2021年10月に新規上場した「IPO株」全4銘柄の中から、アナリストが今後の値動きを「強気」と予想した「ワンキャリア」について詳しく解説!
ダイヤモンド・ザイ2022年1月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるフィスコの小林大純さんが、2021年10月に新規上場した「IPO株」全4銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。今回はその中で小林さんが最も注目している銘柄を詳しく紹介!
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2021年10月に新規上場した「IPO株」は全部で4銘柄!
取引は活発ではなく、なかには初値が公開価格割れの銘柄も!
10月の新規上場は4社と少なかった。通常、こうしたときは各IPO銘柄に資金が集中して、活況となりやすいのだが、初値上昇率はトップのCINC(4378)でも、プラス28%にとどまった。PHCホールディングス(6523)に至っては公開価格割れで、取引が活発だったとはいいがたい。
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初値後の値動きもさえない。CINCを除く3銘柄が、公開価格を下回る推移だ(※2021年11月4日時点)。理由としては「全般に公募・売出規模が比較的大きめで、株式需給面での株価押し上げが期待できなかった」(フィスコ・小林大純さん)ことがある。
また、PHCホールディングス以外は本決算が9月~12月期であることも影響している。PERは2021年9月~12月期の予想業績がベースで、この先の成長期待が織り込まれておらず、指標面での割安感が薄かったためだ。
もっとも、「いずれの銘柄もここまでの株価が軟調なぶん、足元が底値に近く、今後の上昇には期待が持てます」と小林さん。特に、業績成長率の高いワンキャリア(4377)やCINCは注目だ。
2021年10月の【IPO株】4銘柄の投資判断は? |
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上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (11/4) |
PER (PBR) |
今後1年の 高値予想 (安値予想) |
投資判断 |
7日 | ◆ワンキャリア(4377・東M) | |||||
2090円 | 2500円 (+19.6%) |
2019円 | 53.3倍 (33.16倍) |
3500円 (1800円) |
強気 | |
【分析コメント】就活・転職サイトを運営。蓄積したキャリアデータが強み。採用活動のDX支援も行う。顧客企業は順調に増加しており、なお開拓の余地大。 | ||||||
8日 | ◆日本エコシステム(9249・東2) | |||||
2120円 | 2200円 (+3.8%) |
1945円 | 10.1倍 (2.78倍) |
2600円 (1800円) |
中立 | |
【分析コメント】公営競技場のシステムや設備、高速道路など交通インフラの保守、排水浄化剤などの環境事業を展開。21年9月期はインフラ関連が好調だったが、22年9月期は伸びが一服しそう。 | ||||||
14日 | ◆PHCホールディングス(6523・東1) | |||||
3250円 | 3120円 (-4.0%) |
2747円 | 25.0倍 (2.83倍) |
4000円 (2500円) |
中立 | |
【分析コメント】旧パナソニックヘルスケア。各種医療機器の開発・製造・販売を行う。直近ではコロナワクチン用冷凍庫も。22年3月期の業績は堅調の予想だが、株価の割安感が乏しい。 | ||||||
26日 | ◆CINC(4378・東M) | |||||
3080円 | 3950円 (+28.2%) |
3320円 | 98.7倍 (32.31倍) |
5000円 (2800円) |
強気 | |
【分析コメント】デジタルマーケティング用の調査・分析ツール、コンサル。 21年10月期予想ベースではPERが高めだが、業績トレンドは良好で、次期の見通しを受けての株価再上昇に期待できる。 | ||||||
※データは2021年11月4日時点。 |
アナリストが注目したのは「強気」診断の「ワンキャリア」!
コロナ禍でも高成長を続け、今後も業績拡大に期待!
ここからは、2021年10月に新規上場した4銘柄の中で、小林さんが特に注目しているワンキャリアを詳しく紹介していこう。
ワンキャリアは就活・転職サイトを運営する企業。蓄積したキャリアデータが強みで、採用活動のDX支援も行う。顧客企業は順調に増加しており、なお開拓の余地は大きい。年4割近い売上成長が続き、利益率も向上。PERは類似の高成長企業と比べ、高すぎる感はない。株価上昇のきっかけ待ちだが上値余地は十分だ。
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【2024年11月1日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |