(2016年7月15日追記) [NEW!]
LINEが上場し、初値は4900円、初値騰落率は+48.48%となった。上場直後に株価はさらに上昇し、一時5000円に。しかしその後は反転し、最終的に4345円で初日の相場を終えた。
■価格情報 ※2016年7月4日、仮条件を変更 | ||||||
想定発行価格(※1) | 2800円 | |||||
仮条件 |
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公募価格 | 3300円 | |||||
初値 | 4900円 | |||||
初値騰落率 | +48.48% | |||||
最新チャート | 【クリックで最新チャートへ】 | |||||
※1 有価証券届出書提出時。 |
(2016年7月6日追記)
LINEの仮条件が、2900~3300円へと変更になった。仮条件を変更前の2700~3200円から、下限、上限ともに100~200円引き上げた理由は、LINEのニュースリリースによると「ブックビルディング開始以降の需要動向及び株式市場の動向等を総合的に勘案」した結果とのこと。つまり、「イギリスのEU離脱決定による株式市場の悪化が当初想定していたよりも限定的だったため、多少値上げしても需要が見込めると判断した」ということだろう。>
すでに、変更前の仮条件上限の3200円でブックビルディングに申し込んだ人は注意が必要だ。公開価格が変更後の仮条件上限である3300円に決まった場合、3200円で申し込んだ人は抽選対象外となってしまう場合があるからだ。ブックビルディング期間内であれば申込価格を変更することが可能なので、仮条件の上限で申し込みたいと考えている人は忘れずに修正手続きをしておこう。
イギリスのEU脱退決定により、日本市場が大暴落。
IPO投資の環境にも大きな影響が!
イギリスで行われた国民投票の結果、2016年6月24日(金)、イギリスがEUから脱退することが決定した。それにともない、日経平均株価は大暴落し、前日比1286.33円安の1万4952.02円と、年初来安値を更新。為替についても大きく円高に振れ、米ドル/円相場は一時98円台にまで突入した。
このように、今回の「ブリグジット・ショック(Brexit:Britainとexitを組み合わせた造語)」による株式市場への影響は非常に大きく、多くの個人投資家が投資戦略の見直しを迫られていることだろう。
そんな中で気になるのは、今年最大規模の新規公開株として注目を浴びている「LINE」のIPO(新規上場)だ。日経平均の先行きがこれまで以上に不安となった日本市場で、LINEの初値はどうなるのか。そもそも、LINEのIPOは実施されるのだろうか。
そこで、投資サービス会社・フィスコで長年アナリストとして活躍している小林大純さんを直撃取材し、イギリスのEU脱退がLINEのIPOに与える影響について話を聞いた。
【LINEのIPOの関連記事はこちら!】
■「LINE」のIPO(新規公開)の初値予想はいくら? IPO分析のプロが公開規模、業績、成長性など、日米同時上場する「LINE」は買いかどうかを徹底分析
■「LINE」のIPO(新規上場)情報総まとめ! スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他のコミュニケーション、コンテンツ、広告サービス企業との比較や予想まで解説!
昨夏の「チャイナショック」のときはIPOの初値が伸び悩み
平均初値騰落率は年平均の半分以下に!
まず気になるのは、イギリスのEU離脱は今後日本市場にどのような影響をあたえるのか、という点だ。
「日経平均株価は1日で1200円以上も暴落しましたが、目先は欧米市場の反応や主要国の政策対応次第でリバウンドをする可能性もあります。ただ、イギリスのEU離脱にともなう経済的な影響に加え、他のEU諸国への離脱ムードの波及などが懸念されるため、しばらくの間、世界中の市場で不安定な状況が続くと思います」
そういった市場環境は、IPO投資にとってもマイナス要因となる。
「今回の暴落により、投資家の余裕資金は大きく減少していると思われます。さらに、ボラティリティが高まる、つまり相場の変動が大きくなると投資家心理が萎縮してしまい、IPO株に対する買い意欲が減退してしまいます。実際、2015年8月から9月にかけて起きた『チャイナショック』のときも、初値が振るわない銘柄が多数ありました」
2015年8月18日の急落から翌9月29日にボトムをつけるまでの「チャイナショック」の間に、新規上場したIPO銘柄と初値騰落率をまとめたのが下の表だ。
■2015年8月のチャイナショック時に新規上場したIPO銘柄と初値騰落率 | ||||||
上場日 | 銘柄名(コード) | 初値騰落率 | ||||
8/26 | 土木管理総合試験所(6171) | −2.4% | ||||
8/28 | ラクト・ジャパン(3139) | 0.0% | ||||
8/28 | メタップス(6172) | −7.9% | ||||
8/31 | アクアライン(6173) | 21.7% | ||||
9/2 | ベステラ(1433) | 25.0% | ||||
9/2 | STUDIOUS(3415) | 19.9% | ||||
9/8 | JESCOホールディングス(1434) | 5.4% | ||||
9/14 | ピクスタ(3416) | 34.8% | ||||
9/15 | アイビーシー(3920) | 251.0% | ||||
9/17 | ブランジスタ(6176) | 43.8% | ||||
平均騰落率 | 39.1% | |||||
※2015年8月18日〜9月29日の期間で集計 |
2015年に新規上場した92銘柄の初値騰落率の平均が+87.5%だったのに対し、チャイナショック時の初値騰落率の平均は、半分以下の+39.1%しかない。相場急落時に上場したIPO銘柄の初値は非常に伸びにくいことがわかるだろう。
特にLINEは、他のIPO銘柄と比較しても株式市場の状況に影響されやすい、と小林さんは言う。
