つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2024年]

「つみたてNISA」で積立投資できる「投資信託」とはそもそも何か? 今さら聞けない「投資信託の仕組み、分類、選び方」などの基本をFPがわかりやすく解説!

2019年11月9日公開(2022年3月29日更新)
頼藤 太希
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つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

「つみたてNISA」(積立NISA)は、投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度。この連載では、「つみたてNISA」の特徴を紹介しています。

 「つみたてNISA」では、“毎月”や“毎日”など頻度を決めて、コツコツと積立投資を行います。「つみたてNISA」で選べる投資先は主に「投資信託」です。現在、日本の証券会社や銀行などで購入できる「投資信託」は6000本以上もあります。「つみたてNISA」には、そのうち173本の投資信託(うち7本は「ETF(上場投資信託)」)がラインナップされていて、173本の中から好きな投資信託を選んで積立投資するわけです。

 「つみたてNISA」で選べる173本の投資信託は、いずれも金融庁の厳しい条件をクリアした投資信託です。今回は、「投資信託の基本」と、「投資信託の分類の仕方」「投資信託の選び方のポイント」を紹介します。「つみたてNISA」でどの投資信託を選べばいいのかを考える参考にしてください。
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「投資信託」は“プロが選んだ金融商品の詰め合わせ”
ひとつでたくさんの投資先に分散投資できる!

 まずは、「投資信託」とはどんなものかを押さえておきましょう。

 「投資信託」は、投資家から集めたお金を、運用の専門家(ファンドマネージャー)がいろいろな資産(株とか債券とか……)に投資してくれる金融商品です。投資家は運用がうまくいけば利益を得られますが、運用がうまくいかなければ損をすることもあります。

 投資家から集めたお金をどの資産に投資するかは、投資信託ごとに異なります。ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、その投資信託の運用方針や市場の動きなどを踏まえて、投資先を決めています。

 通常、ひとつの投資信託は数十から数百もの投資先に投資します。仮に、個人が数十から数百もの投資先に投資をしようとすると、手間もお金もかかって大変です。でも、投資信託を利用すれば、投資信託をひとつ買うだけで、数十から数百もの投資先に分散投資したのと同じような効果を得られるのです。
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⇒老後資金が足りなくなる“長生きリスク”に備えるには「分散投資」が効果的! 商品・地域・通貨・時間の4つの分散でリスクを抑えながら老後資金を運用しよう

 なお、株式市場で、株のように取引される投資信託を「ETF(上場投資信託)」といいます。投資信託の場合、価格(基準価額)は1日1回しか変わりませんが、ETFの場合は、株と同じように、株式市場が開いている間は頻繁に価格が変動します。そこで、値動きを見て指値をする(価格を指定して購入する)など、よりタイミングを計った取引ができます。

 2019年11月1日現在、「つみたてNISA」で購入できる173本のうち、投資信託は166本、「ETF(上場投資信託)」は7本となっています。

投資信託は“3つの分類”を押さえておけばヨシ!
「国」「投資する資産」「運用方法」の違いに注目

 投資信託にはいろいろな分類の仕方があるのですが、あまり細かく考えすぎても、かえってややこしくなってしまいます。そこでここでは、わかりやすい投資信託の分類を3つ、紹介します。

◆投資信託の分類①:「投資する国」の違い


 まずは「投資する国の違い」で分類してみましょう。

  •  ●日本国内の資産に投資する投資信託 …… 国内型
  •  ●先進国の資産に投資する投資信託 …… 先進国型
  •  ●新興国の資産に投資する投資信託 …… 新興国型


 これはもう見ての通りですね。国内型は日本だけ、先進国型は主に北米やヨーロッパ諸国、新興国型は主にアジアや中南米などに投資する投資信託です。また、国内・海外問わず、世界中の資産に投資する投資信託もあります。

◆投資信託の分類②:「投資する資産」の違い


 次に、「投資する資産」の違いで分類してみます。

  •  ●株式に投資する投資信託 …… 株式型
  •  ●債券に投資する投資信託 …… 債券型
  •  ●不動産に投資する投資信託 …… 不動産投資信託(REIT・リート)
  •  ●複数の資産に投資する投資信託 …… バランス型


 こちらも、そのままなのでわかりやすいかと思います。先に紹介した国による分類と合わせて、たとえば「国内株式型」「先進国債券型」などと呼ばれることもあります。

 「つみたてNISA」で選べる投資信託は「株式型」と「バランス型」のみです。「債券型」と「不動産投資信託」は、今のところ「つみたてNISA」のラインナップにはありません。そこで、「つみたてNISA」で債券や不動産に投資したい場合は、債券や不動産を含む複数の資産に投資する「バランス型」の投資信託を買うことで、「つみたてNISA」でも債券や不動産に投資可能です。

◆投資信託の分類③:「運用方法」の違い


 最後に、「運用方法」の違いです。

  •  ●日経平均株価などの「指標」と同じ値動きを目指す
     …… インデックス型(パッシブ型)
  •  ●「指標」を上回る値動きを目指す、または「指標」を設けず絶対収益を目指す
     …… アクティブ型


「指標」とは、市場全体の大まかな動向を数字で表したものです。たとえば、国内株式型であれば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの指標があります。「インデックス型」の投資信託はそういった、指標と同じような値動きになることを目指して運用する投資信託です。

 「インデックス型」は、市場全体に分散投資できるというメリットがあります。また、指標に連動して運用するので、機械的な運用ができることから、信託報酬(※後述)などの運用コストが低いのが特徴です。
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⇒つみたてNISA(積立NISA)のインデックス型投信の中で、信託報酬の安い商品を厳選して紹介! 騰落率や取り扱いのある金融機関にも注目して商品を選ぼう!

 それに対し、一般的な「アクティブ型」の投資信託は、指標以上の成果を残そうとします。つまり、値上がりするときには指標以上の利益を目指し、値下がりするときには指標ほど値下がりしないように努力するのです。また、基準となる指標を設定せずに絶対リターンを目標にしているファンドもあります。

 「アクティブ型」は「インデックス型」と異なり、ファンドマネージャーが個別の会社を分析したり、市場を分析したりして、有望な会社や業種、国などを選んで投資します。そのため、「インデックス型」と比べてリサーチのコストやファンドマネージャーの報酬などが多くかかるので、信託報酬などの運用コストが高めなのが一般的です。
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⇒つみたてNISA(積立NISA)のアクティブ型投信を騰落率ランキングですべて紹介! 信託報酬の安さや取り扱いのある金融機関に注目して商品を選ぼう!

 信託報酬などの運用コストが高くても、運用成績がよければいいという考え方もありますが、過去のデータを見ると、目標とする指標を上回る成績を長期的に上げられている「アクティブ型」の投資信託はごくわずかなようです。運用が長期になるほど、信託報酬などの運用コストは運用成績に大きな影響を与えます。そのため、運用コストが低い「インデックス型」を選んでおいたほうが無難といえるでしょう。

「つみたてNISA」で買うべき投資信託は
3つのチェックポイントで選ぼう!

 さて、投資信託の基本がわかったところで、では、「つみたてNISA」で運用する投資信託はどのように選べばいいのでしょうか。それには、3つのチェックポイントがあります。

【「つみたてNISA」の投資信託選びのポイント①】
どのくらいの「リスク」と「リターン」が欲しいかを考える


「リスク」というと、なんだか危なそうに感じるかもしれません。しかし、投資の世界での「リスク」とは、「得られる収益のブレ幅」という意味です。つまり、ただ危ないという意味ではなく、「リスクが高い」というのは「ブレ幅が大きい」ということ、「リスクが低い」というのは「ブレ幅が小さい」ということなのです。

 「リスク」と「リターン」は表裏一体、比例の関係にあります。「ハイリスク・ハイリターン」などと言うとおり、リスクが高いほどリターンも大きくなる可能性があります。価格が上にブレる場合も下にブレる場合もブレ幅が大きくなるのが「ハイリスク・ハイリターン」。逆に、価格が上にブレる場合も下にブレる場合もブレ幅が小さいのが「ローリスク・ローリターン」です。「ローリスク・ハイリターン」などというものはないのです。

 それだけに、自分がどの程度のリターンが欲しいのか、どの程度のリスクなら許容できるのか(どの程度なら損をしても受け入れられるのか)を意識して投資信託を選ぶ必要があります。

 「投資する国」や「投資する資産」とリスクとリターンの関係は以下のようなイメージです。

 なお、複数の国や複数の資産に投資する「バランス型」の投資信託の場合は、それぞれの国や資産のリスク・リターンを平均した程度のリスク・リターンになると考えていただければと思います。

 投資信託の実際のリスクやリターンは、細かな要素が絡み合って、投資信託ごとに異なります。そこで、上の表はあくまでイメージですが、ローリスク・ローリターンの安定志向の人ならば「国内の比率が高くて、債券の比率が高い投資信託」、ハイリスク・ハイリターンの積極志向の人なら「海外の比率が高くて、株式の比率が高い投資信託」を選ぶというように、絞り込むことができるでしょう。

 もちろん、「つみたてNISA」では、複数の投資信託に積立投資することもできます。どういう組み合わせ方をしたらいいか(ポートフォリオ)については、別の記事で紹介したいと思います。
【※関連記事はこちら!】
⇒「つみたてNISA」ならお金を増やす“投資の3つの鉄則”を誰でも無理なく実践できる!資産運用を始める前に知っておきたい「投資の基本」をまとめて解説!

