<今回のまとめ>
1.第2四半期決算はEPS、売上高ともに予想を上回った
2.売上高成長率は5期連続で鈍化した
3.売上高成長率は今後も鈍化する
4.費用をどう抑えるかが重要になる
5.今回の決算では費用のコントロールに進歩が見られた
6.北米の広告単価は上昇しているが他地域との格差は大きい
7.動画広告、インスタグラム、WhatsAppが今後の成長余地
8.EPS成長予想に照らして、現在の株価はフェアバリュー
フェイスブックの第2四半期決算が発表された
先週フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)が第2四半期の決算を発表しました。そこで今回はこの決算の内容を詳しく吟味することにします。
EPS、売上高ともにコンセンサス予想を上回った
フェイスブックの第2四半期決算は、EPS(一株当たり利益)、売上高ともにコンセンサス予想を上回りました。まずEPSは予想47¢に対し50¢でした。これは予想を+6.4%上回りました。

次に売上高は予想39.9億ドルに対し40.4億ドルでした。売上高成長率は去年の同期に比べて+38.9%でした。この売上高成長率は過去5期連続で鈍化しています。
なお前回の第1四半期決算ではフェイスブックは売上高が市場予想に届きませんでした。その意味では今回の決算の方がスッキリする内容でした。
「広告収入成長率の鈍化」と「コスト圧縮の努力」
フェイスブックはガイダンスを出さない会社として知られています。ガイダンスとは「会社側の来期以降の予想」を指します。カンファレンス・コールの中で同社のデイブ・ウェーナーCFOが語ったところによると「広告収入成長率は前年比ベースで、第3四半期も、第4四半期も引き続き鈍化する」ということです。これは上に述べたようにいままでのトレンドを踏襲したものですのでサプライズではありません。

また同社は費用成長率のガイダンスをこれまでの+50~60%から+50~55%と少し幅を狭くしました。
ここで重要な点は上で述べた売上高成長率に比べて費用成長率の方が高ければ、利益の伸びはその分、低くなってしまうという点です。
その点、今回のフェイスブックの決算では、コストを何とか圧縮しようとする努力が、ある程度の効果を生み始めている片鱗が見られます。
売上高に占める研究開発費(R&D)、ならびに営業・マーケティング費用の比率は、いずれも第1四半期に比べて少し下がりました。

これを受けてこれまでつるべ落としに下がっていた営業マージンはようやく上向きました。

この第2四半期決算が発表された翌日、17社の証券会社がフェイスブックの目標株価を引き上げたのは、このコスト圧縮の努力を評価したのだと思われます。証券会社のフェイスブックに対する目標株価は$110~$146の範囲に収まっています。
毎日の利用者は全世界で9.7億人にのぼる
30億人いる世界のインターネット・ユーザーのうち、半数近くが少なくともひと月に一回以上フェイスブックを利用しています。

フェイスブックを毎日利用しているユーザーは9.7億人です。

その大部分がスマートフォンからフェイスブックにアクセスしています。

広告市場としての世界各地域の価値には「格差」がある
これらの世界のユーザーが、企業の立場から、皆、同じ価値を持っているか? といえば、そうではありません。
下はフェイスブックの地域別の売上高ですが、米国・カナダが群を抜いて大きいことが分かります。

この理由は米国・カナダのユーザーの方が、広告の単価(ARPU)が高いからです。

実際のところ米国・カナダと、それ以外の地域ではかなり格差があります。このことはフェイスブックが今後世界でどんどん新規ユーザーを獲得しても、売上高はそれと同じペースでは伸びないことを示唆しています。
フェイスブックの今後の成長余地のキーポイントは?
さて、フェイスブックは今後、どのような「伸びしろ」を残しているのでしょうか?
まず目先の売上伸長の機会としては動画広告が挙げられます。実際、ライバルのグーグル(ティッカーシンボル:GOOGL)が先に発表した第2四半期決算でも、動画広告の伸びが顕著でした。フェイスブックは動画広告への参入はグーグルより遅れていますが、グーグルの動画広告とは差別化された顧客ターゲットの絞り込みが出来ると言われています。これは重要な点です。なぜならグーグルの動画広告はグーグルの検索広告に比べて広告主のROI(=広告を打つことに対するリターン)が低いと噂されてきたからです。それはターゲットの絞り込みによって改善できます。
またスマートフォンからフェイスブックにアクセスするユーザーに対し、これまでよりも沢山広告を見せるという試みも始められています。あまり広告ばかりが増えると煩くなってしまいますが、ユーザーが気にかけない限り、遠慮する必要は無いと思います。
フェイスブックは傘下にインスタグラムならびにWhatsAppを持っています。インスタグラム広告は、端緒に付いたばかりです。インスタグラムは女性のユーザーに人気があるし、ネットショッピングとの親和性も良いです。従ってフェイスブック本体の広告とは少し違う切り口で広告主が訴求する機会を提供していると言えます。
WhatsAppは8億人のユーザー数を誇っていますが、こちらの課金戦略は工夫を要すると思います。
結論は「現在の株価はほぼフェアバリュー(適正価格)」
コンセンサス予想に基づくとフェイスブックは2015年のEPSとして$2.06、2016年は$2.72が見込まれています。すると現在の株価($94)を2016年のEPSで割算すると株価収益率(PER)は34.56倍ということになります。これは2015年から2016年にかけてのEPS成長率32%とほぼ似通った数字です。
アメリカの投資家は「PEGレシオ」という尺度を気にします。これは株価収益率をEPS成長率で割算した数字です。これが「1以下であれば、成長率に照らして、その株は未だ割安だ」という解釈をするわけです。そのような勝手な解釈には投資理論上の根拠はありません。でもひとつの「気休め」として、この尺度を持ち出し、高いPERを正当化しようとする投資家は多いです。
フェイスブックの場合、PEGレシオは:
34.56÷32=1.08
となります。これは同社株が、ほぼフェアバリューだといえるわけです。
>>>フェイスブック(FB)の現在の株価はこちら(SBI証券のサイトに移動します)
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