2021年6月に行われた東芝(6502)と、RIZAPグループ(2928)の株主総会の様子をリポート!
発売中のダイヤモンド・ザイ9月号は、特集「【株主総会】突撃39社」を掲載! 日本は3月に本決算を迎える企業が多く、3月決算企業の株主総会は、例年6月に集中する。2021年6月の株主総会は、昨年に引き続きコロナ禍の自粛ムードの中で開催されたが、ダイヤモンド・ザイは、今年も注目企業の株主総会を取材! 新型コロナ対応に苦慮する企業や、不祥事に揺れる企業など、全部で39社の株主総会リポートを取り上げている。
今回はこの特集から、株主への不当圧力が発覚した東芝(6502)と、コロナ禍への対応が注目されるRIZAPグループ(2928)の株主総会リポートを紹介!
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東芝の株主総会の様子をリポート!
永山議長の再任案が、異例の反対多数で否決に!
「株主総会」は社長のアツい事業説明を聞き、株主が経営陣に直接質問もできる年一回の貴重な機会だ。そこで今回は、注目企業の2021年6月に行われた株主総会の様子を紹介しよう。
まず取り上げるのは、2015年以降、不祥事などで迷走してきた東芝だ。2017年、債務超過による上場廃止を避けるため、複数のアクティビスト(モノ言う株主)に出資を引き受けてもらったことが尾を引き、経営再建に加えて「株主対策」という重荷を背負うことになった。
その株主対策として経済産業省に泣きつき、特定の株主に不当な圧力をかけたことが、総会前に発覚。総会では、こうした違法行為を見抜けなかった永山治取締役会議長の再任案が否決される、異例の展開を見せた。
なお、以下は株主と経営陣の質疑応答の一部だ。
【質問①】なぜ違法行為が絶えない。
【回答】コンプライアンス違反を犯してまで予算達成しなくていい、という風土に変えている。
【質問②】M&Aされる可能性は?
【回答】提案があれば真摯に検討する。ただし、今は提案はない。
株主総会の内容を踏まえて、経済ジャーナリストの和島英樹さんは次のように分析する。
「会社側提案の取締役人事の否決は、ガバナンスが効いた証拠。これで経営陣のご都合人事ができなくなり、経産省も口出しできなくなります。これらは、中長期では東芝にとってプラスでしょう」
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RIZAPグループの株主総会の様子をリポート!
コスト減で業績立て直しを図るも、アナリストは辛口評価
続いて取り上げるのは、RIZAPグループだ。かつて、業績不振の企業を買収して急拡大したRIZAPグループ。企業再生が間に合わず行き詰まったが、企業売却とコスト減で立て直しを図ってきた。その中で襲ったコロナ禍だが、コスト減やデジタル活用などで、前期は3期ぶりの黒字を達成。また、専用サイトにつながらず批判されていた株主優待も、ECクーポンを導入して改善する方針だ。
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なお、以下は株主と経営陣の質疑応答の一部だ。
【質問①】導入される無人店舗って?
【回答】遠隔地のトレーナーと結んで、大画面でレッスンを受けられる。1人で受けられて密も避けられる。
【質問②】富裕層向けの商品などは?
【回答】力を入れているメディカルやヘルスケア関連で、付加価値の高い商品を提供する。
【質問③】今期の営業利益の内訳は?
【回答】半分がスポーツジム、もう半分が子会社によるもの。
株主総会の内容を踏まえて、経済ジャーナリストの和島英樹さんは次のように分析する。
「業績不振の企業を買収して利益をかさ上げ(負ののれん)する経営をした時点で、投資対象として疑問。『継続企業の前提』の注記も残り、スポーツジムの株を買うなら別の銘柄を」
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