12月の月間IPO件数は28件と、2006年12月(30件)以来の高水準だ。そこで、IPO企業のブックビルディング(公開前に株を入手するための抽選などの申込み)を取り扱うネット証券をまとめた。また、IPO各社への投資ポイント、IPOに参加しない投資家に影響する情報もお伝えする。
11月13日にマザーズに上場したSHIFT(3697)は、公開価格1300円に対し、初値は4.6倍の6000円をつけ、その3営業日後に1万400円まで上りつめて話題になった。12月のIPO案件も人気が高まりそうだ。ただし、現在のSHIFTは、7000円を割り込むまで急落しており、上場後の値動きの激しさには注意が必要だ。
多くの証券会社に口座開設し、申し込めば当たる可能性アップ
12月新規上場株式のブックビルディングに参加できる主なネット証券をまとめた【表1】。
IPO株を上場前に入手するには、各証券会社に口座を開設し、ブックビルディングに参加する必要がある。たいていの場合は抽選になるが、その場合、多くの証券会社に口座を持っていた方が有利だろう。なお、12月上旬のブックビルディングはすでに期間が終了している企業もある。申込み期間は各証券会社で確認していただきたい。
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株式売買手数料(指値) | 口座開設 | ||
10万円 | 30万円 | 50万円 | |
180円 | 270円 | 540円 | |
【カブドットコム証券のメリット】 毎日更新される「kabu.com投資情報室」などの投資情報が充実。逆指値からトレーリングストップまで多彩な特殊注文で自動売買が可能な高機能トレードツール「kabuステーション4」も用意されている。投資信託は500円から積立が可能となっている。 |
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株式売買手数料(指値) | 口座開設 | ||
10万円 | 30万円 | 50万円 | |
100円 | 250円 | 450円 | |
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【関連記事】【マネックス証券おすすめのポイントはココだ!】日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手 | |||
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■「IPO株が当たらない!」という人は、まずこちらの記事へ!
⇒IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2021 | 2020 | 2019 | ||
28社 64社 |
22社 41社 |
17社 35社 |
10%以上:1人1票の平等抽選 | 536万 ※ |
【ポイント】 取り扱い数はSMBC日興証券やSBI証券より少ないものの、主幹事数はトップクラスで毎年1〜2位を争っている。国内最大手の証券会社だけあって、日本郵政グループ3社」「JR九州」「ソフトバンク」のような、大規模IPO案件で主幹事を務めることも多い。毎回、引受株数の10%以上が完全抽選制のオンライン口座に配分される。また、購入資金は当選後の購入申し込みまでに入金すればOKなので、口座の資金を気にせず気軽に申し込めるのは、限られた資金で運用する個人投資家にとって大きなメリット。本気でIPO投資を考えるなら口座を開いておきたい証券会社だ。 ※残あり口座数 |
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2021 | 2020 | 2019 | ||
26社 80社 |
16社 52社 |
20社 61社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
320万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、2021年は主幹事数、取扱銘柄数ともに全証券会社中で第3位! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2021 | 2020 | 2019 | ||
21社 122社 |
15社 85社 |
7社 82社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
802万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2021年は全125社中122社と約98%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオモバイル証券、SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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◆大和証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2021 | 2020 | 2019 | ||
16社 49社 |
15社 43社 |
22社 43社 |
10%:1人1票の平等抽選 | 302万 ※ |
【ポイント】 国内五大証券の一角を占める大手証券で、毎年、安定して数多くのIPOで主幹事を務めており、取扱銘柄数も毎年トップクラスなので、本気でIPO投資に力を入れる個人投資家には必須の証券会社と言えるだろう。申し込みは1銘柄につき1単元のみなので、当選確率が資金量に左右されないのも資金に限りのある個人投資家にとってはメリット。 ※ 残あり口座数 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2021年12月末時点。 |