10月5日に楽天証券のトレードツール「MARKETSPEED」がバージョンアップ(Version12)し、板発注機能「武蔵」が搭載された。板発注機能を使えば、注文が劇的に楽になる。そもそも「板発注」とは、どのような機能か? また「板発注機能」は「MARKETSPEED」だけでなく、多くのネット証券で利用が可能で、各社の「板」には、けっこう違いがあるのだ。
板発注なら注文が劇的にラクになる!
「板発注」なら1、2秒もあれば発注や価格訂正ができる。デイトレーダーならば使っている人は多いだろう。また、操作自体がシンプルで簡単なので、一般の投資家の方にもおすすめだ。
そもそも「板(気配板)」とは、指値の買い注文と売り注文の価格ごとの数量が表示された情報を言う。手っ取り早く板そのものを見てもらおう。【図表1】が楽天証券 MARKETSPEEDの板「武蔵」だ。この場合、209円に104株の買い指値注文があり、210円に1万784株の売り指値注文が出ている。
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多くのネット証券では、リアルタイムで自動更新される「板」が見られる。さらに、トレードツールでは、板上で注文の気配情報を見るだけでなく、マウスを使って注文まで可能だ。
一般的なパターンは注文数を設定しておき、板の該当する価格をマウスでダブルクリック、もしくはドラッグ&ドロップすれば発注される。成行の場合は、板の一番上にある「成行」行のダブルクリックなどで発注される。
さらに便利なのが、注文訂正も板上でできる点だ。画面上に表示された注文を別の価格にマウスでドラッグ&ドロップするだけでいい。もしも、注文訂正を普通の発注機能で行えば、注文一覧画面を表示し、現在の注文を取り消して、新たに株数、株価などを入力してから発注……といった風にかなり手間がかかる。
一般的な板発注では、暗証番号の入力や注文確認画面が設定により省略可能だ。マウスの1、2操作程度で注文や訂正ができる。ただし、注文が簡単になれば、注文ミスが出やすくなることも確か。利用する場合には誤発注だけは注意しよう。
楽天証券の「武蔵」を実際に使ってみた
早速、MARKETSPEEDの「武蔵」を実際に使ってみた。板発注機能は、ネット証券によって若干違いがあり、「武蔵」は現在、現物株と信用取引で利用できるが、先物取引には対応していない。
「武蔵」の場合、注文は板の左右に表示された注文数量を板上の価格にマウスでドラッグ&ドロップすることで発注できる。発注済みの株数は、板上に表示される。注文価格訂正も板上で可能だ。なお、注文時の暗証番号入力は設定で省略できるが、確認画面は省略できない。
次に逆指値注文など、特殊注文に関する板の対応状況をチェックした。なお、特殊注文の機能説明や使い方の例は、この記事の最後にまとめてある。まだ、使ったことがない人は、そちらを読んでほしい。
「武蔵」の場合、逆指値注文や逆指値付通常(OCO)注文は、板上からは発注できないが、板上で右クリックから注文画面が起動できる。注文状況は板上に表示される【図表1】。逆指値注文は板上で見られるが、価格訂正は板上からはできなかった。
板上で特殊注文が操作できるツールもある
板発注機能は、MARKETSPEEDに限らず多くのトレードツールで利用できる。さらに単純な指値や成行の板発注や価格訂正だけでなく、特殊注文が板上から操作できるツールもある。日本株向け各社トレードツールの対応状況を【図表2】にまとめた。
【図表2】ネット証券各社トレードツール最新版の板注文機能
レードツール名 | 板発注・板訂正 | 逆指値 | OCO (サービス名称) |
IFDONE (サービス名称) |
トレール | 証券会社詳細 |
◆SBI証券 | ||||||
HYPER SBI | ○ | △ | - | - | - | |
◆岡三オンライン証券 | ||||||
岡三ネット トレーダーライト |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ (トリガートレール) |
|
◆カブドットコム証券 | ||||||
kabu STATION | ○ | ○ | ○ (W指値) |
△ (Uターン) |
△ (トレーリングストップ) |
|
◆GMOクリック証券 | ||||||
スーパーはっちゅう君 | ○ | ○ | - | - | - | |
◆松井証券 | ||||||
ネットストック・ ハイスピード |
○ | ○ | △ (追跡指値) |
△ (返済予約) |
- | |
◆マネックス証券 | ||||||
マネックストレーダー マネックス・マーケットステーション |
○ | △ | △ (ツイン指値) |
△ (リバース) |
- | |
◆ライブスター証券 | ||||||
livestar R | ○ | ○ | △ | △ | - | |
◆楽天証券 | ||||||
MARKETSPEED | ○ | △ | △ (逆指値付通常注文) |
- | - |
○:板上で操作可能 △:発注機能はあるが板上、もしくはトレードツールでは操作不可 ※ 岡三オンライン証券のOCO注文は現物売り、信用返済注文時のみ利用可
たとえば、逆指値が利用できる証券会社でも、トレードツールの板上では操作できない場合もある。その点、特殊注文が板上から操作できるのが、岡三オンライン証券の「岡三ネットトレーダーライト」(無料)や、カブドットコム証券の「kabu STATION」(945円/月。前月約定1回などで無料)などだ。
「岡三ネットトレーダーライト」で、実際に特殊注文を出してみた【図表3】。価格訂正をする場合も、板上でドラッグ&ドロップするだけでいい。
特殊注文の基礎知識を知り便利に使おう!
