実質2000円負担で豪華な特産品を受け取ることができるということで、大きな広がりを見せつつあるふるさと納税だが、ここにきて少し潮目が変わりつつある。ふるさと納税の仕組みについては、ご存知の方も増えているので他のコラム等をご参照いただくとして、夏ごろはテレビをはじめとする各種メディアにおいて、お得な特産品、ユニークな特産品が紹介されていた。それが最近は、「そうは言ってもいいことづくめではないでしょ?」「課題もあるでしょ?」というトーンで報道するメディアが増えつつある。
2000円で750万円の土地をゲット?!
きっかけの一つは、京都府宮津市が行おうとした1000万円をふるさと納税してくれた人に対して、同市の750万円相当の土地を提供するというものだった。これに対して、総務省から、特別の利益の供与の可能性があるため税控除が受けられないかもしれないという指摘があり、実質的に待ったがかかったわけだ。

ふるさと納税は、寄付金の税控除が受けられることが大きなメリットの一つである。それは、寄付金のうち2000円を超える部分は確定申告をすれば実質的にキャッシュバックされるため(住民税の1割程度を上限とするが)、実質負担額は2000円で済む。
この土地の場合は、納税者がどうせ払わないといけない税金の納税先を自分の居住地から宮津市に変えただけで、2000円を負担すれば750万円相当の土地が手に入ることになる。もし、これを転売すれば、2000円で750万円の現金が手に入ることになる。これが特別の利益の供与に当たりうる、ということだ。この指摘を受けて、宮津市は同プランを一旦取りやめた。
土地提供は定住者人口の増加には効く
宮津市にしてみると、1000万円の寄付に対して750万円の土地を提供するわけであり、単純化すれば250万円残ることになる。また、土地がたとえその後転売されたとしても、誰かが住んでくれれば固定資産税は見込めるし、定住者が増えるわけだ。地方にとって人口減少問題は深刻であり、その打開策になりうる。
つまり、納税者にとっても宮津市にとってもwin-winである。では、このスキームにおいて、誰が損をするかと言うと、その納税者の居住地の自治体ということになる。ふるさと納税の半分程度は首都圏の一都三県の在住者によるものであるため、東京近辺の自治体ということになる。
ただし、東京都は多額の税収があり、このふるさと納税は首都圏に偏りがちな税収を全国に薄く広く分配するという再配分機能を有することになる。したがって、首都圏の自治体が困ったと声を上げたところで、全国の地方自治体からのふるさと納税賛成論にかき消されてしまうであろう。
もっとも、税金は納税者と受益者が同じであることが一つの前提となるため、ふるさと納税のように納税者と受益者が異なるということ自体に対しての異論もあろう。しかし、そういう理論的な話をわきに置いておけば、ふるさと納税は、今のところほぼすべての利害関係者がハッピーになれるスキームということになる。
特産品の高級化は不健全なのか
自治体にしてみると、多くの資金をふるさと納税で集めたいので、お礼として提供する特産品をより魅力的にしようとする、これは自然な流れであろう。しかし、一部のブランド肉やブランド米を除けば、首都圏の消費者にしてみると野菜は野菜であり、肉は肉である。差別化は非常に難しい。
そうするとお得度合いで競争をするしかなくなってくる。ある自治体が1万円のふるさと納税に対して5000円相当のものを提供すれば、他の自治体は5500円相当を提供するというようなレースである。還元率の高さを競うようになる。
次のページ>> しばらく還元率競争は続く
※クレジットカードの専門家2人が選んだ、2023年の最強カードは?
⇒【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】
「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!
全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!
▼節約の第一歩はATM&振込手数料が無料のネット銀行選びから!▼ | |
---|---|
![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() |
【2023年3月15日時点】 ■編集部おすすめのネット銀行はこちら! |
|||
普通預金金利 (年率、税引前) |
定期預金金利(年率、税引前) | ||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 5年 | |
◆イオン銀行(イオンカードセレクト保有者) ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.05% (「イオン銀行Myステージ」の 「ゴールドステージ」の場合) |
0.01% | 0.01% | 0.01% |
【イオン銀行おすすめポイント】 2018年4月に始まった「イオン銀行Myステージ」で「ゴールドステージ」になれば、普通預金金利が0.05%に!「ゴールドステージ」になるには、イオン銀行スコアが100点必要なので、「イオンカードセレクト」の保有(+10点)、インターネットバンキングの登録(+30点)、最低1000円からの投信自動積立の口座振替(+30点)、最低500円からの外貨普通預金積立の口座振替(+30点)といった条件をクリアするのがおすすめ。さらに、「ゴールドステージ」になれば、イオン銀行ATMの手数料は24時間いつでも何回でも無料なのはもちろん、他行ATMの入出金手数料と他行あて振込手数料がそれぞれ月3回まで無料になる! |
|||
