株価の特徴的な値動きを利用して売買する「イベント投資」で数億円の資産を築いた個人投資家・羽根英樹さんの投資手法を解説!
発売中のダイヤモンド・ザイ7月号の大特集は「11人の億り人に学ぶ!【1億円】までの株入門」! この特集では、株の累積利益が46億円の個人投資家・テスタさんをはじめ、株で億単位の資産を築いた”億り人”11人のインタビューを掲載。彼らの投資スタイルや銘柄の選び方などを詳しく聞いているので、株式投資をしている人なら参考になるはずだ。
今回はこの特集から、“株価の特徴的な値動きのパターン”を狙って株を売買することで、資産数億円を築き上げた個人投資家・羽根英樹さんのインタビューを公開しよう!
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「株主優待の権利確定に向けた上昇」や「優良大型株の急落」、
「TOB価格への上昇」といった「イベント投資」を実践!
会社員で兼業投資家の羽根英樹さんは、投資歴30年以上。商品先物から始め、その数年後から株の売買をメインに、年2~3割のペースでコツコツ資産を増やしてきた。
羽根さんが得意とする手法は、”特徴的な値動きのパターン”を探して利益を狙う「イベント投資」だ。
株価の値動きのパターンで、一番わかりやすい例が「株主優待の権利確定に向けた上昇」だ。株主優待株は、人気があるものほど権利確定日に向けて買う人が増え、株価が上がる傾向がある。この法則を利用し、権利確定日の数カ月前の安値で買い、権利確定日前の高値で売るわけだ。
また、「相場全体の急落時に、一緒に下がった優良大型株の株価は、その後に反発する」というのも、よくある値動きのパターン。優良株であることが前提だが、短期の反発で利益を取ることができるのがメリットだ。
そして、最近増えている値動きのパターンが「TOB(株式公開買付け)価格への上昇」だ。ある会社の株を、他の会社が買うときには、買う側が「買付期間」「買付株数」「買付価格」を公開する。対象の会社の株を保有する株主に売却を促すため、たいてい現在値よりも高い株価で買付価格が設定されることもあり、TOBの報道が出ると思惑で上昇する傾向がある。
「最近は、親子上場の解消が増えているので、主力の手法の一つに。たとえば、昨年8月に『日立製作所(6501)が、上場子会社の日立金属(5486)をTOBにて売却する』との報道が出ただけで、日立金属の株価が上昇。報道を受けて上がった後も、TOBの相手(売却側)や価格が決まるまでの間は株価が動くので、下落したら買って、上がったら利益確定しました」(羽根さん)
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相場に張り付く必要はなく、月の売買は2~3回程度
それでも休日を株の研究に充て、勉強は欠かさない!
ここまでに挙げた3つのパターンのほか、羽根さんは「株主優待の新設発表での上昇を狙っての買い」や「株主優待の廃止の発表による下落での売り」「TOPIXや指数の組み入れ銘柄の先回り買い」といった手法を多用し、月2~3回程度売買しているという。
こうした「イベント投資」のメリットは、株価の動きのみに注目するので、買い時・売り時がわかりやすい点。思惑通りに動かないときには損切りする。
「この手法は、私のような会社員にとって、相場をずっと見ていなくてもいい点もメリット。相場全体が悪いときでも、株価のパターンは見つけることができるので、年2~3割ずつ資産を増やすことができました。年間の成績がマイナスになったことはありません。相場全体がいいときは、自分の成績が相場の上昇以下になることもありますが、これが自分に合ったやり方なので、ブレずにやり続けています」(羽根さん)
時に相場の主役ともなる成長株や割安株投資などには浮気せず、自分に合ったこのやり方を続けた結果が、億単位の資産につながっているわけだ。
ただし、これらの値動きのパターンはどの銘柄にも当てはまるわけではない。このため、羽根さんは、休日に必ず過去3~5年の株価の動きを分析し、検証を行う。そして、過度なリスクを負わないことも、羽根さんが心がけている大切なルールだ。
「1銘柄の売買に費やす投資額は、資産が少ない最初の頃こそ50%程度でしたが、資産が増えるにつれ、10~20%程度に抑えています。資産が増えたいまは、銘柄の分散と、手法の分散でリスクを抑えています」(羽根さん)
また、オフ会などにも積極的に参加。他の投資家との交流で知識を常に更新して、売買に活かしている。
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長期投資向きの高配当株や、”億り人”の成功の秘訣を紹介!
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