交渉の行方は?
世論は政府機関一部閉鎖の責任は共和党にあると考えています。オバマケア阻止をスローガンにしていた共和党が、第1ラウンドで敗北したとも言えるでしょう。この敗北を受けて共和党内部では足並みの乱れも目立ってきています。
しかしオバマケア阻止が頓挫した今、共和党は次の問題にフォーカスすることが出来ます。その問題とは10月17日前後に米国政府の手持ちのキャッシュが無くなってしまうという問題です。なぜ米国政府の手持ちのキャッシュが無くなってしまうかというと、現在の法律では連邦政府の債務上限は16.69兆ドルと決められており、その限界に既に達しているからです。
共和党は「連邦債務上限引き上げを認める代わりに、現在の膨張した政府予算を削減せよ」と主張するでしょう。大きな政府予算の維持は民主党のスローガンであり、今度は「失うもの」が大きいのは民主党の方になるわけです。つまり「第2ラウンド」では攻守逆転する可能性があるのです。
結局のところ共和党も民主党も米国がデフォルトするシナリオは望んでいません。従って水面下で合意が形成され、比較的迅速に危機回避が出来る可能性もまだ残っています。その場合、共和党は「政府支出の抑制という面で、我々は勝利した」と主張し、民主党は「オバマケアを守りきる事に、我々は成功した」と主張できるわけです。
決算発表シーズンのはじまり
さて、今週から決算発表シーズンが始まります。米国企業の利益成長率はこのところじりじり低下しています。
決算発表に際しては政府機関一部閉鎖問題が各企業の今後の業績見通し(=ガイダンス)にどのような影を落とすかが注目されます。
いつものようにトップバッターはアルコア(ティッカーシンボル:AA)で8日(火曜日)の引け後に決算が発表される予定です。コンセンサス予想はEPS6セントです。
その他、11日(金曜日)寄り付き前にはJPモルガン(ティッカーシンボル:JPM)とウエルズファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)が決算を発表する予定です。コンセンサス予想はJPモルガンがEPS$1.33、ウエルズファーゴが97セントとなっています。
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