大型株(時価総額3000億円以上)の「配当利回りランキング」を上位15位まで公開! 配当利回りだけでなく、“買い”や“弱気”などアナリストの「投資判断」も一緒に紹介!
7月19日発売のダイヤモンド・ザイ9月号の大特集は「攻めと守りの【高配当株】」! この特集では、配当利回りが3.5%以上の高配当株や、長期にわたって連続増配を続ける株など、配当重視の投資家にぴったりな銘柄をピックアップ。多額の配当収入を得ている個人投資家のコメントや、米国株の高配当株も紹介しているので、これから高配当株に投資したい人なら参考になるはずだ。
今回はこの特集から「時価総額3000億円以上の大型株」を対象に集計した「配当利回りが高い銘柄ランキング」の上位15位までをドーンと大公開!
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高配当株を選ぶときは「利回り」だけでなく「業績」もチェック!
業績が低迷した末に配当利回りが高くなっている銘柄は要注意!
配当がたくさんほしい!――その思いが強すぎるあまり、配当利回りの高さだけを見て銘柄を選んでしまう人も多い。だが、ちょっと待った! まずは「配当利回りが高いとは、どういうことか」という点からおさらいしよう。
配当利回りが高い株は、以下のどれか一つ、もしくは複数項目に当てはまる。
①株主還元に積極的な企業の株
②成熟した産業や企業の株
③株価が下がって割安になっている株
まずは①について説明しよう。株主還元に積極的な企業の場合、稼いだ利益の何割かを配当に充てる。こうした企業は、減益や赤字になっても配当を維持する傾向が見られるので、長期で保有する投資家も多い。
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続いて②。若く伸び盛りの企業は、稼いだ利益を事業投資に回すことが多いため、配当を後回しにしがちだ。逆に、配当を多く出す企業は、すでに事業面で成熟していて、業績の伸びが緩やかなところが多い。こうした企業に投資すると、安定的に配当を受け取れるものの、株価の大きな上昇は見込みにくいことは知っておきたい。
少し厄介なのは③の「株価が下がって割安になっている株」だ。株価が下がると、配当利回りは高くなる。配当利回りは「1株あたりの年間配当金」を、そのときの株価で割って算出するため、株価が安いときには必然的に高くなるのだ。確かに、一時的な株価の下落なら“割安”と捉えることができ、買いの好機にもなる。しかし、業績悪化や不祥事などの理由で株価が低迷し、結果として配当利回りが高くなっていることもあるので、見極めが肝心だ。
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大型株の「配当利回りランキング」の第1位は「JT」!
アナリストが「買い」と高く評価した「関西電力」にも注目!
ひと口に高配当株といっても、業績が伸びている銘柄もあれば、落ち込んでいる銘柄もある。業績が伸びていれば、配当が減らされるリスクは低いが、低迷している銘柄だと減配、あるいは無配に転落する恐れも。そのうえ、株価の値下がりによって損失を被るリスクも高くなる。つまり、高配当株を狙うときには、利回りだけでなく業績などもチェックすることが重要なのだ。
そこで、ダイヤモンド・ザイでは「時価総額が3000億円以上の有名大型株で、2021年7月2日時点の配当利回りが3.5%以上の銘柄」を対象に、配当利回りランキングを作成。さらに、業績に難ありの銘柄を見極めるべく、アナリストの村瀬智一さんと若杉篤史さん(ともにRAKAN RICERCA)に「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で投資判断をしてもらっている。ここからは、ランキング上位の15銘柄を紹介しよう。
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■時価総額3000億円以上の「大型株」の「高配当株」TOP15を発表! |
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配当利回り | 最低単元で もらえる配当額 |
株価(7/2) | PER(PBR) | 権利確定月 | 投資判断 | |
1位 | JT(日本たばこ産業・東1・2914) | |||||
6.12% | 1万3000円 | 2125.5円 | 15.7倍(1.43倍) | 12月・6月 | 中立 | |
【コメント】国内たばこは数量減を値上げ効果で吸収しているが、需要の減少傾向に変化はない。海外に活路を求め、現在は好調。ただ、海外が失速した際の下値不安はつきまとう。株価急落の局面では買いも一考。 | ||||||
2位 | ソフトバンク(東1・9434) | |||||
5.93% | 8600円 | 1450.5円 | 13.6倍(4.50倍) | 9月・3月 | 強気 | |
【コメント】経産省と東証が「DX銘柄2021」に選定。28社中、情報・通信では唯一のもよう。政府による携帯料金引き下げ問題は株価に織り込まれ、下値不安は少ない。法人事業の成長や、PayPay連結子会社化も注目材料。2023年3月期まで減配なしと表明。 | ||||||
3位 | 日本郵政(東1・6178) | |||||
5.41% | 5000円 | 924.6円 | 10.2倍(0.25倍) | 3月 | 弱気 | |
【コメント】事業の成長ストーリーが見えにくい。豪・トール事業の譲渡など、現在、膿出しや構造改革を進めている最中で、今後の進捗を見極める必要がある。株価がさらに安くなれば、考えてもいいだろう。 | ||||||
4位 | 三井住友フィナンシャルグループ(東1・8316) | |||||
5.15% | 2万円 | 3885円 | 8.9倍(0.45倍) | 9月・3月 | 中立 | |
