2020年にIPOが予想されるのは「スカイマーク」や
「ハウステンボス」! 2020年のIPO市場の予測と、
初値騰落率など「2019年IPOランキング」も発表!

2020年1月19日公開(2020年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部

 2020年に入り、早くもコーユーレンティア(7081)ジモティー(7082)と2つのIPOが予定されているが、IPO投資を行う個人投資家にとって、2020年のIPO市場の動向は気になるところだろう。
【※最新のIPOスケジュールはこちら!】
【2020年版】IPOスケジュール&取り扱い証券会社の最新情報を更新中!

 そこで今回、投資情報サービス会社・フィスコで長年IPO銘柄の分析を行っている小林大純(こばやし・ひろずみ)さんに、2019年のIPO市場を総括してもらうとともに、2020年のIPO市場の動向を分析し、今年IPOが期待できる銘柄をズバリ予想してもらった。

2019年は、初値の勝率こそ88%と例年通り高かったが、
昨年のように初値で大きく跳ねる銘柄は少なめ

 まずは、2019年のIPO市場を振り返ってみよう。昨年IPOした銘柄数は、2017年、2018年より少し減って86件だった。この件数は、「大体、1年前に予想した通りの件数」と小林さんは言う。

 「上場したい企業はそれなりにあるのですが、証券会社や監査法人などのキャパシティ的に、現状では年間90銘柄前後がIPOの上限だと思います」(小林さん)

 次に、「初値の勝率」と「初値騰落率の平均」を見てみよう。

■公開価格に対する初値の勝率(2015年以降)
上場年 初値>
公開価格
初値=
公開価格
初値<
公開価格
合計 勝率 初値騰落率の平均
2015年 82 2 8 92 89.1% 87.5%
2016年 67 1 15 83 80.7% 71.4%
2017年 82 0 8 90 91.1% 112.4%
2018年 80 1 9 90 88.9% 104.9%
2019年 76 1 9 86 88.4% 74.8%
 ※ 各銘柄の初値騰落率の相加平均。

 2019年は、全86銘柄中、初値が公開価格を上回ったのは76銘柄で、勝率は88.4%。初値騰落率の平均は74.8%だった。

 つまり、単純に言ってしまえば、「IPOに当たりさえすれば、初値で売るだけで88%の確率で儲かり、平均すると投資額の7割以上もの利益を手にできた」ということ。投資に関する知識や経験が必要なく、リスクがほとんどない状態で簡単に大きな利益を得られる投資法はIPO投資以外にありえないだろう
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 ただ、直近3年のデータを比較すると、2019年は勝率こそ平均レベルだったものの、初値騰落率の平均は2017年、2018年が100%超だったのに比べると30〜40%程度低かったことがわかる。

 「前年のHEROZ(4382)のように初値が大きく飛ぶ銘柄が少なかったのが、2019年のIPOの特徴のひとつです。その結果、勝率は例年並みなのに、初値騰落率の平均は低めになってしまいました」(小林さん)

 試しに、2018年と2019年の初値騰落率の上位5銘柄を比較したのが下の表だ。初値騰落率が+988.9%まで高騰したHEROZは別格としても、2019年の初値騰落率が全体的に低いことがわかる。

■2019年と2018年の初値騰落率トップ5の比較※初値の公開価格に対する騰落率を比較
2019年 順位 2018年
騰落率 銘柄 騰落率 銘柄
ウィルズ(4482) +372.4% 1位 HEROZ(4382) +988.9%
サーバーワークス(4434) +276.6% 2位 アジャイルメディア・ネットワーク(6573) +415.7%
AI inside(4488) +250.0% 3位 ビープラッツ(4381) +354.5%
Welby(4438) +246.7% 4位 Mマート(4380) +333.9%
スポーツフィールド(7080) +211.4% 5位 ジェイテックコーポレーション(3446) +331.1%

 「2019年のIPOの全体的な傾向としては、まず、前年のソフトバンク(9434)メルカリ(4385)のような公開規模(吸収金額)が1000億円を超える超大型案件がなかったことが挙げられます。最も公開規模が大きかったSansan(4443)ですら351.9億円でした。また、マザーズ市場に上場した銘柄が全銘柄86件中65件と多く、東証一部に新規上場したのは、日本国土開発(1887)の1銘柄しかなかったことも特徴的です」(小林さん)

 新規上場の市場が偏ったのは、「東証の市場再編の影響ではないかと言われている」とのことだ。
【※東証の市場再編についての関連記事はこちら!】
「東証1部の上場基準見直し」で注目度が高まる銘柄はコレだ!「1部昇格」や「1部維持」を目指す銘柄を、時価総額やROEなどによるスクリーニングで探そう!

