世界投資へのパスポート

米国市場は第1四半期決算発表シーズンに突入!好決算を発表したJPモルガンは買いか?下方修正でもここから買って良い株とは?

【第414回】 2016年4月18日公開(2022年3月29日更新)
広瀬 隆雄
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

<今回のポイント>
1.第1四半期のEPSは3期連続で前年比マイナスが予想される
2.第2四半期以降、EPSは尻上がりに改善が見込まれる
3.アルコアは決算こそまちまちだったが分社化の材料があるので「買い」
4.JPモルガンの決算は予想を上回ったがパワーに欠ける
5.今週はネットフリックス、アルファベット、GE、マクドナルドに注目

米国の株式市場、第1四半期決算の見通しと
第2四半期以降の見通しは?

 先週から米国では2016年第1四半期の決算発表シーズンに突入しています。

 そこでまず全体像ですが、米国を代表する株価指数であるS&P500指数の第1四半期のEPSは26.37ドルになると予想されています。これは前年同期比-7.5%です。

 もしこの予想が実現すればS&P500指数のEPS(一株当たり利益)は3期連続で前年比マイナスを記録することになります。

 その原因ですが、原油価格の低迷でエネルギー・セクターの企業が軒並み赤字を出していることが足を引っ張っています。

 コモディティ価格の低迷で素材セクターも-18.8%と落ち込みが大きいです。

 さらにドル高の影響で工業、ハイテク、消費安定セクターがマイナスになっている点も見逃せません。

 すでに原油価格が底打ちしていること、その他のコモディティ価格も反発していること、為替がドル安に転じていることなどから、第2四半期以降のEPSは尻上がりに改善すると見られています。

 株価は将来を織り込むという性質があります。すると今後業績は改善基調になるわけですから第1四半期の決算が悪かったからといって慌てて売らない方が良いと思われます。

下方修正のあったアルコアが
むしろ「買い」チャンスの理由とは?

 これまでに決算発表があった企業について解説します。

 まず先週月曜日にアルコア(ティッカーシンボル:AA)が決算発表しました。EPSは予想3セントに対して7セント、売上高は予想51.5億ドルに対して49.5億ドルでした。

 売上高成長率は前年比-15.0%と落ち込んでいるのですが、これはアルミニュームならびにアルミナ価格が-20.7%下落したことによります。

 アルコアは今、分社化計画を進めています。航空機向けアルミニュームなどの付加価値製品を扱う新会社はアルコニックという名称になります。

 アルミナなどの素材のビジネスはアルコアの名称を継承します。

 今回の決算発表で2016年通年のアルミニューム需要予想が、これまでの+6%から+5%へ下方修正されました。その主な原因は旅客機向けアルミニュームの需要予想がこれまでの+8%~9%から+6~8%へ下方修正されたことによります。

 現在、旅客機メーカーは旧型機の生産を絞り込み、最新鋭機へとシフト中です。生産ラインの切り替えに時間がかかっている関係で、出荷が遅れるのが下方修正の原因です。これは旅客機そのものの売れ行きに陰りが見えているということでは決してありません。

 したがって今回の下方修正は、まったく気にしなくて良いと思います。

 実際のところ、分社化によって、同社の川上ならびに川下のビジネスが再評価されることが予想されますので、アルコアは買いチャンスだと思います。

決算がよかったJPモルガンだが
今後の強い株価上昇は見込めない

JPモルガン(ティッカーシンボル:JPM)の第1四半期決算は予想を上回りました。

 EPSは予想1.26ドルに対し1.35ドル、売上高は予想228.7億ドルに対し232億ドルでした。

 同行は強い投資銀行部門を持っていることで有名です。その投資銀行売上高は12億ドル(前年比-24%)でした。債券ならびに株式の引受フィーは、ディールが少なかったので低調でした。その反面、M&Aフィーは好調でした。

 債券トレーディング部門は前年比-13%、株式トレーディング部門は前年比-5%でした。これは先週決算発表したライバルのバンク・オブ・アメリカ(ティッカーシンボル:BAC)やシティグループ(ティッカーシンボル:C)にも言える事ですが、事前の予想に反して債券トレーディングの落ち込みが、それほど酷くなかった点が印象に残りました。

 注目された貸倒引当金は18億ドルでした。ちなみに去年の同期は9.59億ドルでした。うち石油・天然ガス向け貸付の貸倒引当金は+5.29億ドル(ガイダンスは+5億ドル)、鉱業向けは+1.62億ドル(ガイダンスは+1億ドル)でした。これらのクレジット・コストはEPSを13セント押し下げる効果がありました。

