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イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖が継続するなか、
トランプ大統領は日本を含む各国に「艦船の派遣」を期待
ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長引き、原油の供給不安が強い状況が続いています。殺害されたイラン最高指導者アリ・ハメネイ師の次男で、後継者に選ばれたモジタバ・ハメネイ師は3月12日、選出後初めて声明を出して「地域の米軍基地への攻撃を続ける」「(ホルムズ海峡についても)あらゆる手段で封鎖する」という意向を示しました。つまり、イランは徹底抗戦の構えを崩していません。
このような状況に対して、トランプ大統領は3月13日、イランのカーグ島に対して大規模な爆撃を行ったと発表しました。イランの原油輸出の約90%がこの島を経由し、タンカーでホルムズ海峡を通って輸送されています。今回の爆撃で、トランプ大統領は島の石油インフラを破壊しないことを選びました。しかしながら、イランがホルムズ海峡を通る船舶の安全な航行を妨害するようなことをすれば、この決定をただちに再検討すると警告を発しています。なお、カーグ島に対する大規模な爆撃後、イランは湾岸地域の港、空港にまで攻撃の範囲を拡大しています。
そんな激しい戦闘が続くなか、トランプ大統領は3月14日に「ホルムズ海峡封鎖の影響を受ける日本や中国、フランス、イギリス、韓国などがこの地域に艦船を派遣してくれることを期待している」と呼びかけています。3月19日に予定されている日米首脳会談でも、トランプ大統領は日本に対して自衛隊の派遣を要請してくると考えられ、高市首相の対応が注目されます。
原油高の家計への影響はある程度抑えられる見通しだが、
原油価格が下落しない限りは株式市場の不安は収まらない
ところで、国際エネルギー機関(IEA)の加盟32カ国は3月11日、過去最大となる計4億バレルの備蓄協調放出を全会一致で決めたことを発表しました。ですが、これは世界全体の3〜4日分の供給量に過ぎません。このため、発表後の原油価格は期待したほど下がってはいません。
原油(WTI原油先物)チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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日本でも、3月16日に石油備蓄の放出が始まりました。また、ガソリン価格が高騰していることを受け、政府は3月11日に補助金を再開することを発表。石油元売りへの補助を通じて、ガソリン価格を全国平均で170円程度に抑え込む方針です。
高市政権の迅速な行動もあり、原油高の家計部門への影響はある程度抑え込まれる見通しです。しかしながら、原油価格が急落しない限り、株式市場の不安は収まらないと見ています。つまり「原油価格上昇⇒株価下落」「原油価格下落⇒株価上昇」という現象が当分続く見通しです。
原油高は、燃料や物流コストを押し上げ、製造業・輸送業などの利益率を低下させることになります。よって、原油高は企業業績の悪化要因として、日本株全体の上値を圧迫することになります。
日経平均株価は「5万1407円〜25日移動平均線」が想定レンジだが、
レンジ下限を割り込んでくる可能性にも備えた資金管理が必要
実際、日経平均株価は2月26日に5万9332.43円の高値をつけましたが、その後、米国・イスラエルとイランの武力衝突が始まって原油価格が上昇してくると、日経平均株価は下落傾向が鮮明になり、3月9日には一時5万1407.66円まで売り込まれる場面もありました。その後、10日、11日と続伸してリバウンドを試したものの、12日から翌週17日までは4日続落しています。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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先週の値動きをチャートで見ると、100日移動平均線がサポート(下値支持線)として機能した一方で、25日移動平均線がレジスタンス(上値抵抗線)として意識されました。
なお、日経平均株価の当面の上値メドは25日移動平均線(3月17日時点で5万6164.87円)、下値メドは9日の安値5万1407.66円を想定しています。ただし、もし5万1407.66円を割り込むようだと「下値模索」の局面に入ると考えています。
「原油高」が解消されない限り、日本株への下落圧力が強い状態が続くと見られ、現時点で解消の見込みは立っていません。このため、万が一「下値模索局面」になっても、株式市場から退場しないで済むような資金管理を継続することをおすすめします。
逆に言えば、「原油高」が解消に向かう兆候が見え始めれば、それまでの流れの急激な反転が見込めます。ですから、体力を温存しつつ、その反転タイミングを虎視眈々と狙ってください。
イラン戦争自体が終わらなくても、ホルムズ海峡の安全航行が
担保されれば原油価格は下落し、日本株は上昇に転じる見通し
なお、戦争というものは政治判断で始まり、戦争の悪影響についても政治が適切に対応することが期待されます。例えば今回、イランへの攻撃で原油価格が急騰すると、トランプ政権は即座に「変動の激しい原油価格を抑えるには石油備蓄の放出が必要だ」と考え、大規模な石油備蓄の放出に向けて各国に強く働きかけました。この結果、IEAの加盟32カ国は、機関創設以来で最大となる緊急石油備蓄の放出に合意しました。
また、米国の財務省は3月12日、海上輸送中のロシア産原油や石油製品の購入を約1か月間、各国に認めると発表しました。これも原油高騰対策の一環です。なお、米国は政治判断として12日、ウクライナ侵略を理由としたロシアに課していた制裁の一部を緩和しました。
今後に関しては、原油高さえ解消すれば、日本株は上昇トレンドに回帰する可能性が極めて高いと考えています。そして、イラン戦争自体が終わらなくても、「ホルムズ海峡の安全航行が担保」されれば、「原油高」は解消する見通しです。
現在、生産した原油を輸出できない湾岸産油国は減産を強いられています。しかし、安全航行が担保されれば原油輸出ルートが回復するため、湾岸産油国は減産する必要がなくなり、市場の供給不安は一気に後退します。よって、当面は「ホルムズ海峡問題」の行方だけに注目して相場に臨んでください。
3月19日の日米首脳会談に合わせて公表が予想される
「ゴールデン・ドーム」や「対米投融資の第2弾」の関連銘柄に注目
最後に、個別銘柄戦略について述べておきます。
中東情勢が緊迫化するなか、今週は米国のFRB(連邦準備制度)が17日~18日にFOMC(連邦公開市場委員会)を開きます。また、日銀も18〜19日の日程で金融政策決定会合を開催します。
FRBも日銀も、政策金利を据え置く見通しです。それぞれの会合後に行われるパウエル議長と植田日銀総裁の会見では、原油高がインフレを押し上げる状況に対して、今後の金融政策をどのように考えているかが注目ポイントとなります。
ただし、今、市場の最大の関心事は「金融政策」ではなく「政治・外交」です。その意味では、3月19日に控える日米首脳会談が、東京株式市場にとっての最大の関心事となります。
日米首脳会談では、米国が進める次世代型ミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム」への参加を伝える方向で、日本政府は調整に入っているようです。また、南鳥島沖の海底で確認されたレアアースの共同開発を確認する調整に入ったとも伝わっています。
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さらに、日米首脳会談に合わせ、2025年7月の関税合意に基づく5500億ドルの対米投融資の第2弾案件を日米両政府が公表する見通しです。第2弾案件は、「原発事業」「ジャパンディスプレイ(6740)の米国での最先端ディスプレイ工場運営」「銅精錬」、そして「蓄電池事業」などが有力候補と伝わっています。
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よって、日米首脳会談前後まで「ゴールデン・ドーム」関連銘柄、「レアアース」関連銘柄、そして「対米投融資の第2弾案件」関連銘柄への資金流入が加速すると見られるので、チェックしておくといいでしょう。
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