IPO株の攻略&裏ワザ情報!

2020年にIPOが予想されるのは「スカイマーク」や
「ハウステンボス」! 2020年のIPO市場の予測と、
初値騰落率など「2019年IPOランキング」も発表!

2020年1月19日公開(2020年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
印刷向け表示

 2020年に入り、早くもコーユーレンティア(7081)ジモティー(7082)と2つのIPOが予定されているが、IPO投資を行う個人投資家にとって、2020年のIPO市場の動向は気になるところだろう。
【※最新のIPOスケジュールはこちら!】
【2020年版】IPOスケジュール&取り扱い証券会社の最新情報を更新中!

 そこで今回、投資情報サービス会社・フィスコで長年IPO銘柄の分析を行っている小林大純(こばやし・ひろずみ)さんに、2019年のIPO市場を総括してもらうとともに、2020年のIPO市場の動向を分析し、今年IPOが期待できる銘柄をズバリ予想してもらった。

2019年は、初値の勝率こそ88%と例年通り高かったが、
昨年のように初値で大きく跳ねる銘柄は少なめ

 まずは、2019年のIPO市場を振り返ってみよう。昨年IPOした銘柄数は、2017年、2018年より少し減って86件だった。この件数は、「大体、1年前に予想した通りの件数」と小林さんは言う。

 「上場したい企業はそれなりにあるのですが、証券会社や監査法人などのキャパシティ的に、現状では年間90銘柄前後がIPOの上限だと思います」(小林さん)

 次に、「初値の勝率」と「初値騰落率の平均」を見てみよう。

■公開価格に対する初値の勝率(2015年以降)
上場年 初値>
公開価格
初値=
公開価格
初値<
公開価格
合計 勝率 初値騰落率の平均
2015年 82 2 8 92 89.1% 87.5%
2016年 67 1 15 83 80.7% 71.4%
2017年 82 0 8 90 91.1% 112.4%
2018年 80 1 9 90 88.9% 104.9%
2019年 76 1 9 86 88.4% 74.8%
 ※ 各銘柄の初値騰落率の相加平均。

 2019年は、全86銘柄中、初値が公開価格を上回ったのは76銘柄で、勝率は88.4%。初値騰落率の平均は74.8%だった。

 つまり、単純に言ってしまえば、「IPOに当たりさえすれば、初値で売るだけで88%の確率で儲かり、平均すると投資額の7割以上もの利益を手にできた」ということ。投資に関する知識や経験が必要なく、リスクがほとんどない状態で簡単に大きな利益を得られる投資法はIPO投資以外にありえないだろう
【※IPO投資の魅力についての詳細記事はこちら!】
「IPO投資」は、株初心者でも“勝率87%”を実現可能な投資術!「IPO投資」ができる“仕組み”さえ作れれば、機械的な売買をするだけで短期間で儲かるのが魅力!

 ただ、直近3年のデータを比較すると、2019年は勝率こそ平均レベルだったものの、初値騰落率の平均は2017年、2018年が100%超だったのに比べると30〜40%程度低かったことがわかる。

 「前年のHEROZ(4382)のように初値が大きく飛ぶ銘柄が少なかったのが、2019年のIPOの特徴のひとつです。その結果、勝率は例年並みなのに、初値騰落率の平均は低めになってしまいました」(小林さん)

 試しに、2018年と2019年の初値騰落率の上位5銘柄を比較したのが下の表だ。初値騰落率が+988.9%まで高騰したHEROZは別格としても、2019年の初値騰落率が全体的に低いことがわかる。

■2019年と2018年の初値騰落率トップ5の比較※初値の公開価格に対する騰落率を比較
2019年 順位 2018年
騰落率 銘柄 騰落率 銘柄
ウィルズ(4482) +372.4% 1位 HEROZ(4382) +988.9%
サーバーワークス(4434) +276.6% 2位 アジャイルメディア・ネットワーク(6573) +415.7%
AI inside(4488) +250.0% 3位 ビープラッツ(4381) +354.5%
Welby(4438) +246.7% 4位 Mマート(4380) +333.9%
スポーツフィールド(7080) +211.4% 5位 ジェイテックコーポレーション(3446) +331.1%

 「2019年のIPOの全体的な傾向としては、まず、前年のソフトバンク(9434)メルカリ(4385)のような公開規模(吸収金額)が1000億円を超える超大型案件がなかったことが挙げられます。最も公開規模が大きかったSansan(4443)ですら351.9億円でした。また、マザーズ市場に上場した銘柄が全銘柄86件中65件と多く、東証一部に新規上場したのは、日本国土開発(1887)の1銘柄しかなかったことも特徴的です」(小林さん)

 新規上場の市場が偏ったのは、「東証の市場再編の影響ではないかと言われている」とのことだ。
【※東証の市場再編についての関連記事はこちら!】
「東証1部の上場基準見直し」で注目度が高まる銘柄はコレだ!「1部昇格」や「1部維持」を目指す銘柄を、時価総額やROEなどによるスクリーニングで探そう!

 「その一方で、マザーズ市場へのIPOとしては大型の案件が多く、公開規模が100億円超の銘柄も少なくありませんでした。公開規模が大きいと需給が引き締まらず、どうしても初値が飛びにくくなります。このことが、2019年の初値騰落率の平均を引き下げる要因のひとつになったのだと思います。ただ、公開規模が大きい銘柄は公開株式数が多い分IPOに当たりやすいので、一概にデメリットとは言えません」(小林さん)
【※IPOの当選確率についての詳細記事はこちら!】
IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

 初値騰落率の平均が下がったもうひとつの要因は、「初値の段階で、投資家が過度な上値追いを控えたこと」だと小林さんは言う。

 「前年の2018年は初値で3倍高、4倍高の銘柄が数多く出る一方で、上場後に株価が急落して7割以上下落した銘柄がいくつも出たため、投資家の警戒感が強まりました。それでも相場全体が好調であればよかったのですが、2019年は日経平均株価が堅調だったのに比べ、マザーズ指数はそれほど強くありませんでした。そうした状況から、初値の過熱に投資家サイドが慎重になったのだと思います」(小林さん)

 ちなみに、初値が高騰した場合、騰落率は+130%前後に収まることが多いと言う。

 「初日の気配値の上限が公開価格+130%なので、ここがひとつの目安として意識されやすく、『これ以上の高値で買うと危ないな』という警戒ムードの基準にもなります。その結果、その辺で初値形成されることが多くなります」(小林さん)

 もうひとつ、2019年のIPOに関するトピックとして、ソフトバンクも出資している米国のWeWork(ウィワーク)の評価額が秋口になって大きく下がったことで、グロース企業(成長企業)の評価見直しの流れが出てきたと小林さんは言う。

 「WeWorkの評価額が当初の約5兆円から約2兆円まで大きく引き下げられ、米国では『将来性を買われるグロース企業の評価額は果たして妥当なのか?』というのが大きな話題となり、その流れが日本にも波及しました。グロース企業は、赤字段階や黒字転換直後に上場することがありますが、そうなると予想PERを元に株価を算定することができません。そういう銘柄の妥当な株価はいくらなのか、という議論が、WeWorkをきっかけに出てきたのです。9月上場のChatwork(4448)や10月上場のBASE(4477)が、比較的注目度が高かったにもかかわらず初値公募割れしてしまったのは、その影響もあったと思います」(小林さん)

