ターゲット
ターゲット(ティッカーシンボル:TGT)はカラフルでファッショナブルな店舗展開で人気のあるディスカウント・ストアです。
同社は去年のクリスマス商戦期間中に顧客のクレジットカード情報が漏えいするという大失態を演じてしまいました。
その関係で、セキュリティを強化し、アグレッシブな値引きをすることで顧客の信頼を取り戻すことに専念してきました。
先週発表された同社の第3四半期(10月期)決算では、ようやくその努力が実を結び、調子を取り戻したことを物語る内容でした。EPSは予想47¢に対して54¢、売上高は予想175.6億ドルに対し177.3億ドル、既存店売上比較は予想+0.5%に対し+1.2%でした。
上のグラフからもターゲットが最悪期を脱しつつあることが読み取れます。
メイシーズ
メイシーズ(ティッカーシンボル:M)は「Macy’s」ならびに「Bloomingdale’s」という、我々日本人もよく知っている有名百貨店を展開しています。
なかでもマンハッタンの34丁目にある旗艦店は売り場面積217万平方フィートを誇り、世界中から来店客を集めています。同店だけで年間2,000万人の来店客があり、10億ドルを売り上げていると言われています。
同店は2年前から総工費4億ドルをかけた野心的な改装工事で若返りを図っている最中で、これは来年完了する予定です。いわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる14~34歳の消費者を取り込むのが改装の目的です。このリニューアルは既に消費者に好意的に受け入れられています。
同社の売上の内訳は下のグラフのようになっています。
ノードストローム
ノードストローム(ティッカーシンボル:JWN)はシアトルで1901年に靴屋として開業され、その後、百貨店になりました。現在、全米に117店舗を展開しており、全国展開している百貨店としては最高級の部類に入ります。
同社は、これとは別に140店舗の「ラック」と呼ばれるオフプライス・ストアを展開しています。
売上構成は下のグラフのようになっています。
同社の売り子は歩合制を採用しており、ひとりひとりの店員が、まるで自営業のように自分の営業成績に強い関心を持っています。このためクリスマスカードを常連客に送るなど、パーソナルなタッチのサービスを行っています。
同社のこのようにユニークなカルチャーは、ノードストロームがもともと靴屋、ならびに靴の修理屋からスタートしたことと無縁ではありません。靴のサイズは、それを穿く人の足にピッタリと合う必要があるので、いろいろなサイズの在庫を取り揃える必要があります。さらに靴選びに際しては、サイズやスタイルに関する、売り子とのやりとりが不可欠になります。
そのような事情から、ノードストロームは常に大きな在庫を抱え、品揃えを万全にするとともに、顧客との対話を重視してきました。
商品に不満がある場合は、着た後の服でも快く返品に応じます。そのような姿勢が裕福層の間で支持され、カルト的なフォロワーが形成されています。
Lブランズ
Lブランズ(ティッカーシンボル:LB)は「ビクトリアズ・シークレット」というセクシー・ランジェリーを展開する専門店です。
先週発表された第3四半期決算ではEPSが予想40¢に対し44¢、売上高が予想23.1億ドルに対し23.2億ドル、既存店売上比較は+5%でした。
同社は11月6日に「今度の決算は良くなる」と既に発表していた関係で、アナリストのコンセンサス予想は吊り上っていました。今回はその高い期待をさらに上回る素晴らしい内容だったわけです。
Lブランズが絶好調である理由は、マーチャンダイジング(商品戦略)の素晴らしさにあります。商品の取り揃えがフレッシュで、ストアにはエキサイティングなオーラが溢れており、来店客の反応は上々です。
このため他の専門店のように値引き合戦に加担する必要は一切なく、在庫はサクサク捌けています。
ティファニー
ティファニー(ティッカーシンボル:TIF)はチーフ・デザイナーが交代し、「T」と名付けられた新しいコレクションが発表されたばかりです。「T」はかつての「オープンハート」を彷彿とさせる、熱烈な支持を受けています。「T」は流行り廃りに関係ない、タイムレスで気品のあるデザインとなっており、その関係で、今年のクリスマス商戦だけではなく、向こう何年にもわたって売れるロングセラーになると考える業界関係者が多いです。
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