 まとめるとJPモルガンの決算は事前の低い期待に比べればホッと一安心する内容でしたが、今後、株価がズンズン上昇することを予感させるほど力強い内容ではありませんでした。

 同じことはバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウエルズファーゴ(ティッカーシンボル:WFC)についても言えます。

マクドナルドなどその他に注目される
今週決算発表予定の4社の予想値

 ネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)は4月18日(月)引け後に決算発表する予定です。予想はEPSが4セント、売上高が19.7億ドルです。サブスクライバー数は米国が+177万人、海外が+438万人と予想されています。

 アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)は4月21日(木)引け後に決算発表する予定です。予想はEPSが7.96ドル、売上高が203.1億ドルです。

ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)は4月22日(金)寄付き前に決算発表する予定です。予想はEPSが19セント、売上高が279.7億ドルです。

マクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)は4月22日(金)寄付き前に決算発表する予定です。予想はEPSが1.16ドル、売上高が57.9億ドルです。

【※米国株を買うならこちらの記事もチェック!】
米国株投資で注意が必要な「為替」と「税金」とは?「特定口座(源泉徴収あり)」か「NISA口座」で投資をして、口座内に「米ドル」を残さないのがポイント!

※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。
証券会社(ネット証券)比較!売買手数料で比較ページへ
ネット証券会社(証券会社)比較!取引ツールで比較ページへ
 つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説ページへ
証券会社(ネット証券)比較!人気の証券会社で比較ページへ
ネット証券会社(証券会社)比較!株アプリで比較ページへ
 iDeCo(個人型確定拠出年金)おすすめ比較&徹底解説!詳しくはこちら!
ネット証券会社(証券会社)比較!最短で口座開設できる証券会社で比較ページへ
ネット証券会社(証券会社)比較!外国株で比較ページへ
桐谷さんの株主優待銘柄ページへ
証券会社(ネット証券)比較IPO(新規上場)比較ページへ
ネット証券会社(証券会社)比較!キャンペーンで比較ページへ
証券会社(ネット証券)比較!総合比較ページへ
【2025年4月1日時点】

