先週発表の非農業部門雇用者数は弱く
6月の利上げは困難、当分の間は低金利が維持される
先週金曜日、米国の4月の非農業部門雇用者数が+16万人と発表されました。これは予想の+20万人を下回る数字です。

今回の数字からは(どうしても6月に利上げしなければいけない)という切迫感は伝わって来ません。
次の連邦公開市場委員会(FOMC)は6月14・15日です。しかしその直後の6月23日には英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が実施されます。この重要イベントを前にして、連邦準備制度理事会(FRB)が危ない橋を渡るとは考えにくいです。
その次のFOMCは7月26・27日ですが、そこでは記者会見が予定されていません。
すると次の利上げ可能性の高いFOMCは9月20・21日ということになります。言い換えれば、まるまる4か月の時間的猶予があるわけです。
このことは現在の0.50%という極めて低い政策金利が、とうぶんの間、維持されることを意味します。
そもそも利上げが出来ないということは、別の視点から言えば景気がパッとしないことに他ならないのですから、企業収益もいまひとつですし、株式投資に期待されるリターンも控え目にならざるを得ないわけです。
つまり、今は運用難の時代なのです。
通貨の価値が減価している状況下で
実物資産の金(ゴールド)に投資する意味
しかし、だからと言って有望な投資先が全然ないか? といえば、そんなことはありません。
たとえばゴールドです。
金塊は紙幣のような「紙切れ」とは違い、実物資産です。
おカネの場合、中央銀行が輪転機をどんどん回せばお札をたくさん刷ることが出来るので、その価値はシャバシャバに薄められてしまうリスクがあります。
実際、デフレから抜け出すために日本や欧州の中央銀行がやっていることは、突き詰めて言えば、わざとおカネの価値を減価させていることにほかなりません。
しかし、金塊の価値は、壊すことはできないのです。
もちろん、金塊の価格は上下動します。それはゴールドそのものの価値が変動していると言うよりも、それを買うためのドルや円やユーロの価値が動いていることによります。いまそれらの通貨に対して金価格が上昇しているのであれば、それはとりもなおさずドルや円やユーロの価値が下落していることを意味するのです。
おカネの価値が減価している局面で購買力を維持しようと思えば、実物をベースにしたゴールドを買うというのがひとつの方法になります。
また金価格の動きは、S&P500指数に代表される株式価格の動きとは連動性が低いのです。皆さんのポートフォリオの中にゴールドを少し組み込めば「普段とは違ったリターン」を実現できる可能性があるわけです。
このように「一味違うリターン(=英語ではuncorrelated returnと言います)」を出せるように配慮するのは、深慮ある、分散されたポートフォリオを構築する上で、欠かせないスパイスの役目を果たすのです。
ゴールドは利子や配当が付かないのが弱点
投資対象として考えるべき金ETFや金鉱株ETFとは?
ゴールドには利子や配当がつきません。これはゴールドの大きな弱点です。
だから銀行預金に魅力的な利子がつく環境下では、なかなか投資家の食指はゴールドには向かいません。
しかし現在は金利が限りなくゼロに近いので、ゴールドに投資することの不利はほとんど感じられないほど小さいのです。
実際、マイナス金利が導入された頃からを境にゴールドに注目する投資家が増えています。

心理的な節目である1300ドルを超えると、そこから参戦する投資家が増えることが予想されます。
ゴールドに投資するには、どんな方法があるのでしょうか?
最もポピュラーな方法は、金ETFに投資することだと思います。SPDRゴールド・シェア(ティッカーシンボル:GLD)というETFが代表銘柄になります。
次に金鉱株に投資するETFもあります。これには2種類あって、大型金鉱株に投資するETFがヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(ティッカーシンボル:GDX)、小型金鉱株に投資するETFがヴァンエック・ベクトル・ジュニア金鉱株ETF(ティッカーシンボル:GDXJ)になります。
一般に小型金鉱株には操業コストが高く、採算割れの企業が多いのが特徴です。その関係で倒産リスクも大型金鉱株よりも大きくなります。実際、小型金鉱株はこのところの金価格の下げで、かなり経営的に苦しくなっている企業が多く、そのことは逆に言えばゴールドが反転すると業績のリバウンドも大きいことを意味します。
このことから金価格上昇局面ではGDXJの方がGDXよりも上昇ピッチが速くなる傾向があることを頭に入れておきましょう。
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