2019年の初値騰落率トップはウィルズ(4482)の+372.4%
最下位は大英産業(2974)の-12.5%

 次に、2019年のIPOの初値騰落率トップ10とワースト10の銘柄を見てみよう。

■2019年・IPO初値騰落率トップ10 ※初値の公開価格に対する騰落率を比較
順位 騰落率 銘柄
(コード)
公開規模
(円)
上場日 最新株価
1位 +372.4% ウィルズ
(東M・4482)
3.5億  12/17
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
2位 +276.6% サーバーワークス
(東M・4434)
17.7億  3/13
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
3位 +250.0% AI inside
(東M・4488)
20.7億 12/25
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
4位 +246.7% Welby
(東M・4438)
9.7億 3/29
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
5位 +211.4% スポーツフィールド
(東M・7080)
8.2億 12/26
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
6位 +209.5% ハウテレビジョン
(東M・7064)
4.4億 4/24
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
7位 +177.3% ブランディングテクノロジー
(東M・7067)
2.7億 6/21
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
8位 +175.8% バルテス
(東M・4442)
7.9億 5/30
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
9位 +164.0% セルソース
(東M・4880)
12.6億 10/28
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
10位 +155.5% パワーソリューションズ
(東M・4450)
6.6億  4/25
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
■2019年・IPO初値騰落率ワースト10 ※初値の公開価格に対する騰落率を比較
順位 騰落率 銘柄
(コード)
公開規模
(円)
上場日 最新株価
1位 -12.5% 大英産業
(福証・2974)
6.8億 6/4
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
2位 -7.5% Chatwork
(東M・4448)
156.4億 9/24
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
3位 -7.0% ステムリム
(東M・4599)
108.0億 8/9
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
4位 -6.9% BASE
(東M・4477)
253.2億 10/25
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
5位 -6.6% SREホールディングス
(東M・2980)
136.7億 12/19
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
6位 -6.0% HPCシステムズ
(東M・6597)
63.7億 9/26
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
7位 -2.3% メドレー
(東M・4480)
205.7億 12/12
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
8位 -2.1% KHC
(東2・1451)
15.0億 3/19
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
9位 -0.2% ダブルエー
(東M・7683)
48.5億 11/1
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら
10位 0.0% ツクルバ
(東M・2978)
45.1億  7/31
最新株価チャート(SBI証券サイトへ移動します)はこちら

 「初値騰落率が最も高かったウィルズ(4482)は、公開規模が約3.3億円と小さかったことが初値が跳ねた一番の要因だと思います。また、株主優待プラットフォームの『プレミアム優待俱楽部』が軌道に乗ったのが個人投資家の関心につながった部分もあるでしょう。ただ、買い一巡後の株価下落がきつく、人気過熱だった感は否めないですね」(小林さん)

 初値が高騰するとその後の株価が下がりやすいのは、IPO銘柄の宿命とも言える。それでも、中には9位のセルソース(4880)のように、初値で高騰し、その後も順調に値上がりしている銘柄もある。

 「セルソースは、初値も上場後のセカンダリーも成功という珍しい例です。ここは、再生医療製品をつくっているバイオベンチャーなのですが、渋谷に細胞の培養施設を持っているユニークな会社です。家賃は高いのですが、アクセスを考えると地方より渋谷に工場を建てたほうがいい、という判断のようです。社長が商社出身ということもありビジネスモデルがよく練られており、バイオベンチャーなのに初年度から黒字計上しています」(小林さん)

 一方、初値騰落率のワースト1位は大英産業(2974)だった。

 「大英産業の初値が奮わなかったのは、業種が不動産業、福証単独上場、さらに公開規模が6.8億円と地方市場としては規模が大きかったことが重なった結果だと思います」(小林さん)

 その他、ランキングには入らなかったものの印象に残ったIPO銘柄として、公開規模が334億円と2019年2番目の大型案件ながら初値騰落率+25.0%をつけたフリー(4478)、公開規模が352億円と1番の大型案件ながら初値公募割れせず、上場後も株価が堅調に推移しているSansan(4443)、初値は+16.6%とそこまで上がらなかったものの上場後のセカンダリーで大きく株価上昇したブシロード(7803)などの名前が挙がった。

2020年のIPO市況は、まずまず良好な環境が継続!
「カーブスホールディングス」のIPOに注目が集まる

 ここまで2019年のIPO市場を振り返ってきたが、では、2020年のIPO市場はどうなるだろうか?

 「まず、2020年のIPO件数について、市場関係者の間では『減りそう』という声もありますが、上場準備に入っていると思われる企業もそれなりにあるので、減ったとしてもそこまで大きな減少にはならないと思います。IPO株が盛り上がるかどうかですが、ここから米国と中国が揉め始めるなど不測の事態がない限り、日経平均株価はさらに一段上を狙っていく水準だと思われます。また、ずっと低調だったマザーズ市場にも資金が回帰してくると見ています。なので、2018年ほどの跳ね方はしないものの、2020年のIPO市況はまずまず良好な環境が続くと思います」(小林さん)

 2020年に新規上場が期待できる企業としては、まず、カーブスホールディングスの名前が挙がってきた。

 「カーブスホールディングスは、フィットネスジムの『カーブス』を運営する企業で、現在はコシダカホールディングス(2157)の子会社です。そのコシダカホールディングスが、2019年10月、保有するカーブスホールディングスの全株式を株主に分配してグループから切り離す(スピンオフする)ことを発表しました。切り離したカーブスホールディングスの株は、2020年3月にも上場して売買できるようにする、とのことです。『カーブス』の知名度もさることながら、日本初の『スピンオフ上場』として注目を集めることは間違いないでしょう」(小林さん)

 その他、知名度の高い銘柄としては、スカイマークキオクシアハウステンボスの新規上場が期待できると言う。

 「スカイマークは、2019年10月25日に東京証券取引所に再上場の申請を行ったことを発表しました。業績も持ち直していますし、特に問題が起きなければ今年中に上場するでしょう」(小林さん)

 キオクシアは、旧・東芝メモリから社名変更した会社だ。

 「キオクシアは、もともと『2019年中』にIPOする予定していたのを『2020年3月まで』に延期していましたが、今年に入って再度IPOの延期を決め、『今夏以降の上場を目指す』と報道されました。それでも、順当に行けば『2020年中』には上場すると思います。公開規模としては大きめのIPOになりますが、半導体市況も回復してきたので、その流れにどこまで乗れるかが鍵だと思います」(小林さん)

 ハウステンボスも以前からIPO準備中と言われている企業だ。

 「ハウステンボスは、2019年12月、エイチ・アイ・エス(9603)と役員を兼務していた澤田秀雄氏が会長を退任。これはIPOを見越して、経営の独立性を確保するための動きだと思われます」(小林さん)

 これらの銘柄は、2020年に新規上場する可能性がかなり高いと思われる。その他、多少確度は落ちるものの、IPOが期待できる銘柄として以下の銘柄が挙げられた。

スマートニュース:ニュースメディアを運営
ビズリーチ:転職サイト「ビズリーチ」などを運営
スパイバー:合成クモ糸繊維の開発が注目されるバイオベンチャー
プリファードネットワークス:AIベンチャー
ダイソー:100円ショップを全国に展開
ストライプインターナショナル:「アースミュージック&エコロジー」などのブランドを展開するアパレル企業
USJ(ユー・エス・ジェイ):テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営
ZNP:自動運転技術の研究・開発

 これらの銘柄が新規上場することで、2020年のIPO市場が盛り上がることを期待したい。

2019年の主幹事数ランキングでは、大和証券が躍進!
取扱数では楽天証券と松井証券が健闘する

 IPOは、前述の通り、初値で売るだけで90%近くの勝率が期待できる非常に魅力的な投資法だが、弱点は申し込んでもなかなか当選しないこと。そのため、いかに当選確率を上げるかがIPO投資のキモとなる。

 IPOの当選確率を上げる最も簡単かつ効果的な方法は、できるだけ多くの証券会社から申し込むことだ。しかし、投資資金にも限りがあるので、実際はできるだけ当選確率の高い証券会社を選んで申し込むことが大切となる。

 IPOで最も当選する確率が高いのは、なんと言っても主幹事証券だ。銘柄にもよるが、公募・売出される株式数のうち、90%近くが主幹事証券に割り当てられることも珍しくない。その分、主幹事証券からIPOに申し込んだ人の当選確率が高くなるのだ。
【※IPOの当選確率についての詳細記事はこちら!】
IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

 そこで、2019年に主幹事証券を務めた証券会社をランキング形式でまとめたのが下の表だ。

■2019年・IPO主幹事数ランキング
順位 証券会社名 主幹事数
(前年実績)
IPO取扱数
(前年実績)
口座開設
1位 大和証券 22社
(13社)
43社
(31社)
公式サイトはこちら!
2位 SMBC日興証券 20社
(21社)
61社
(66社)
公式サイトはこちら!
3位 野村證券 17社
(23社)
35社
(37社)
野村證券の公式サイトはこちら!
4位 みずほ証券 13社
(24社)
54社
(69社)
 
5位 SBI証券 7社
(11社)
82社
(86社)
公式サイトはこちら!
6位 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 5社
(6社)
26社
(23社)
 
7位 東海東京証券 4社
(1社)
27社
(20社)
公式サイトはこちら!
8位 エイチエス証券 2社
(0社)
10社
(8社)
 
9位 いちよし証券 1社
(1社)
33社
(30社)
 
9位 藍澤証券 1社
(1社)
7社
(14社)
 
9位 メリルリンチ証券 1社
(0社)
1社
(0社)
 