特殊注文の例をまとめた。逆指値などの基本的な機能、どんなシーンで使うべきかわからない方は、以下の説明を参考にしてほしい。
・逆指値注文
指定価格まで上昇したら買い、指定価格以下になったら売る注文。たとえば、自動損切りに利用できる。指定した損切り価格まで下がらなければ注文は出ず、そのまま株を保有。万が一、大きな下落で自動損切りとなっても予想以上の大損は防げる。
・OCO注文(おーしーおーちゅうもん)
指値と逆指値の同時発注。たとえば、株の売却時に、利食いと損切り注文を同時に出すことができる。上昇して利益が確定できたらラッキー。下落して損切りになった場合でも、予想外の大損は防げる。
・IFDONE注文(いふだんちゅうもん)
買い注文が約定したら、直後に売り(または信用返済)注文を自動発注。買いから売り(返済)までの一連の注文をあらかじめ設定できる。
・トレール注文
株価の変動に合わせて逆指値の価格が指定した値幅で自動的に変更される注文。たとえば、注文後の高値などを目安に逆指値価格が自動的に上がる。上昇トレンドで高値更新が継続している場合、株を早売りせずに利益を伸ばせる。そして、株価が下がってきたところで利益確定(または、損切り)となる。
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※この表は、2024年11月1日時点の情報に自動更新されているため、記事執筆時の情報とは異なっている場合があります。 |
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【SBI証券の関連記事】 ◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた! 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」! |
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0円/日 | 1885本 | ○ 米国 |
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【松井証券のおすすめポイント】 1日定額制プランしかないものの1日の約定金額の合計が50万円以下であれば売買手数料が無料という手数料体系は非常に魅力的。また、25歳以下なら現物・信用ともに国内株の売買手数料が完全無料! 資金が少なく、複数の銘柄に分散投資する初心者の個人投資家にはおすすめだ。その使い勝手は、チャート形状で銘柄を検索できる「チャートフォリオ」を愛用している株主優待名人・桐谷さんも「初心者に特におすすめ」と太鼓判を押す。また、デイトレード限定で手数料が無料、金利・貸株料が0%になる「一日信用取引」や手数料が激安になる「一日先物取引」など、専業デイトレーダーにとって利便性の高いサービスも充実している。「J.D.パワー2024年カスタマーセンターサポート満足度調査<金融業界編>」では、ネット証券部門で1位を受賞した。 ※ 株式売買手数料に1約定ごとのプランがないので、1日定額制プランを掲載。 |
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【関連記事】 ◆【松井証券のおすすめポイントは?】1日50万円以下の株取引は手数料0円(無料)! その他の無料サービスと個性派投資情報も紹介 ◆「株初心者」におすすめの証券会社を株主優待名人・桐谷広人さんに聞いてみた! 桐谷さんがおすすめする証券会社は「松井証券」と「SBI証券」! |
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1約定ごと(税込) | 1日定額(税込) | 投資信託 ※1 |
外国株 | |||
10万円 | 20万円 | 50万円 | 50万円 | |||
◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ | ||||||
99円 | 115円 | 275円 | 550円/日 | 1764本 | ○ 米国、中国 |
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【マネックス証券のおすすめポイント】 日本株の取引や銘柄分析に役立つツールが揃っているのがメリット。中でも、多彩な注文方法や板発注が可能な「マネックストレーダー」や、重要な業績を過去10期以上に渡ってグラフ表示できる「マネックス銘柄スカウター」はぜひ利用したい。「ワン株」という株を1株から売買できるサービスもあるので、株初心者はそこから始めてみるのもいいだろう。また、外国株の銘柄数の多さも魅力で、4850銘柄以上の米国株や約2650銘柄の中国株を売買できる。「dカード」や「マネックスカード」で投資信託を積み立てると最大1.1%のポイント還元。さらに、投資信託の保有金額に対し、最大0.26%分(年率)のマネックスポイントが付与されるのもお得だ。なお、2023年10月にNTTドコモと業務提携を発表しており、2024年7月からは「dカード」による投資信託のクレカ積立などのサービスが始まった。 |
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【人気の「米国株」の銘柄数がトップクラス!】 | ||||||
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