―どういう人ならシンガポール移住が合っていますか?
メリットの殆どが税金面に集約しているので、普通のサラリーマンが突然会社を辞めて就職に来るのは、給料も高くないのであまりメリットが無いと思います。日本で起業家としてある程度成功を収めてからの移住でないと意味が無いですね。
企業家が日本を離れる理由
移住の理由に、日本では事業を大きくする意欲を削がれてしまうというのもあります。日本ではお金を稼げば稼ぐほど、重たい税金がのしかかってきてモチベーションが下がりますよね。やっぱり、税金が20%も違うと大きいです(シンガポールの法人税は17%、対して日本は、約40%。個人の税率も最大30%ほどシンガポールは低い)。
可処分所得が増えるというのはモチベーションが全く違うので、起業家で高所得の人の方が合っているのではないでしょうか。
フェイスブックのCOOもIPO直前にアメリカ国籍を捨てて、シンガポールに移住してきました。ああいうサイト運営のビジネスモデルだと場所にとらわれることがあまりないのですよね。ほかにもグローバルカンパニーの経営陣なら、シンガポールが合っているんじゃないでしょうか。
シンガポールはお役所が効率的
シンガポールの良いところは、移住者が二重課税されないように政府が戦ってくれるところです。政府は外国人の居住をサービスとして提供しているので、ちゃんと担当を付けて各国の税務署と交渉をしてくれます。
日本の監査法人は的外れなアドバイスで就労ビザを取るのもすごく苦労しましたが、シンガポールの労働省はこちらの収入と資産を見てどうすればビザが取れるか丁寧に教えてくれました。最初からシンガポール政府に相談すれば良かったと後悔しました。
また、日本では「お役所仕事」というネガティブな言い方があるほど、窓口で待たされたり申請が滞ったりしますが、シンガポールでは、例えばビザを取る場合でも、事前に予約をしていけばほぼ待たされることなく対応してくれます。こっちに来てからは、行政サービスに不満を感じたことがないですね。
教育、医療面も満足度が高い!
―ご家族はシンガポール移住をどう受け止めていますか?
僕の家内は喜んでいますよ。フィリピン人の住み込みハウスキーパーを月3万2500円(1SGD=65円換算)で雇えますからね。日本ではハウスキーパーを雇うとなると金銭的な負担(時給1200円~2000円程度)はもちろんですが、周囲に主婦業をサボっていると思われそうでなかなか雇えなかったりしますよね。
でも、シンガポールは分業が進んでいるので、家事はハウスキーパーが行なうのが一般的ですし、コストも安いので、家内は何の臆面もなく家事をアウトソースできるようになって心から喜んでいます。
食事も、外食が安いですし、日本食のチェーンもかなり進出してきているので、主婦にとってはシンガポールにいる方が楽なんじゃないでしょうか。
それに、産婦人科もすごくいいんですよね。医療水準も極めて高くて、日本では行なわれていないダウン症の検査は35歳以上だと必ず受けなければいけません。
逆に言えば、医療費は高いのですが、それにあったサービスを受けられていると思います。特に、駐在者用の保険を使うと歯医者以外はお金がかからないので、企業の駐在員はだいたいその保険に入ってメリットを得られているんじゃないでしょうか。
仕事をしている女性も子供を産むことに意欲的で、病院の分娩室にWi-fi環境があるので、出産直前まで仕事ができる環境が整っています。
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