 「その一方で、マザーズ市場へのIPOとしては大型の案件が多く、公開規模が100億円超の銘柄も少なくありませんでした。公開規模が大きいと需給が引き締まらず、どうしても初値が飛びにくくなります。このことが、2019年の初値騰落率の平均を引き下げる要因のひとつになったのだと思います。ただ、公開規模が大きい銘柄は公開株式数が多い分IPOに当たりやすいので、一概にデメリットとは言えません」(小林さん)
【※IPOの当選確率についての詳細記事はこちら!】
IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

 初値騰落率の平均が下がったもうひとつの要因は、「初値の段階で、投資家が過度な上値追いを控えたこと」だと小林さんは言う。

 「前年の2018年は初値で3倍高、4倍高の銘柄が数多く出る一方で、上場後に株価が急落して7割以上下落した銘柄がいくつも出たため、投資家の警戒感が強まりました。それでも相場全体が好調であればよかったのですが、2019年は日経平均株価が堅調だったのに比べ、マザーズ指数はそれほど強くありませんでした。そうした状況から、初値の過熱に投資家サイドが慎重になったのだと思います」(小林さん)

 ちなみに、初値が高騰した場合、騰落率は+130%前後に収まることが多いと言う。

 「初日の気配値の上限が公開価格+130%なので、ここがひとつの目安として意識されやすく、『これ以上の高値で買うと危ないな』という警戒ムードの基準にもなります。その結果、その辺で初値形成されることが多くなります」(小林さん)

 もうひとつ、2019年のIPOに関するトピックとして、ソフトバンクも出資している米国のWeWork(ウィワーク)の評価額が秋口になって大きく下がったことで、グロース企業(成長企業)の評価見直しの流れが出てきたと小林さんは言う。

 「WeWorkの評価額が当初の約5兆円から約2兆円まで大きく引き下げられ、米国では『将来性を買われるグロース企業の評価額は果たして妥当なのか?』というのが大きな話題となり、その流れが日本にも波及しました。グロース企業は、赤字段階や黒字転換直後に上場することがありますが、そうなると予想PERを元に株価を算定することができません。そういう銘柄の妥当な株価はいくらなのか、という議論が、WeWorkをきっかけに出てきたのです。9月上場のChatwork(4448)や10月上場のBASE(4477)が、比較的注目度が高かったにもかかわらず初値公募割れしてしまったのは、その影響もあったと思います」(小林さん)

2019年の初値騰落率トップはウィルズ(4482)の+372.4%
最下位は大英産業(2974)の-12.5%

 次に、2019年のIPOの初値騰落率トップ10とワースト10の銘柄を見てみよう。

■2019年・IPO初値騰落率トップ10 ※初値の公開価格に対する騰落率を比較
順位 騰落率 銘柄
(コード)
公開規模
(円)
上場日 最新株価
1位 +372.4% ウィルズ
(東M・4482)
3.5億  12/17
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2位 +276.6% サーバーワークス
(東M・4434)
17.7億  3/13
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3位 +250.0% AI inside
(東M・4488)
20.7億 12/25
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4位 +246.7% Welby
(東M・4438)
9.7億 3/29
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5位 +211.4% スポーツフィールド
(東M・7080)
8.2億 12/26
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6位 +209.5% ハウテレビジョン
(東M・7064)
4.4億 4/24
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7位 +177.3% ブランディングテクノロジー
(東M・7067)
2.7億 6/21
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8位 +175.8% バルテス
(東M・4442)
7.9億 5/30
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9位 +164.0% セルソース
(東M・4880)
12.6億 10/28
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10位 +155.5% パワーソリューションズ
(東M・4450)
6.6億  4/25
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■2019年・IPO初値騰落率ワースト10 ※初値の公開価格に対する騰落率を比較
順位 騰落率 銘柄
(コード)
公開規模
(円)
上場日 最新株価
1位 -12.5% 大英産業
(福証・2974)
6.8億 6/4
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2位 -7.5% Chatwork
(東M・4448)
156.4億 9/24
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3位 -7.0% ステムリム
(東M・4599)
108.0億 8/9
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4位 -6.9% BASE
(東M・4477)
253.2億 10/25
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5位 -6.6% SREホールディングス
(東M・2980)
136.7億 12/19
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6位 -6.0% HPCシステムズ
(東M・6597)
63.7億 9/26
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7位 -2.3% メドレー
(東M・4480)
205.7億 12/12
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8位 -2.1% KHC
(東2・1451)
15.0億 3/19
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9位 -0.2% ダブルエー
(東M・7683)
48.5億 11/1
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10位 0.0% ツクルバ
(東M・2978)
45.1億  7/31
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 「初値騰落率が最も高かったウィルズ(4482)は、公開規模が約3.3億円と小さかったことが初値が跳ねた一番の要因だと思います。また、株主優待プラットフォームの『プレミアム優待俱楽部』が軌道に乗ったのが個人投資家の関心につながった部分もあるでしょう。ただ、買い一巡後の株価下落がきつく、人気過熱だった感は否めないですね」(小林さん)

