イスラエルの海底天然ガス田
「リバイアサン」とは?
2010年、イスラエル沖の地中海で巨大な天然ガス田が発見されました。ハイファの沖合47キロ、海底1645メートルに位置するこの天然ガス田は「リバイアサン」と名付けられました。「リバイアサン」は聖書に出てくる海の怪物の名前です。
「リバイアサン」は、少なくとも16兆立方フィート(4500億立方メートル)の天然ガスを含有しています。これだけでイスラエルの必要とする100年分を供給できます。この天然ガス田を発見したノーブル・エナジー(ティッカーシンボル:NBL)は、「リバイアサン」の権益の39.7%を所有しています。
このたび、2020年までに1日当り8億立方フィートの天然ガスをイスラエルに供給する契約が締結されました。生産に向けての準備は40%ほど進捗しており、今年中に最初のリグ(海底を掘削し天然ガスを掘り出すための設備)が到着、2020年までに4基のリグが稼働する計画です。
すでにノーブル・エナジーは、小規模天然ガス田「タマル」を「リバイアサン」の近くで操業しており、そこから海底パイプラインでイスラエルに天然ガスを供給中です。
イスラエルは、これまで主に石炭を燃料とする火力発電に依存してきましたが、これらの天然ガス田が稼働しはじめたので天然ガスに切り替え中です。
イスラエルだけではなく、エジプトも
「リバイアサン」の天然ガスを購入することが決定!
「リバイアサン」はイスラエルが到底使い切れないほどの埋蔵量を誇っています。そこで「残りをどうするのか?」ということが注目されていました。
先日、ノーブル・エナジーは、エジプトの工業、石油化学産業、火力発電所などに対して1日当り7億立方フィートの天然ガスを供給する契約を締結しました。
イスラエルの人口が815万人なのに対し、エジプトは9,151万人です。したがってノーブル・エナジーがイスラエルだけでなくエジプトにも天然ガスを販売できるようになったということは、潜在需要が増えたことを意味します。
投資家にとっても
「リバイアサン」は非常に魅力的
投資家にとって「リバイアサン」の魅力は、当初開発のための先行投資さえ済めば、後は殆どメンテナンス・コストが発生しない点にあります。税前で年間10億ドル前後の安定したキャッシュフローが、少なくとも2025年まで見込めるというわけです。
ノーブル・エナジーは、当面、年間15億ドル程度の
余剰キャッシュフローが発生する見通し
ノーブル・エナジーは米国の独立系探索生産会社です。同社は、コロラド州のDJベイシン、テキサス州のデラウエア・ベイシン、地中海、アフリカの赤道ギニアなどで活動を行っています。
これまでは「あれも、これも」に手を出す、移り気な経営がされてきましたが、近年、ターゲットを絞り、キャッシュフローにフォーカスし、負債を積極的に返済する経営方針を打ち出しました。
その一環として、まず米国東部のマーセラスのシェール資産を売却、約10億ドルを手にしました。それでテキサス州の南デラウエア・ベイシンで操業していたクレイトン・ウイリアムズというシェール企業を買収しました。さらに、80億ドルあった負債を65億ドルに圧縮しました。
この結果、生産高に占める米国内陸の天然ガス比率が下がり、逆に米国内陸の石油比率が上昇しました。
当面は、原油価格50ドルと仮定して、年間15億ドル程度の余剰キャッシュフローが発生すると同社では見ていますが、その半分を負債返却に、残りを自社株買戻しに充当する考えです。
その一方で、現在の原油の先物価格を見ると、期近が高値で取引されている一方で期先は比較的価格が安いため、いまから油井を増やしても将来生産する段階になって有利な価格でその生産分の価格をロックインできないため、新規油田の開発には消極的です。
原油価格は、今後、
60〜70ドルで推移する見通し
石油輸出国機構(OPEC)は、2016年から原油価格のテコ入れのための生産調整を行っています。去年暮れに生産調整が延長され、現在は1日当り180万バレルの生産調整が行われています。これは2018年末まで続けられる予定です。
一方、ベネズエラ、リビア、ナイジェリアの各国は、それぞれの事情により生産が減る、ないしは突発的に生産が中断するリスクを孕んでいます。
米国のシェール石油は増産体制にあるものの、期先の原油先物価格が安いことから企業の増産意欲はそれほど高くありません。
一方、需要は、世界的な好景気により旺盛です。
これらのことを総合すると、原油価格は60ドルから70ドルで推移すると予想されます。
【今週まとめ】
原油価格が予想通りに推移すれば
ノーブル・エナジーには巨額の利益が発生!
イスラエル沖の巨大天然ガス田「リバイアサン」が、いよいよ本格稼働します。その「リバイアサン」の権益の39.7%を所有するノーブル・エナジーは、イスラエル、エジプトの両方の国と長期供給契約を締結し、将来の安定的なキャッシュフローが見込めるようになっています。
その一方でノーブル・エナジーは、米国内の事業ポートフォリオを見直し、テキサス州南デラウエア・ベイシンを中心とした、シェール石油の生産へと舵を切りました。
同社は原油価格50ドルを想定して長期経営計画を立てていますが、原油価格そのものは60ドルから70ドルで推移することが予想されます。もしそのシナリオになった場合、余った利益は負債の圧縮と株主への還元を優先する考えです。
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