【関連記事】 ■【イオン銀行の金利・手数料・メリットは?】イオン銀行利用者は「イオンカードセレクト」が必須!簡単に普通預金が定期預金並みの金利0.05%にアップ! ■「イオン銀行Myステージ」で簡単にステージを上げる攻略法を伝授! 普通預金金利が0.10%になり、各種手数料もお得な「プラチナステージ」になる方法は? ■定期預金金利に匹敵する普通預金があった! 普通預金の金利がメガバンクの100倍以上で各種手数料もお得な「イオン銀行」を使え! |
|||
◆SBI新生銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.001% (※1) |
0.30% (※2) |
0.15% | 0.25% |
【SBI新生銀行のおすすめポイント】 新規に口座開設した人限定の「スタートアップ円定期預金」なら、3カ月もの定期預金の金利が1.00%、1年もの定期預金の金利が0.30%に大幅アップ! 短期間で利息がつく「2週間満期預金」で、すぐに使う予定のない普通預金のお金をかしこく運用。「ステップアッププログラム」で「シルバー」以上になれば、提携コンビニATMの出金手数料が、24時間365日いつでも何回でも無料! さらに、2023年2月6日~2024年3月31日の期間は「スタンダード」でも出金手数料が無料になるキャンペーンが実施中!(※3) ※1「ステップアッププログラム」でプラチナまたはダイヤモンドの場合は金利0.002%。※2 新規に口座開設した人限定の「スタートアップ円定期預金」適用時の金利。※3「ステップアッププログラム」でスタンダードの場合は、2023年2月6日~2024年3月31日の期間は月何回でも手数料無料、2024年4月1日以降は月5回まで無料。 |
|||
【関連記事】 ■【SBI新生銀行の金利・手数料・メリットは?】振込入金などでTポイントやdポイントが貯まる!新生シルバー以上は出金手数料や振込手数料がお得に ■SBI新生銀行「ポイントプログラム」は、nanacoポイントやdポイント、Tポイントをお得に獲得できる!エントリー方法も簡単になり、利便性も大幅アップ! |
|||
|
|||
◆東京スター銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.10% (※1) |
0.002% | 0.002% | 0.002% |
【東京スター銀行のおすすめポイント】 コンビニATMの出金手数料は、月8回までなら24時間365日いつでも無料なので使いやすい。さらに、給与振込や年金受取の口座に指定すると、普通預金金利が「0.001%⇒0.10%」に大幅アップするのもメリット。また、通常の定期預金のほか、年利0.05%の「スターワン1週間円預金」や「スターワン円定期預金+」など、お得な金融商品を数多くラインナップ。 ※1 東京スター銀行を給与振込口座に指定した場合。※2「スターワン円定期預金+」(インターネット限定、50万円以上)の場合。 |
|||
【関連記事】 ■【東京スター銀行の金利・手数料・メリットは?】「ATM手数料」や「振込手数料」がお得なネット銀行。さらに、給与振込で普通預金金利が100倍にアップ! |
|||
普通預金金利 (年率、税引前) |
定期預金金利(年率、税引前) | ||
1年 | 3年 | 5年 | |
◆楽天銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.10% (※1) |
0.02% | 0.02% | 0.02% |
【楽天銀行のおすすめポイント】 「楽天証券」との口座連動サービス「マネーブリッジ」を利用すれば、普通預金金利がメガバンクの100倍の0.10%に大幅アップ! しかも、楽天証券の申し込みページから「楽天証券の口座+楽天銀行の口座」を同時に開設できるので、普通預金金利が高金利な「マネーブリッジ」の利用も簡単! また、「マネーブリッジ」を利用しても特に投資をする必要はないので、とりあえず楽天証券の口座も開設して、楽天銀行の普通預金だけ利用してもOK! ※1「楽天証券」保有者の「マネーブリッジ」適用時。300万円を超えた分の普通預金は金利0.04%の適用。 |
|||
【関連記事】 ■【楽天銀行の金利・手数料・メリットは?】楽天証券との口座連動により普通預金金利が5倍に!振込や口座振替などで「楽天ポイント」も貯まる! ■「楽天銀行」と「楽天証券」はセットで使うのが得!預金金利が5倍、配当金受取で現金プレゼントなど、証券と銀行の連携でさらに得するサービスが充実! |
|||
|
|||
◆ソニー銀行 ⇒詳細ページはこちら! | |||
0.001% | 0.02% | 0.05% | 0.15% |
【ソニー銀行おすすめポイント】 外貨に強いネット銀行。Visaデビット付きキャッシュカードの「Sony Bank WALLET」なら海外事務手数料が0円なので、海外での買い物がクレジットカードよりお得! 優遇プログラム「Club S」のステージなどにより、ATM出金手数料は月4回~無制限で無料、他行あて振込手数料は最大月11回まで無料! 毎月無料で決まった金額を、他行から手数料無料で入金できる「おまかせ入金サービス」も便利。 |
|||
【関連記事】 ■【ソニー銀行の金利、手数料、メリットは?】外貨に強いネット銀行。Visaデビット搭載のSony Bank WALLETならクレジットカードよりお得に海外ショッピングが可能 ■「ソニー銀行」の顧客満足度調査の評価はなぜ高い? 手数料や金利で突出したメリットが見当たらなくてもなぜかユーザーから支持されている理由はどこだ!? |
|||
※ 100万円を預けた場合の2023年3月15日時点の金利(年率、税引前)。金利は税引き前の年利率であり、利息には20.315%(国税15.315%〈復興特別所得税含む〉+地方税5%)の税金がかかります。また、最新の金利は各銀行の公式サイトをご確認ください。 |