 初値が高騰するとその後の株価が下がりやすいのは、IPO銘柄の宿命とも言える。それでも、中には9位のセルソース(4880)のように、初値で高騰し、その後も順調に値上がりしている銘柄もある。

 「セルソースは、初値も上場後のセカンダリーも成功という珍しい例です。ここは、再生医療製品をつくっているバイオベンチャーなのですが、渋谷に細胞の培養施設を持っているユニークな会社です。家賃は高いのですが、アクセスを考えると地方より渋谷に工場を建てたほうがいい、という判断のようです。社長が商社出身ということもありビジネスモデルがよく練られており、バイオベンチャーなのに初年度から黒字計上しています」(小林さん)

 一方、初値騰落率のワースト1位は大英産業(2974)だった。

 「大英産業の初値が奮わなかったのは、業種が不動産業、福証単独上場、さらに公開規模が6.8億円と地方市場としては規模が大きかったことが重なった結果だと思います」(小林さん)

 その他、ランキングには入らなかったものの印象に残ったIPO銘柄として、公開規模が334億円と2019年2番目の大型案件ながら初値騰落率+25.0%をつけたフリー(4478)、公開規模が352億円と1番の大型案件ながら初値公募割れせず、上場後も株価が堅調に推移しているSansan(4443)、初値は+16.6%とそこまで上がらなかったものの上場後のセカンダリーで大きく株価上昇したブシロード(7803)などの名前が挙がった。

2020年のIPO市況は、まずまず良好な環境が継続!
「カーブスホールディングス」のIPOに注目が集まる

 ここまで2019年のIPO市場を振り返ってきたが、では、2020年のIPO市場はどうなるだろうか?

 「まず、2020年のIPO件数について、市場関係者の間では『減りそう』という声もありますが、上場準備に入っていると思われる企業もそれなりにあるので、減ったとしてもそこまで大きな減少にはならないと思います。IPO株が盛り上がるかどうかですが、ここから米国と中国が揉め始めるなど不測の事態がない限り、日経平均株価はさらに一段上を狙っていく水準だと思われます。また、ずっと低調だったマザーズ市場にも資金が回帰してくると見ています。なので、2018年ほどの跳ね方はしないものの、2020年のIPO市況はまずまず良好な環境が続くと思います」(小林さん)

 2020年に新規上場が期待できる企業としては、まず、カーブスホールディングスの名前が挙がってきた。

 「カーブスホールディングスは、フィットネスジムの『カーブス』を運営する企業で、現在はコシダカホールディングス(2157)の子会社です。そのコシダカホールディングスが、2019年10月、保有するカーブスホールディングスの全株式を株主に分配してグループから切り離す(スピンオフする)ことを発表しました。切り離したカーブスホールディングスの株は、2020年3月にも上場して売買できるようにする、とのことです。『カーブス』の知名度もさることながら、日本初の『スピンオフ上場』として注目を集めることは間違いないでしょう」(小林さん)

 その他、知名度の高い銘柄としては、スカイマークキオクシアハウステンボスの新規上場が期待できると言う。

 「スカイマークは、2019年10月25日に東京証券取引所に再上場の申請を行ったことを発表しました。業績も持ち直していますし、特に問題が起きなければ今年中に上場するでしょう」(小林さん)