 ※ザイ・オンライン調べ。取扱数は委託幹事を含む

 2019年は、前年に主幹事数で1位と2位だったみずほ証券と野村證券が件数を減らし、代わりに大和証券が躍進した。野村證券は、東京証券取引所の市場区分見直しに関する内部情報を社員が漏洩した件で、2019年5月に金融庁から業務改善命令を受けたが、主幹事数が減ったのはその影響もあると思われる。

 上位5社の主幹事数を合計すると79社で、全86社のうち90%以上を占めていることがわかる。IPO投資に力を入れるのであれば、上位5社の口座は開設しておきたいところだ

 一方、IPOの取扱数を見ると、2018年同様、SBI証券が82社とダントツ。全86件中の82件なので、95%以上のIPOを取り扱ったことになる。つまり、とりあえずSBI証券の口座を持っていれば、ほとんどのIPOに申し込むことができるのだ

 「SBI証券は主幹事数も7社あり、ネット証券の中ではもっともIPOに力を入れています。IPO参加者が非常に多いため、個人投資家へのリーチを考えると上場する企業や主幹事証券としては、幹事証券としてSBI証券を噛ませたいという思惑が働きます。それがSBI証券の強さと言えるでしょう」(小林さん)

 主幹事は努めていないものの、IPOの取扱数が多かった主な証券会社は以下の通りだ。

■2019年・主幹事はないがIPO取扱数の多い主な証券会社
証券会社名 IPO取扱数(前年実績) 口座開設
マネックス証券 45社(50社)
公式サイトはこちら!
岩井コスモ証券 36社(34社)
公式サイトはこちら!
岡三オンライン証券 35社(45社)
公式サイトはこちら!
楽天証券 26社(11社)
公式サイトはこちら!
松井証券 21社(9社)
公式サイトはこちら!
 ※ザイ・オンライン調べ。取扱数は委託幹事を含む

 注目は、楽天証券松井証券が取扱数を伸ばしていること。ネット証券の競争が激化している中、個人投資家に人気の高いIPOにも力を入れ始めたのだろう。2020年は、さらに取り扱い数を伸ばすことを期待したい。

 なお、少しでも当選確率を上げるために複数の証券会社からIPOに申し込みたい人にとって便利なのが、ブックビルディング申込時に資金が必要のない証券会社だ。

 一般的な証券会社では、ブックビルディングに申し込む時点で、証券口座に購入資金ば入っていなければならないため、資金量によって申し込める件数が決まってしまう。また、ブックビルディングを申し込む証券会社に、その都度資金を移動するのも面倒だ。

 しかし、野村證券松井証券岡三オンライン証券などは、ブックビルディング申込時ではなく、当選後の購入申込時までに購入資金があればOK。つまり、資金のことを一切気にすることなく、気軽にIPOに申し込むことができる
【※資金がなくてもIPOに申し込める証券会社について、詳細記事はこちら!】
IPOの当選確率を上げるための「証券会社の選び方」と「申し込む優先順位」を解説! IPOの当選確率を上げるには「資金繰り」と「抽選配分」をチェックしよう!

 ブックビルディング申込時に資金が必要のない主な証券会社は、以下の通り。IPO投資の効率を上げたいのであれば、ぜひ口座開設を検討してみよう。

■ブックビルディング申し込み時に資金が必要ない主な証券会社
証券会社名 申込時の入金 2019年IPO取扱数(前年実績) 口座開設
岡三オンライン証券 不要 35社(45社)
公式サイトはこちら!
野村證券 不要 35社(37社)
公式サイトはこちら!
楽天証券 不要※1 26社(11社)
公式サイトはこちら!
松井証券 不要 21社(9社)
公式サイトはこちら!
ライブスター証券 不要 5社(4社)
公式サイトはこちら!
GMOクリック証券 不要 0社(1社)
公式サイトはこちら!
 ※ザイ・オンライン調べ。取扱数は委託幹事を含む。※1 ブックビルディング申し込み時に、買付金額相当の預かり資産(保有株式など)があれば、口座に資金がなくても申込可能。

 以上、今回は2019年を振り返りつつ、2020年のIPO市場の見通しと新規上場しそうな銘柄を解説してもらった。

 IPO投資は、冒頭でも書いたように、当選さえすれば利益の出る可能性が高い非常に魅力的な投資だ。もちろん損失が出る可能性はゼロではないが、一般的な株式投資に比べるとその確率は非常に低く、また、IPOの申し込み自体には手数料も一切かからない。ダメ元でもチャレンジしてみる価値は十分にあるだろう。

 実際に新規上場が発表されたIPO銘柄の情報は、できるだけ早く以下の記事に掲載するので、2020年にIPO投資にチャレンジしようと考えている人は、ぜひ参考にして欲しい。
【※最新のIPOスケジュールはこちら!】
【2020年版】IPOスケジュール&取り扱い証券会社の最新情報を更新中!

