入できる、日本最大級の「スキルマーケット」を展開。働き方改革の一環として副業解禁が広がっており、今後も市場の拡大は既定路線で、売上高は年率30%程度の伸びが期待できる。また、2021年8月期は黒字転換する見通しで、来期以降は利益が急拡大する可能性が高い。

 流通高(販売総額)と営業収益が前年比50%増以上の高成長IT関連株として前評判が高く、初値は公開価格の約2倍まで上昇。しかし、上場後は株価が下落している。PERは1000倍超と高いが、今後は利益の急成長が期待でき、株価の上値余地は大きいだろう。
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24社
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26社
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※1
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
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