 キオクシアは、旧・東芝メモリから社名変更した会社だ。

 「キオクシアは、もともと『2019年中』にIPOする予定していたのを『2020年3月まで』に延期していましたが、今年に入って再度IPOの延期を決め、『今夏以降の上場を目指す』と報道されました。それでも、順当に行けば『2020年中』には上場すると思います。公開規模としては大きめのIPOになりますが、半導体市況も回復してきたので、その流れにどこまで乗れるかが鍵だと思います」(小林さん)

 ハウステンボスも以前からIPO準備中と言われている企業だ。

 「ハウステンボスは、2019年12月、エイチ・アイ・エス(9603)と役員を兼務していた澤田秀雄氏が会長を退任。これはIPOを見越して、経営の独立性を確保するための動きだと思われます」(小林さん)

 これらの銘柄は、2020年に新規上場する可能性がかなり高いと思われる。その他、多少確度は落ちるものの、IPOが期待できる銘柄として以下の銘柄が挙げられた。

スマートニュース:ニュースメディアを運営
ビズリーチ:転職サイト「ビズリーチ」などを運営
スパイバー:合成クモ糸繊維の開発が注目されるバイオベンチャー
プリファードネットワークス:AIベンチャー
ダイソー:100円ショップを全国に展開
ストライプインターナショナル:「アースミュージック&エコロジー」などのブランドを展開するアパレル企業
USJ(ユー・エス・ジェイ):テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営
ZNP:自動運転技術の研究・開発

 これらの銘柄が新規上場することで、2020年のIPO市場が盛り上がることを期待したい。

2019年の主幹事数ランキングでは、大和証券が躍進!
取扱数では楽天証券と松井証券が健闘する

 IPOは、前述の通り、初値で売るだけで90%近くの勝率が期待できる非常に魅力的な投資法だが、弱点は申し込んでもなかなか当選しないこと。そのため、いかに当選確率を上げるかがIPO投資のキモとなる。

 IPOの当選確率を上げる最も簡単かつ効果的な方法は、できるだけ多くの証券会社から申し込むことだ。しかし、投資資金にも限りがあるので、実際はできるだけ当選確率の高い証券会社を選んで申し込むことが大切となる。

 IPOで最も当選する確率が高いのは、なんと言っても主幹事証券だ。銘柄にもよるが、公募・売出される株式数のうち、90%近くが主幹事証券に割り当てられることも珍しくない。その分、主幹事証券からIPOに申し込んだ人の当選確率が高くなるのだ。
【※IPOの当選確率についての詳細記事はこちら!】
IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

 そこで、2019年に主幹事証券を務めた証券会社をランキング形式でまとめたのが下の表だ。

■2019年・IPO主幹事数ランキング
順位 証券会社名 主幹事数
(前年実績)
IPO取扱数
(前年実績)
口座開設
1位 大和証券 22社
(13社)
43社
(31社)
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2位 SMBC日興証券 20社
(21社)
61社
(66社)
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3位 野村證券 17社
(23社)
35社
(37社)
野村證券の公式サイトはこちら!
4位 みずほ証券 13社
(24社)
54社
(69社)
 
5位 SBI証券 7社
(11社)
82社
(86社)
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6位 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 5社
(6社)
26社
(23社)
 
7位 東海東京証券 4社
(1社)
27社
(20社)
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8位 エイチエス証券 2社
(0社)
10社
(8社)
 
9位 いちよし証券 1社
(1社)
33社
(30社)
 
9位 藍澤証券 1社
(1社)
7社
(14社)
 
9位 メリルリンチ証券 1社
(0社)
1社
(0社)
 
 ※ザイ・オンライン調べ。取扱数は委託幹事を含む

 2019年は、前年に主幹事数で1位と2位だったみずほ証券と野村證券が件数を減らし、代わりに大和証券が躍進した。野村證券は、東京証券取引所の市場区分見直しに関する内部情報を社員が漏洩した件で、2019年5月に金融庁から業務改善命令を受けたが、主幹事数が減ったのはその影響もあると思われる。

 上位5社の主幹事数を合計すると79社で、全86社のうち90%以上を占めていることがわかる。IPO投資に力を入れるのであれば、上位5社の口座は開設しておきたいところだ

 一方、IPOの取扱数を見ると、2018年同様、SBI証券が82社とダントツ。全86件中の82件なので、95%以上のIPOを取り扱ったことになる。つまり、とりあえずSBI証券の口座を持っていれば、ほとんどのIPOに申し込むことができるのだ

 「SBI証券は主幹事数も7社あり、ネット証券の中ではもっともIPOに力を入れています。IPO参加者が非常に多いため、個人投資家へのリーチを考えると上場する企業や主幹事証券としては、幹事証券としてSBI証券を噛ませたいという思惑が働きます。それがSBI証券の強さと言えるでしょう」(小林さん)

 主幹事は努めていないものの、IPOの取扱数が多かった主な証券会社は以下の通りだ。

■2019年・主幹事はないがIPO取扱数の多い主な証券会社
証券会社名 IPO取扱数(前年実績) 口座開設
マネックス証券 45社(50社)
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岩井コスモ証券 36社(34社)
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岡三オンライン証券 35社(45社)
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楽天証券 26社(11社)
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松井証券 21社(9社)
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 ※ザイ・オンライン調べ。取扱数は委託幹事を含む

 注目は、楽天証券松井証券が取扱数を伸ばしていること。ネット証券の競争が激化している中、個人投資家に人気の高いIPOにも力を入れ始めたのだろう。2020年は、さらに取り扱い数を伸ばすことを期待したい。

 なお、少しでも当選確率を上げるために複数の証券会社からIPOに申し込みたい人にとって便利なのが、ブックビルディング申込時に資金が必要のない証券会社だ。

 一般的な証券会社では、ブックビルディングに申し込む時点で、証券口座に購入資金ば入っていなければならないため、資金量によって申し込める件数が決まってしまう。また、ブックビルディングを申し込む証券会社に、その都度資金を移動するのも面倒だ。

 しかし、野村證券松井証券岡三オンライン証券などは、ブックビルディング申込時ではなく、当選後の購入申込時までに購入資金があればOK。つまり、資金のことを一切気にすることなく、気軽にIPOに申し込むことができる
【※資金がなくてもIPOに申し込める証券会社について、詳細記事はこちら!】
IPOの当選確率を上げるための「証券会社の選び方」と「申し込む優先順位」を解説! IPOの当選確率を上げるには「資金繰り」と「抽選配分」をチェックしよう!

 ブックビルディング申込時に資金が必要のない主な証券会社は、以下の通り。IPO投資の効率を上げたいのであれば、ぜひ口座開設を検討してみよう。

■ブックビルディング申し込み時に資金が必要ない主な証券会社
証券会社名 申込時の入金 2019年IPO取扱数(前年実績) 口座開設
岡三オンライン証券 不要 35社(45社)
公式サイトはこちら!
野村證券 不要 35社(37社)
公式サイトはこちら!
楽天証券 不要※1 26社(11社)
公式サイトはこちら!
松井証券 不要 21社(9社)
公式サイトはこちら!
ライブスター証券 不要 5社(4社)
公式サイトはこちら!
GMOクリック証券 不要 0社(1社)
公式サイトはこちら!
 ※ザイ・オンライン調べ。取扱数は委託幹事を含む。※1 ブックビルディング申し込み時に、買付金額相当の預かり資産(保有株式など)があれば、口座に資金がなくても申込可能。

 以上、今回は2019年を振り返りつつ、2020年のIPO市場の見通しと新規上場しそうな銘柄を解説してもらった。

 IPO投資は、冒頭でも書いたように、当選さえすれば利益の出る可能性が高い非常に魅力的な投資だ。もちろん損失が出る可能性はゼロではないが、一般的な株式投資に比べるとその確率は非常に低く、また、IPOの申し込み自体には手数料も一切かからない。ダメ元でもチャレンジしてみる価値は十分にあるだろう。

 実際に新規上場が発表されたIPO銘柄の情報は、できるだけ早く以下の記事に掲載するので、2020年にIPO投資にチャレンジしようと考えている人は、ぜひ参考にして欲しい。
【※最新のIPOスケジュールはこちら!】
【2020年版】IPOスケジュール&取り扱い証券会社の最新情報を更新中!

【※IPOの関連記事はこちら!】
IPOの当選確率を上げるための「証券会社の選び方」と「申し込む優先順位」を解説! IPOの当選確率を上げるには「資金繰り」と「抽選配分」をチェックしよう!

IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

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