【コメント】米国のテーパリングで今後利上げという方向性を踏まえれば、買いもあり。だが、あくまでも長期目線の場合。1年程度の保有なら、成長事業が限られている銀行株は買い場を見極める必要がある。 | ||||||
5位 | SOMPOホールディングス(東1・8630) | |||||
4.91% | 2万1000円 | 4273円 | 12.1倍(0.75倍) | 9月・3月 | 強気 | |
【コメント】2022年3月期は減益計画だが、株価の動きが読みやすい。株価が下落しても、介護・ヘルスケア事業やM&Aなどで成長性に安心感。またデジタル領域で顧客向けコンテンツを強化、7月に子会社を設立する。2022年3月期の配当は40円増額へ。 | ||||||
6位 | 中国電力(東1・9504) | |||||
4.91% | 5000円 | 1018円 | 24.4倍(0.56倍) | 9月・3月 | 中立 | |
【コメント】業績はかなり厳しい。島根原発2号機が再稼働の準備中で、それ次第では経営が大きく上向く。ただ、再稼働に向けて地元の同意が取れるかなど見通せない点は多い。株価は割安だが、現状は様子見。 | ||||||
7位 | コニカミノルタ(東1・4902) | |||||
4.87% | 3000円 | 616円 | 16.0倍(0.56倍) | 9月・3月 | 中立 | |
【コメント】今期業績は想定線。収益力の回復が評価され、株価は堅調。一段の株価上昇につながるプレシジョンメディシン事業(遺伝子検査や創薬支援)の貢献はもう少し先。現状株価での買いはややリスク。 | ||||||
8位 | ふくおかフィナンシャルグループ(東1・8354) | |||||
4.87% | 9500円 | 1951円 | 7.4倍(0.39倍) | 9月・3月 | 強気 | |
【コメント】国内初のデジタルバンク「みんなの銀行」という、地銀に不足しがちな成長事業がある点は評価。グループ地銀の利用者なら、株主優待で若干ながら定期預金の金利上乗せも可能。株価も比較的安定。 | ||||||
9位 | りそなホールディングス(東1・8308) | |||||
4.85% | 2100円 | 433.1円 | 7.2倍(0.45倍) | 9月・3月 | 中立 | |
【コメント】経営のスリム化の余地は非常に大きく、目先、評価できるスピード感で取組んでいる。気候変動対応などは、他行と比較すると特筆すべき動きはない。現状では上値が限定的なため「中立」評価。 | ||||||
10位 | MS&ADインシュアランスグループホールディングス(東1・8725) | |||||
4.82% | 1万6000円 | 3320円 | 8.1倍(0.60倍) | 9月・3月 | 中立 | |
【コメント】2022年3月期の当期利益は59%増と大幅増益の見通し。小幅ながらも増配傾向が続いている。しかし、同業のSOMPOと比較すると株価の動きがやや荒く、投資初心者は手を出しづらい。 | ||||||
配当利回り | 最低単元で もらえる配当額 |
株価(7/2) | PER(PBR) | 権利確定月 | 投資判断 | |
11位 | 武田薬品工業(東1・4502) | |||||
4.80% | 1万8000円 | 3753円 | 23.5倍(1.14倍) | 9月・3月 | 強気 | |
【コメント】Novavax製のワクチンが米国のフェーズ3試験で主要評価項目を達成。変異株に対しても高い効果を示したことは好材料。同社が日本国内向けの製造・流通を担うため、業績の上ブレ要因に。 | ||||||
12位 | 関西電力(東1・9503) | |||||
4.71% | 5000円 | 1062.5円 | 13.6倍(0.56倍) | 9月・3月 | 買い | |
【コメント】美浜原発3号機が発電と送電を再開。高浜原発1・2号機も地元自治体が同意し、再稼働が現実的に。再稼働による業績への寄与はまだ先になると予想される。金品受領問題など一連の評価失墜に対する区切りとなりそう。下値不安の軽減を評価。 | ||||||
13位 | ENEOSホールディングス(東1・5020) | |||||
4.68% | 2200円 | 470.2円 | 10.8倍(0.65倍) | 9月・3月 | 強気 | |
【コメント】2022年3月期の会社計画は保守的。感染力の強いコロナ変異株の世界的な拡大はやや気掛かり。だが、業績上ブレに伴う追加の株主還元策が、株式市場で意識されている。そのため、株価は底堅い推移となりそう。押し目買いのスタンスで。 | ||||||
14位 | みずほフィナンシャルグループ(東1・8411) | |||||
4.68% | 7500円 | 1603.5円 | 8.0倍(0.44倍) | 9月・3月 | 中立 | |
【コメント】配当性向40%目安を示したが、株価も早々に増配を織込んでしまった。2022年3月期計画は評価されたが、その後の成長への市場評価は厳しい印象。短期目線では三菱銀、長期では三井住友銀に劣る。 | ||||||
15位 | 住友商事(東1・8053) | |||||
4.66% | 7000円 | 1502.5円 | 8.2倍(0.74倍) | 9月・3月 | 中立 | |
【コメント】今後3年間の新中期経営計画を発表。高い収益性と業績の下ブレ耐性が強い事業を育てる方針。ただし、株式市場は実績待ちの印象が強い。株主還元の余地は、他の大手商社と比べて乏しい。 | ||||||
※株価や配当利回りなどのデータは2021年7月2日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。 |
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