「IPO銘柄は、公開規模が大きいほど市況の影響を受けやすいと言えます。LINEは、公開規模が国内外合わせて1000億円超の大型案件ですので、投資家の手控えムードが強まれば十分な資金が集まらない可能性があります。さらに、LINEは直近の業績が赤字なので、投資家がリスク回避的な姿勢を強めるほど逆風になるでしょう」
また、IPO株の初値予測をする際に類似企業との比較が目安のひとつとなるが、今回の株価暴落により類似企業の企業価値(時価総額)が下落してしまったことも、LINEに対する市場の評価にマイナスの影響を与える、と言う。
これらの要因は、LINEの初値形成だけでなく、上場後のセカンダリーの値動きにとってもネガティブ要因だ。
ここまで市場環境が悪化してしまうと、LINEの上場自体が延期になる可能性も考えられる、と小林さんは言う。
「6月24日の報道によると、LINEの広報担当者が『日米同時上場の日程に変更はない』とコメントがしたそうですが、それはあくまでも現時点の話でしょう。今後、資金調達に重大な懸念が生じるほど市場が混乱することがあれば、上場延期の可能性も出てくると思います」
LINEの新規上場のスケジュールは新規上場のスケジュール次の通り。
■LINEのIPOスケジュール ※2016年6月27日に仮条件提示、およびブックビルディング開始日を変更 | ||||||
仮条件提示 |
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ブックビルディング(抽選申込)期間 |
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公開価格決定 | 7月11日 | |||||
購入申込期間 | 7月12日~7月13日 | |||||
払込日 | 7月14日 | |||||
上場日 | 7月15日 |
LINEは今年最大規模の注目IPO銘柄なので、ぜひ購入したいと考えている個人投資家も多いと思うが、実際に申し込むかどうか、より慎重に判断する必要がありそうだ。LINEのIPOの結果は、日本市場の動向に大きく左右されるので、今後の日経平均株価の値動きや各国政府の政策対応から目を離さないようにしよう。
また、今後決まってくる「仮条件」と「公開価格」の推移も要チェックだ。現在の「想定発行価格」は2800円。仮条件と公開価格が2800円より上振れすればLINEのIPO株に対する需要は堅調というサイン。しかし、もし2800円から下振れした場合、需要が今ひとつ振るわなかったサインなので警戒が必要となる。
(関連記事⇒IPO株の初値を予想するのは意外と簡単だった!?公開規模や予想PER、仮条件などの公開情報を元にプロが実際にやっている初値予想の出し方を公開!)
実際、2016年6月27日の仮条件の決定日当日になって、仮条件の決定が6月28日に、ブックビルディングの開始日が6月29日に、それぞれ1日延期されることが発表された。LINEの公式サイトによると、スケジュール変更の理由は「足元の市場環境等の諸般の事情を総合的に勘案した上で」とのこと。おそらく日経平均株価の急落などを受けて、当初想定していた仮条件が変更されるのだろう。どのような仮条件が発表されるのか、注目したい。
【2016年6月28日追記】
LINEの仮条件が2700~3200円に決まった。想定発行価格と比較するとやや上振れした数字となったことで、ひとまずは安心材料と言える。
【2016年7月6日追記】
仮条件は2900~3300円に変更。
■仮条件が決定! ※2016年7月4日、仮条件を変更 | ||||||
想定発行価格(※1) | 2800円 | |||||
仮条件 |
2900~3300円 |
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公募価格 | (7月11日に決定) | |||||
※1 有価証券届出書提出時 |
LINEのIPO申し込みはこちら取り扱い証券会社から。
余裕を持って申し込もう
LINEのIPO株を取り扱っている証券会社をまとめてみた。
■取り扱い証券会社(2016年6月29日時点・海外公募分を除く) | ||||||
証券会社名(※青文字はクリックで詳細ページへ) | 引き受けシェア | 口座開設 | ||||
野村證券(主幹事証券) | 66.5% | |||||
大和証券 | 2.6% | |||||
SMBC日興証券[最短5日で口座開設可能] | 2.6% | |||||
SBI証券[最短2日で口座開設可能] | 1.5% | |||||
東海東京証券[最短5日で口座開設可能] | 1.5% | |||||
マネックス証券 | 1.5% | |||||
カブドットコム証券[最短翌日に口座開設可能] | ―%(※) | |||||
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 13.9% | |||||
みずほ証券 | 5.3% | |||||
ゴールドマン・サックス証券 | 2.3% | |||||
JPモルガン証券 | 2.3% | |||||
※ 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の引き受け分の一部を委託。 |
LINEのIPO株のために新しく証券会社の口座開設をするのであれば、ブックビルディング期間の最終日の前日、7月7日(木)までに取引できる状態にしておきたい。口座開設手続きが完了しても、郵送されるログインパスワードなどが手元に届かないと取引ができない証券会社もあるので、口座開設申し込みはなるべく余裕を持って行おう。
時間的な余裕がない人は、カブドットコム証券やSBI証券のような、申し込みから口座開設までの必要日数が少ない証券会社を選ぶといいだろう。
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■「IPO株が当たらない!」という人は、まずこちらの記事へ!
⇒IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2024年12月2日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |