2021年に「株価が上がった株ベスト3」と、逆に「株価が下がった株ワースト3」を公開!
発売中のダイヤモンド・ザイ2022年2月号の巻頭特集は「プロ100人に全方位取材!【株】全予測」。この特集では、アナリストなどのプロ100人に聞いた日経平均株価の予測や新興市場の動向、2022年からの注目業種&テーマ、為替動向などを紹介している。今回は、この特集から「2021年に株価が上がった株と株価が下がった株」を分析した記事をピックアップ!
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2021年にもっとも値上がりした大型株は「日本郵船」!
コロナ禍で港湾作業が停滞した反動から、海運株が軒並み上昇へ
2021年に「株価が上がった大型株」と「株価が下がった大型株」はどんな銘柄なのか? 今回は、時価総額3000億円以上を「大型株」と定義して、2021年の上昇率・下落率ランキングを作成した(上昇率・下落率は2020年12月30日~2021年11月30日の株価で算出。投資判断は2022年1~3月の株価に対する判断で、アナリストなどから構成された「ダイヤモンド・ザイ人気500銘柄分析チーム」が担当)。
まずは「2021年に株価が上がった大型株」ランキングのベスト3を見ていこう。
■2021年に株価が上がった大型株ランキング・ベスト3を発表! | |||||
上昇率 | 最低投資額 (11/30) |
PER (PBR) |
投資判断 | 最新の株価 | |
1位 | ◆日本郵船(9101・東1) | ||||
214.3% | 76万円 | 1.8倍 (1.24倍) |
強気 | ||
【分析コメント】海運首位。第2四半期時点で3回目の上方修正。業績はピークアウトだが、年800円配当が株価を下支えする。 | |||||
2位 | ◆ベイカレント・コンサルティング(6532・東1) | ||||
172.0% | 492万円 | 66.5倍 (25.13倍) |
強気 | ||
【分析コメント】上期営業利益7割増も、通期計画据え置きで失望売り発生。 DX化推進の流れからニーズが高く、再評価の可能性も。 | |||||
3位 | ◆デサント(8114・東1) | ||||
149.9% | 45万円 | 55.2倍 (4.18倍) |
中立 | ||
【分析コメント】アドバイザリー契約を結ぶエンゼルスの大谷翔平選手の活躍に共鳴、株価も最高値。ただ、売りが巨大で需給は悪い。 |
大型株の上昇率トップは、1年で株価が3倍になった日本郵船(9101)。背景には、コロナ禍の影響で港湾作業が停滞し、海上輸送需給がひっ迫→船賃が急騰した特殊事情があり、日本郵船以外の海運株も上昇率は高かった。日本郵船の場合、急騰後もPERは1倍台と異常に割安なうえに、配当利回りも高いので、今後も注目を集め続けそうだ。
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⇒「配当利回りランキング」高配当ベスト50銘柄を公開!【2021年最新版】会社予想の配当利回りランキングと一緒に、株主優待の有無や連続増配期間もチェック!
続いて2位になったのは、大手コンサルティング会社のベイカレント・コンサルティング(6532)。デジタル活用戦略、DX支援に強みを持ち、時流に乗ったビジネスで業績を伸ばしている。投資判断は「強気」。
3位のデサント(8114)は、2021年に時の人となった、大谷翔平選手のスポンサー企業の一つ。その話題性に加え、今期は韓国市場の不振を中国の成長がカバーしたり、TOBで対立した伊藤忠との関係が落ち着いたりしたことで、業績が復調している。ただ、株価には割高感があり、投資判断は「中立」となった。
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もっとも株価が下がった大型株は「東邦ガス(9533)」!
「MSCI指数」から除外された2銘柄がワースト1&2位に
続いて「2021年に株価が下がった大型株」ランキングのワースト3を見てみよう。
■2021年に株価が下がった大型株ランキング・ワースト3を発表! | |||||
下落率 | 最低投資額 (11/30) |
PER (PBR) |
投資判断 | 最新の株価 | |
1位 | ◆東邦ガス(9533・東1) | ||||
-52.3% | 33万円 | 38.2倍 (0.93倍) |
中立 | ||
【分析コメント】LNGが高騰、調達コスト増で上期は大幅減益に。MSCI日本指数からの除外もダメ押し、悪材料出尽くしへ。 | |||||
2位 | ◆ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324・東J) | ||||
-50.1% | 46万円 | 80.6倍 (4.62倍) |
中立 | ||
【分析コメント】通期予想の下方修正、MSCI指数からの除外で安値へ。ただ、減速機の受注は旺盛で、自動車減産の影響も一巡。 | |||||
3位 | ◆日本ペイントホールディングス(4612・東1) | ||||
-47.6% | 12万円 | 46.9倍 (3.05倍) |
中立 | ||
【分析コメント】想定外の原材料高騰で、通期予想を減額。塗料事業は堅調で、海外買収効果も中長期では期待。株価も底固めへ。 |
株価が下がった大型株ランキングの1位は東邦ガス(9533)。エネルギー価格の高騰により、調達コストが増加したことが敗因となった。その東邦ガスと2位のハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)は、MSCI指数からの除外も下落要因に。ただ、2社ともすでに悪材料は出尽くしたと見られ、投資判断は「中立」。3位の日本ペイントホールディングス(4612)は、想定外の原材料価格の高騰に業績を圧迫され、株価の下落につながった。
さて、ここまで2021年に株価が上がった株と下がった株を見てきた。上がった株の筆頭である海運株は、コロナ禍の影響を受けたわけだが、コロナというとすぐに連想される医療株やIT株よりも、上昇率が高かったことは、教訓として覚えておきたい。2022年の投資戦略を考える際は、単純な連想にとどまらず、恩恵を受けそうな業種を幅広く探っていこう!
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