日経平均株価は3月23日の1万9778.60円でピークアウトして、4月1日の1万8927.95円でボトムアウトして、調整を続けています。6日終値は1万9397.98円で、25日移動平均線(6日現在1万9228.01円)と3月のSQ値1万9225.43円を上回っています。基本的に、この25日移動平均線と3月のSQ値を上回っている限り、相場の下振れを過度に警戒する必要はないでしょう。
ですが、割れたからといって、多くの買い方がビビるような急落はどうでしょうかね? 私は、起こる可能性は低いとみています。なぜなら、今の日本株は、買い方と売り方がフェアに対等の条件で戦っていないからです。お上が買い方に極端な「依怙贔屓」をする「八百長相場」だからです。本来こういうのは、市場の自律性を喪失させるので、あまりやるべきではない介入なんですが、「お上」には逆らえません(笑)。
お上に逆らって「空売る」とロクなことにならない
ところで、3日発表の3月の米雇用統計では、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者増数は、市場予想の半分程度の12万6000人でした。これを受け、6月の早期利上げシナリオが後退し、足元の市場では、米景気を支えるため、FRBが利上げ開始を後ズレさせるとの見方が強まっています。
また、3月の米ISM製造業景況感指数は、前月比1.4ポイント低下の51.5と、市場予想の52.5程度を下回り、5カ月連続で低下しました。3月のISM非製造業景況感指数も、前月比0.4ポイント低下の56.5と市場予想の56.9を下回りました。
このように、米国では、弱い経済指標が相次いでいるため、米国の利上げに端を発する、米国発に世界的な金融市場のショック安は、しばらく警戒する必要はなさそうです。
ただし、米国では、8日のアルコア(ティッカーシンボル:AA)から決算発表シーズンが始まります。市場が注目しているのは、原油安やドル高による米企業業績に与えた悪影響の度合いです。これがある程度みえるまでは、米株式相場の上値は重そうです。
一方、日本ですが5匹のクジラ(年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、共済年金、かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行、日銀)効果で、下値不安は非常に乏しい状況です。ちなみに、日本郵政傘下のゆうちょ銀行は17年度に外国債券や株式への投資を現状より3割多い60兆円とし運用収益を増やす計画です。3月末時点でのリスク資産投資は31.6兆円の外債、約2兆円の株式など合計46兆円ですが、これを向こう3年で14兆円積み増すということです。
それにしても、2014年度の公的年金や日銀による日本株の買越額は5兆円を超え、過去最大になったそうです。東京株式市場が「官製相場」であることが改めて実感させられた数値でした。当分、お上に逆らって、「空売る」とロクなことにならないでしょう。だって、買い方が勝つように、お上が市場に介入する「八百長」なんですから。成り上がりたいあなたは、その辺は大人になって割り切って、市場に積極的に参加しましょう。
「クラウドコンピューティング」関連の5銘柄
ただ、足元の株式市場では物色の柱になるようなテーマが見当たりません。それでも、底流には「クラウドコンピューティング」というキーワードが、ひとつのテーマとして存在しているように感じています。
なお、富士キメラ総研によれば、「クラウドコンピューティングサービス関連は2019年度には3兆1263億円が予測される。」、また、「特にパブリッククラウドの伸びが期待され、2019年度では全体の35%を占めるとみられる。「AWS」(アマゾン データ サービス ジャパン)などのメガクラウドサービス関連の伸びが顕著なオートセルフ型のIaaS/PaaS、メールやグループウェアなど情報系システムで急成長しているSaaS(汎用型)がけん引すると予想される。」そうです。
これほどの高成長が期待できる分野だからこそ、足元の株式市場では、「クラウドコンピューティング」関連銘柄への関心が、今後、ますます高まっていくことでしょう。そこで今回は、同関連銘柄のうち、アクティブ個人好みの5銘柄をピックアップしておきたいと思います。
【1】デジタルアーツ(2326)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
昨今ニーズが高まっているクラウドメールにも対応したメールフィルタリングソフト「m-FILTER」Ver.4(サーバー版)の販売を推進している。同社グループの属するセキュリティ業界においては、クラウドサービスやスマートフォン・タブレット等のモバイル端末の利活用が進展する中、特定の企業や国家機関を狙ったサイバー攻撃、シャドーIT問題、組織内部関係者による個人情報の漏えいなどが注目を集め、情報セキュリティ対策への需要がより一層高まっている。また、学校などの教育機関においてもタブレット端末の配布に伴い、校外、校内でのWebアクセスを一元管理するニーズが高まっている。
【2】セキュアヴェイル(3042)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
企業向けセキュリティソリューションやネットワークシステム運用で、豊富な実績がある。株式会社 UCOMのパートナーシップ制度「with UCOM」に参画し、ネットワークシステム監視サービス「NetStare for SaaS」を「クラウド with UCOM」のサービス商材として提供開始した。with UCOMとは、11年2月22日にリリースされたUCOMの法人向け新パートナーシップ制度。なお、これまで同社は、主に企業が所有する公開システムまたは社内システムに対して、クラウド型運用監視システム「NetStare for SaaS」を提供してきていた。
【3】SHIFT(3697)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
クラウドワークス(3900)と、クラウドワークスが提供する日本最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」の登録者(クラウドワーカー)向けに、SHIFTが提供するソフトウェアテストスキル検定「CAT検定」を導入する。また、サイバーセキュリティ領域において国内で独自の研究開発を展開しているFFRI(3692)と業務提携契約を締結し、セキュリティテスト分野での協業関係を深めていくことに合意した。本提携により、SHIFTはソフトウェアの「品質」という観点から、情報セキュリティ分野への本格的な進出を進めていく。
【4】ULSグループ(3798)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
連結子会社であるウルシステムズは、株式会社ショッパーインサイトのID-POSデータ分析サービス「real shopper SM」をアマゾン ウェブ サービス(AWS)のクラウド上で刷新した。ショッパーインサイトの要望を受け、ウルシステムズはAWS上のクラウド型データウェアハウスAmazon Redshiftをベースとしたスケーラブルな高速データ分析基盤をAWS上に構築し、既存の「real shopper SM」を刷新した。開発や既存システムからのデータ移行も順調にすすみ、無事2014年12月10日にリリースしたという。
【5】ACCESS(4813)←銘柄名をクリックすると株価チャートを表示
モバイル並びにネットワークソフトウェア技術を核とした先進のITソリューションを提供。累計搭載実績10億台を超えるモバイルソフトウェアおよび250社以上の通信機器メーカへの採用実績を誇るネットワークソフトウェアにおける仮想化技術の開発力・ノウハウを活かし、現在、組込とクラウド技術を融合したIoTソリューションの開発・事業化に注力。なお、ACCESS社のクラウド型ビジネスチャット「Linkit(リンクィット)」を、NTTドコモ(9437)が運営する法人向けビジネスパッケージ「ビジネスプラス」メニューのひとつとして、15年4月1日より提供を開始した。
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