【※IPOの関連記事はこちら!】
IPOの当選確率を上げるための「証券会社の選び方」と「申し込む優先順位」を解説! IPOの当選確率を上げるには「資金繰り」と「抽選配分」をチェックしよう!

IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

■「IPO株が当たらない!」という人は、まずこちらの記事へ!
⇒IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

 
IPO株(新規上場株・新規公開株)で儲ける方法!
IPO株の銘柄分析&予想
IPOスケジュール一覧[2020年]
 IPO株の攻略&裏ワザ情報!
【2020年7月1日時点】


【2020年版】本気でIPO当選を狙うなら、絶対に押さえておきたい!
IPO[主幹事]の多いおすすめ証券会社

野村證券 ⇒詳細情報ページへ
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2019 2018 2017
17社
35社
23社
37社
27社
38社
10%以上:1人1票の平等抽選 534万
【ポイント】
取り扱い数はSMBC日興証券やSBI証券より少ないものの、主幹事数は毎年トップ! 国内最大手の証券会社だけあって、「日本郵政グループ3社」「JR九州」「ソフトバンク」のような、大規模IPO案件で主幹事を務めることも多い。毎回、引受株数の10%以上が完全抽選制のオンライン口座に配分される。また、購入資金は当選後の購入申し込みまでに入金すればOKなので、口座の資金を気にせず気軽に申し込めるのは、限られた資金で運用する個人投資家にとって大きなメリット。本気でIPO投資を考えるなら、絶対に口座を開いておきたい証券会社だ。
※残あり口座数
【関連記事】
◆「IPO(新規上場)が当選しやすくなる」証券会社の選び方を伝授! 優先すべきは、当選するまで資金が不要な岡三オンライン証券、野村証券などの4社だ!
◆「野村證券が主幹事のIPOは公募割れなし」は本当? イベント投資の達人・夕凪氏が過去のデータを分析し、IPO投資に役立つ「アノマリー」を徹底検証!
◆IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!
SMBC日興証券の公式サイトはこちら
◆SMBC日興証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2019 2018 2017
20社
61社
21社
66社
13社
71社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
293万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、2019年は主幹事数で第2位! 取扱銘柄数も多く、全86社中、実に61社のIPO銘柄を取り扱った。また、日本3大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねている。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
【関連記事】
◆【SMBC日興証券のおすすめポイントは?】信用取引完全無料、NISAや積立投資にも便利な株が小分けで買える「キンカブ」がおすすめ!
◆「日経新聞」「会社四季報」を無料で読める証券会社を解説! 利用料0円ながら、紙媒体では読めない独自記事や先行情報を掲載し、記事の検索機能も充実
SMBC日興証券の公式サイトはこちら
◆大和証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2019 2018 2017
22社
43社
13社
31社
18社
41社
15%:1人1票の平等抽選
5%:「チャンス当選」
302万
【ポイント】
毎年、数多くのIPOで主幹事を務め、取扱銘柄数も多いが、特に2019年は実績数を大きく伸ばし、主幹事数では野村證券を抜いてトップだった。ネット投資家を対象とした取引量・資金量が関係しない平等抽選が、原則、個人投資家への販売予定数量の15%と高めに設定されているのもメリット。申し込みは1銘柄につき1単元のみなので、当選確率が資金量に左右されない。平等抽選の後、落選者を対象に、原則10%を「プレミアムステージ」や過去の取引実績に応じて当選確率が変わる「チャンス抽選」で販売(※2)
※残あり口座数
【関連記事】
◆【証券会社比較】大和証券の「現物手数料」「信用取引コスト」から「取扱商品」、さらには「最新のキャンペーン情報」まで、まとめて紹介!
大和証券の公式サイトはこちら
◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2019 2018 2017
7社
82社
11社
87社
8社
83社
70%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジ
ポイント」順に配分
463万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2019年は全86社中82社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、大半のIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。
【関連記事】
◆【SBI証券の特徴とおすすめポイントを解説!】株式投資の売買手数料の安さは業界トップクラス! IPOや米国株、夜間取引など、商品・サービスも充実
◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社!
SBI証券の公式サイトはこちら
◆東海東京証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2019 2018 2017
4社
27社
1社
20社
3社
11社
10%:1単元1票の平等抽選 32万
【ポイント】
準大手証券会社の東海東京証券は、大手証券会社には届かないものの多くのIPO銘柄を扱っており、主幹事も毎年数社で務めている。東海東京証券への割当が2000単元未満の場合は、取引実績に応じて当選確率がアップする「IPO個人優遇ステージ」を適用した抽選となるが、その場合でも、取引実績が最低ランクの投資家に10%が配分され、その中で平等抽選が行われる。
【関連記事】
◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社!
東海東京証券の公式サイトはこちら
※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2019年3月末時点。
注目の証券会社!

【SMBC日興証券】
IPO取扱数がトップクラスで主幹事数も多い!
2019年には61社のIPO取扱実績数を誇る
おすすめ証券会社!関連記事はこちら

IPO株の取扱数が毎年トップクラスのSMBC日興証券公式サイトはこちら!

No.1のSBI證券公式サイトはこちら!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2020年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2020年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは? 高いスペック&ステータスを徹底解説!アメリカン・エキスプレスおすすめ比較 おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 LINE証券で口座開設+クイズに正解すれば無料で3株ゲット! 資金ゼロで株主になれる! 初株チャンスキャンペーン実施中! LINE証券の詳細はこちら! SBI証券の公式サイトはこちら! 最強のマイル系クレジットカードはこれだ!専門家2人がおすすめするクレジットカード ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ!
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 最強のマイル系クレジットカードはこれだ!専門家2人がおすすめするクレジットカード SBI証券の公式サイトはこちら! ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ! LINE証券で口座開設+クイズに正解すれば無料で3株ゲット! 資金ゼロで株主になれる! 初株チャンスキャンペーン実施中! LINE証券の詳細はこちら!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

人気の株500激辛診断
急落で勝てるワザ
儲かる株の見つけ方

8月号6月19日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!


[人気株&米国株の激辛診断]

2020年夏版
人気の株500+Jリート14の激辛診断
ザイ独自の業績予想にも注目!!

儲かる株の見つけ方
・[1]旬の3大テーマから見つける!
今期会社予想が増収増益の株
コロナ対策が追い風の株
逆境の中でも高値で年初来高値の株
・[2]5大ランキング[3]セクター別
●2020年夏のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株371銘柄/新興株銘柄/Jリート10銘柄

●初心者から上級者まで急落で勝てるワザ38
・【Prologue】もはやバブル!?
第2のショックに備えろ!

・【Part1】
普段から守るべき基本ワザ16
・【Part2】トレンドを察知するチャートワザ・10
・【Part3】損失を小さくするヘッジワザ12

●新型コロナで割安度が一変!
上場全3772銘柄の最新理論株価

●アフターコロナで勝てるのは?
2020年夏版・人気米国株100激辛診断
・NASDAQ高成長株35

ネットフリックスやマイクロソフトが買い!
・NYSE国際優良株65
コカ・コーラやP&Gが買い!

成功サラリーマンに聞く「投信積立」Q&A
・ー最初の3ステップ!設定マニュアル付き

●自腹でガチンコ投資!
AKB48株ガチバトルサード・シーズン
「オイシイ株はまだ残ってますか?」編
●株入門マンガ恋する株式相場!
VOL.46 「コロナの勝ち組企業を探せ」
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「子どもが激怒!?甘いシニア婚の甘くない現実」
●月イチで健全度&利回りの変化をチェック!
人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ

【別冊付録】
もしもでも役立つふるさと納税
・コロナで闘う人たちにエール
・防災グッズ
・少額返礼品

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2020】 クレジットカードの専門家が選んだ 2020年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 山本潤の超成長株投資の真髄で、成長株投資をはじめよう!(ザイ投資戦略メルマガ)

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報