【「つみたてNISA」の投資信託選びのポイント②】
“3つの手数料”のうち「信託報酬」を意識しよう


 投資信託には、買うときに必要な「販売手数料」、保有中に必要な「信託報酬」、売るときに必要な「信託財産留保額」の3つの手数料がかかります。とはいえ、「つみたてNISA」の場合、販売手数料は無料で、信託財産留保額もそれほどかからない(無料の場合もある)ので、販売手数料と信託財産留保額についてはほとんど意識する必要はありません。

 しかし、「信託報酬」はぜひ意識してほしい手数料です。何しろ信託報酬は投資信託を保有している間ずっとかかりますから、たとえ年0.2〜0.3%程度の違いでも、投資期間が20年近くになれば大きな差となるのです。同じような国・投資先に投資しているのであれば、少しでも信託報酬が安い投資信託を選ぶのがベターです。

【「つみたてNISA」の投資信託選びのポイント③】
まずは「インデックス型」でスタートするのがおすすめ!


 先ほどの「アクティブ型」の説明を見て、「なんだか儲かりそう」と思われた方もいるでしょう。しかし、「アクティブ型」は信託報酬が「インデックス型」に比べて高いため、運用成績が指標よりも相当大きく上ぶれない限り、最終的な運用益で「インデックス型」に勝つことはできません。運用コストの高さをカバーする成績をずっと出し続けられるならばいいのですが、それは至難のワザ。ですから、まずは運用コストの安い「インデックス型」の投資信託で「つみたてNISA」をスタートすることをおすすめします。
【※関連記事はこちら!】
⇒つみたてNISAの口座開設の方法をわかりやすく解説!「証券会社と銀行」や「特定口座と一般口座」の違いなど、投資初心者が口座開設時に戸惑う疑問も解決!

 「つみたてNISA」は長期間、じっくりと取り組む投資です。ときには投資信託が値下がりしてしまうこともあるでしょう。値下がりしたときに慌てないためには、自分の取れるリスクを考え、信託報酬などの手数料がなるべく安く、長期間持っていられる投資信託を選ぶことが大切です。今回の基本を踏まえて、どの投資信託を選ぶか、ぜひ考えてみてください。

【※関連記事はこちら!】
⇒つみたてNISA(積立NISA)を始めるなら、おすすめの証券会社はココだ!手数料や投資信託の取扱数などで比較した「つみたてNISA」のおすすめ証券会社とは?

頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintechなどに関する執筆・監修、書籍、講演などマネーリテラシー向上に努めている。著書は『投資信託 勝ちたいならこの7本!』『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』 『入門仮想通貨のしくみ』『つみたてNISAでお金は勝手に増えていく』など多数。
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。


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「新NISA」の取扱商品や売買手数料を徹底比較!

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また、外国株式は、オンライントレードでは取引できないので注意しよう。単元未満株取引「キンカブ」は「100円以上、100円単位」の金額指定で株が買えるのがメリットで、dポイントでも株式投資ができる。「キンカブ」は売買手数料は無料で、100万円以下の買付ならばスプレッドも0%となっている(100万円超の買付時や売却時はスプレッド0.5~1.0%)。
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資産残高の0.693〜0.733%(年率・税込)※
【ウェルスナビ(WealthNavi)の新NISA口座のおすすめポイント】
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国内外のETFに分散投資をするロボアドバイザー「ウェルスナビ」はNISA口座にも対応。5つの質問に答えるだけで最適なポートフォリオを提案し、毎月自動的に積立投資をしてくれるので、初心者でも簡単に効率的な運用を実行できる。2024年からの新NISAなら、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で資産を購入することで最大で年360万円まで投資可能! 運用コストとしては、一般的な証券会社のような売買手数料ではなく、資産残高に対して決まった割合のサービス利用料を負担する形なので要注意。また、楽天証券と提携した「ウェルスナビ×R」も提供している。その場合、楽天カードや楽天キャッシュを利用し、楽天ポイントを貯めたり、楽天ポイントを利用した購入・積立が可能となる。

※ NISA口座に自動積立だけで入金した場合で試算した手数料。リスク許容度(ポートフォリオ)により異なる。また、各商品の値動きによりポートフォリオのバランスが崩れた場合は、手数料が表記の範囲を超えて変動する可能性がある。
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※手数料などの情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新情報は各証券会社の公式サイトをご確認ください。売買手数料は、1回の注文が複数の約定に分かれた場合、同一日であれば約定代金を合算し、1回の注文として計算します。投資信託の取扱数は、各証券会社の投資信託の検索機能をもとに計測しており、実際の購入可能本数と異なる場合が場合があります。※1 年会費無料のクレジットカードの場合。※2 1約定ごとプランで約定金額240万円までの売買手数料。

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