最下層からの成り上がり投資術!

5月開催の伊勢志摩サミットに向けて発表される「G7版3本の矢」に投資家が注目する理由とは?いまは内需系小型株の人気テーマ銘柄を買え!

【第209回】 2016年4月19日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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日経平均株価は急騰と急落を繰り返す、「乱高下相場」です。前週までは急騰、週明け18日は急落後、翌19日は急騰です。

日経平均株価チャート(日足・6カ月) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

 前週は、原油先物高・米国株高・円安が買い材料でした。しかし、週末の悪材料(原油先物安・円高・熊本地震をきっかけにした熊本県と大分県の地震活動活発化)が売り材料になりました。18日は、当然のことながら、前週末までの楽観ムードは一気に後退し、慎重ムードが支配的になりました。

 その後、18日の米株が上昇し、原油先物の下落が一服し、円高が一服したため、19日の日経平均株価は急反発しました。とは言え、当面の日経平均株価は、不安定な投資環境及び投資家心理を反映し、現状のような「乱高下相場」は続く見通しです。

 一方、19日前場の東証マザーズ指数は5日続伸し、4営業日連続で年初来高値を更新しました。不安定な外部要因の影響を受け難い、新興市場を中心にした小型株に、短期資金の流入が加速しています。

「原油先物価格」と「円相場」が
日経平均株価を急落させた2大要因

 不安定な外部要因は大きく言って、2つです。それは、「原油先物価格」と「円相場」です。

 「原油先物価格」については、まさかの「ドーハの悲劇」になったことが、18日の日経平均株価急落の一因になりました。

 石油輸出国機構(OPEC)加盟国や非加盟の他産油国が参加した、17日のカタールのドーハでの産油国会議では、生産水準据え置きでの合意が成立せず、物別れで終わりました。サウジアラビアが、イランが参加しない合意には同意しない強硬姿勢を示したことが主因です。しかし、クウェートの石油労働者によるストの影響で原油生産が60%超押し下げられています。

 また、OPEC加盟国は内部の話し合いと、他の産油国との協議を6月まで続けるそうです。このため、次回6月2日のOPEC会合での生産水準据え置き合意への期待は残っています。そうこう考えると、6月2日までは、原油先物価格の下値不安は残るものの、一方的な下落は避けられるとみています。

 「円相場」については、まさかの「ルー発言」が、18日の円高に直結しました。

 15日、G20会議を総括するコメントとして、ルー米財務長官が、「最近は円高が進んでいるが、市場の動きは秩序的(orderly)だ」と述べました。これを受け、米当局は、日本政府による円売り・ドル買い介入は容認しないとの見方が強まりました。これが18日の円高・ドル安の主因になりました。

 今年はアメリカ合衆国の大統領選挙の年です。共和党候補指名争いでトップを走るドナルド・トランプ氏は、大統領選に勝利した場合、就任初日に中国を「為替操作国」に認定すると宣言し、メキシコや日本にも矛先を向けています。日本や中国が輸出振興のため通貨安政策を採用したことで、米国の労働者は一段と苦しくなったというのが彼の持論だそうです。

 一方、民主党有力候補、ヒラリー・クリントン前国務長官は、日本や中国およびその他アジア諸国が過去数年にわたり為替操作で人為的に輸出価格を抑えてきたと名指し、「関税を含むさまざまな手段でも対抗措置を取る」としています。こうなると、米国は人為的な為替介入による「円安・ドル高」誘導は容認しそうにありません。

伊勢志摩サミットに向けて放つ
「G7版3本の矢」から今後の物色テーマがわかる

 よって、日本政府は介入ではない手法で「円安・ドル高」を実現しないとなりません。

 具体的には、(1)さらなる日銀による金融緩和、(2)積極的な財政出動、(3)規制緩和・構造改革推進による成長戦略の実行によって、国内の「期待インフレ率」を高めることです。これによる「円安・ドル高」なら米国も日本に文句は言えません。

 このような状況下、5月26、27日の伊勢志摩サミットに向けて自民党が" 金融・財政政策や構造改革で協調を行う「G7版3本の矢」を参加各国に提案すべき"との提言を19日にとりまとめ、政府に提出するということです。

 GDP600兆円の実現に向けてビッグデータやロボット、人工知能などを活用することや「同一労働同一賃金」の制度導入などを重点政策に掲げているそうです。正式な提言をみないと正確なことはわかりませんが、これの全体像が分かれば、株式市場での物色テーマが明確になるはずです。まあ、現時点では、「ビッグデータ」「ロボット」「人工知能」「人材」は当確の国策テーマのようですね。

アベノミクスの第二、第三の矢、
「積極財政」と「成長戦略」に期待

 また、安倍首相は18日、熊本地震の震災復興費用を含む補正予算案について「必要なあらゆる手段を講じていきたい」と述べました。

 現時点では、政府は、伊勢志摩サミットを前に、2016年度予算の前倒し執行を含め「真水で10兆円」の経済対策を策定するとの見方が大勢です。さらに、熊本県を中心とする地震被害の拡大を受け、政府・与党内では来年4月に予定する消費増税を延期すべきだとの圧力が一層強まる見通しです。

 安倍首相は18日、「リーマン・ショックや大震災級の事態にならない限り、予定通り引き上げる」との従来の答弁を繰り返しました。しかし、菅官房長官は、熊本地震が安倍首相の判断に与える影響にも「今の時点で答えることは控えたい」と含みを残しています。

 このように、伊勢志摩サミットに向けて、政府・与党から景気を押し上げる政策が打ち出される可能性が高いのです。まあ、世界経済が低迷し、期待インフレ率が低下している状況の中で、これだけの規模の地震が発生したのです。「アベノミクス」を失敗に終わらせないためにも、ここは安倍政権にとって正念場です。是非とも、市場にポジティブサプライズを与える経済対策を打ち出して欲しいものです。

 正直、ここ最近までの「アベノミクス」は、日銀による「金融緩和だけ」の一本足打法でした。"いい加減、「積極財政」と「成長戦略」の2本の矢を放てよ!"と、言いたいですね。

日銀金融政策決定会合の追加緩和だけでは
株式相場の押し上げ効果は見込めない

 日本経済の下支えに孤軍奮闘している日銀は、4月27~28日に開催する金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切るとの見方が強まっています。国債・ETFの買い入れ枠増額や、貸出を伸ばした銀行に対するマイナス金利での資金供給などが見込まれています。なお、当然のことながら、これだけでは相場の押し上げ効果は限定的でしょう。

 いずれにせよ、当面の日本株は政策期待で底堅い動きが続くはず。ただし、具体策が打ち出される、または、全体像がみえてくるまでは、日経平均株価の上値は重いままでしょう。

 当面は、外部環境の影響を受け難い、内需系の小型株が物色の柱であり続ける見通しです。この投資環境は、アクティブ個人にとって、儲け易い環境です。是非、人気テーマ株物色の波に上手く乗り、投資資金を増やしてください。

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