「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社

◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税込)
約4900銘柄 <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)※買付時の為替手数料が無料/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル)
【マネックス証券のおすすめポイント】
外国株の取扱銘柄数はトップクラス! また、米国株の買付時の為替手数料が0円(売却時は1ドルあたり25銭)となるキャンペーンが長期継続しており、実質的な取引コストを抑えることができる。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税込)が最大3万円がキャッシュバックされる。米国ETFの中で「米国ETF買い放題プログラム」対象21銘柄は、実質手数料無料(キャッシュバック)で取引が可能。米国株の積立サービス「米国株定期買付サービス(毎月買付)」は25ドルから。コツコツ投資したい人に便利なサービス。米国株は、時間外取引に加え、店頭取引サービスもあり日本時間の日中でも売買できる。また、NISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株の購入手数料も全額キャッシュバックされて実質無料! 企業分析機能も充実しており、一定の条件をクリアすれば、銘柄分析ツール「銘柄スカウター米国株」「銘柄スカウター中国株」が無料で利用できる。
【関連記事】
◆【マネックス証券の特徴とおすすめポイントを解説】「単元未満株」の売買手数料の安さ&取扱銘柄の多さに加え、「米国株・中国株」の充実度も業界最強レベル!
【米国株投資おすすめ証券会社】マネックス証券の公式サイトはこちら
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税込)
約5300銘柄 <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル)
【SBI証券のおすすめポイント】
ネット証券最大手のひとつだけあって、米国から中国、韓国、アセアン各国まで、外国株式のラインナップの広さはダントツ! 米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能で、一部米国ETFは手数料無料で取引できる。また、2023年12月1日から米ドルの為替レートを「0円」に引き下げたので、取引コストがその分割安になった。さらにNISA口座なら米国株式の買付手数料が無料なので、取引コストを一切かけずにトレードできる。米国株を積立購入したい人には「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。また、米国株の信用取引も可能。さらに、リアルタイムの米国株価、48種類の米国指数および板情報を無料で閲覧できる点もメリットだ。米国企業情報のレポート「One Pager」、銘柄検索に使える「米国株式決算スケジュールページ」や「米国テーマ・キーワード検索」、上場予定銘柄を紹介する「IPOスピードキャッチ!(米国・中国)」など情報サービスも多彩。「SBI 証券 米国株アプリ」は「米国市場ランキング」「ビジュアル決算」「銘柄ニュース」などの機能が充実している。
【関連記事】
◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実
◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社!
【米国株投資おすすめ証券会社】SBI証券の公式サイトはこちら
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税込)
約4750銘柄 <現物取引>約定代金の0.495%(上限22米ドル)/<信用取引>約定代金の0.33%(上限16.5米ドル)
【楽天証券おすすめポイント】
米国、中国(香港)、アセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)と幅広い銘柄がそろっており、米国株の信用取引も利用可能! 指定の米国ETF15銘柄については買付手数料が無料で取引ができるのもお得。さらに、2023年12月からは米ドル⇔円の為替取引が完全無料! NISA口座なら米国株の売買手数料が0円(無料)なのもメリットだ。米国株の注文受付時間が土日、米国休場を含む日本時間の朝8時~翌朝6時と長いので、注文が出しやすいのもメリット。米国株式と米国株価指数のリアルタイム株価、さらに米国決算速報を無料で提供。ロイター配信の米国株個別銘柄ニュースが、すぐに日本語に自動翻訳されて配信されるのもメリット。米国株の積立投資も可能で、積立額は1回3000円からとお手軽。楽天ポイントを使っての買付もできる。銘柄探しには、財務指標やテクニカル分析などの複数条件から対象銘柄を検索できる「米国株スーパースクリーナー」が役に立つ。
【関連記事】
【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実!
◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい!
【米国株投資おすすめ証券会社】楽天証券の公式サイトはこちら
◆DMM.com証券(DMM株) ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税込)
約2400銘柄 無料
【DMM.com証券おすすめポイント】
米国株の売買手数料が完全無料なので、取引コストに関しては割安! ただし、配当金が円に両替される際の為替スプレッドが1ドルあたり1円と高いので、配当狙いで長期保有する人は注意が必要だ。他社と違う点としては、外貨建ての口座がなく、売却時の代金や配当が自動的に米ドルから円に交換されること。米ドルで持っておきたい人には向かないが、すべて円で取引されるため初心者にとってはわかりやすいシステムと言えるだろう。また、米国株式と国内株式が同じ無料取引ツールで一元管理できるのもわかりやすい。米国株の情報として、米国株式コラムページを設置。ダウ・ジョーンズ社が発行する「バロンズ拾い読み」も掲載されている。
【関連記事】
◆DMM.com証券「DMM株」は、売買手数料が安い!大手ネット証券との売買コスト比較から申込み方法、お得なキャンペーン情報まで「DMM株」を徹底解説!
◆【証券会社比較】DMM.com証券(DMM株)の「現物手数料」「信用取引コスト」から「取扱商品」、さらには「最新のキャンペーン情報」までまとめて紹介!
【米国株投資おすすめ証券会社】DMM.com証券の公式サイトはこちら
【米国株の売買手数料がなんと0円!】
DMM.com証券(DMM株)の公式サイトはこちら
本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

ダイヤモンド・ザイオンライン講座。チャート入門のお申込み・詳細はこちら!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

大企業で1億円
NISA投信グランプリ
チャート入門

6月号4月21日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[大企業で10倍株!]
◎第1特集
ソニーやサンリオ、JALなど92銘柄
大企業で10倍株!

●日本が誇る大爆騰株!最強10倍株
●夢を買う!次世代テーマ10倍株
●現実的に狙う!手堅い実力10倍株

●若手アナリスト&編集部員が発掘!
株価10倍になるZ世代株
●株価がすべて200円未満!激安10倍株
●オリエンタルランドや東京エレクトロンは?低迷大型株を売り買い診断

◎第2特集
第3回ダイヤモンド・ザイNISA投信2025
グランプリ宣言!
ザイは毎年、個人投資家目線でNISAで買いの投信を表彰します!

●日本株総合部門
●日本中小型株部門
●米国株部門
●世界株部門
●新興国株部門
●リート部門
●フレッシャー賞
●ダメなモンはダメと言います!期待ハズレな残念投信3本を今年も発表!

◎第3特集
値上げに勝つ!インフレ時代の最強節約術77
●コメの値上がりが家計を直撃!食費のワザ
●省エネで家計を守る!光熱費のワザ

●惰性で払っている固定費を点検!生活費のワザ
●もらえる制度はフル活用!医療&教育費のワザ
●資産40億円の億り人マサニーさんの節約術

【別冊付録】
3回集中講座の第1回!
買い時・売り時がQ&Aでわかる!チャート入門
「チャートのつくりとトレンドの読み方」

◎連載リニューアル!
●プロがこの先1カ月の日本株のポイントを解説&ガチ予測!
●3カ月先を読む「日本株」と「為替」の透視図

◎いつもの連載も充実
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.09
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.04
●10倍株を探せ!IPO株研究所2025年3月編
●おカネの本音!VOL.34 オモロー山下さん
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.102
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報