【今回のまとめ】
1.アップルの決算は予想を少し下回った
2.来期以降のガイダンスの低さに投資家が驚いた
3.コンセンサス予想はスルスル下がっている
4.驚異の高成長の時代は過去のものに
5.株価評価は割安
6.目先は売られ過ぎているので窓を取りに行くかも
アップルの決算は、予想を若干下回っただけなのに…
アップル(ティッカー:AAPL)の株価は、1月23日(水)引け後に発表された第1四半期(12月期)決算に失望し、その翌日から週末にかけて15%近く急落しました。
今回の決算の一体どこがいけなかったのかを、見ていくことにします。
発表された決算の内容は、事前の予想を若干下回るものでした。
・EPS(1株当り利益):予想13.42ドル、結果13.81ドル
・売上高:予想547.4億ドル、結果545億ドル
EPSは一見すると予想よりよかったように見えますが、先週の記事で書いたように、直近の期待を示すウィスパー・ナンバー(=ささやき数字)は14ドルでしたので、それには届きませんでした。売上高も予想を若干下回りました。
また、全体のグロスマージン(売上総利益)は38.6%で、事前のアナリストの予想とピッタリ一致しました。注目されたiPhoneの平均販売単価は約640ドルで、前期とほとんど変わりませんでした。
なお、この平均販売単価は、消費者がiPhoneを買うときに最初に払う金額とは限りません。それはキャリア、つまり電話会社が実質的に月々の電話代にiPhoneの購入コストを上乗せすることで、購入時に消費者が払う見かけ上の価格が抑えられているからです。
一方、iPadの平均販売単価は、前期の535ドルから今期は467ドルへ下がりました。これは今期、iPad miniが本格的に売上げに立ってきたことが平均の数字を押し下げたことによります。
次に、販売台数を点検します。
・iPhone:予想4800万台 → 結果4780万台
・iPad: 予想2200万台 → 結果2290万台
・Mac: 予想 500万台 → 結果 410万台
iPhoneの販売台数は予想をわずかに下回っています。その半面、iPadは予想を上回りました。Macの販売台数が予想を下回っているのが、特に目をひきます。これは一部に部品不足の問題があり、それが出荷の遅れを招いたためだと説明されています。この問題は現在では解決されています。
ここまでをまとめると、内容的にはそれほど大きなミスではなかったということです。
それではなぜ、アップル株は大きく下落したのでしょうか?
アップル自身の“弱気”が投資家を失望させた
なぜ、アップル株は今回の決算を発表した翌日から週末にかけて、大きく下落したのでしょうか。
その理由は、「今後の見通し」に関して、経営陣が弱気だったからです。
・第2四半期売上高:予想459.4億ドル、新ガイダンス420億ドル(中央値)
・第2四半期グロスマージン:予想40%、新ガイダンス38%(中央値)
なお、上で(中央値)とあるのは、アップルが今回からガイダンス(次の四半期の会社側予想)の予想レンジを示す方法に変更したので、一本値の予想数字との比較がしやすいようにその中央値を示しているからです。
アップルは昔から「ガイダンスがコンサーバティブ(保守的)な会社だ」という評判があります。それはもっとくだけた言い方に直すと、八百長野球のように、わざと思いっきり少なめの数字を示すことでハードルを下げ、楽勝で予想を達成できるようにしていたということです。
しかし今回の決算からは、そのようなどんぶり式のガイダンスの出し方をやめ「会社側が本当にこうなるだろうと考えている数字を素直に出してゆく」と発表されました。
そこでもう一度上の第2四半期ガイダンスを見てほしいのですが、予想に比べて新ガイダンスが低いこと自体は、昔となんら変わりません。ただ今回からは本音ベースで低い数字が示されたので、投資家が驚いたのです。
マーケットの評価はすでに「普通の会社」
この決算発表を受けて、今年のアップルのコンセンサスEPS予想は決算発表前の48ドル台から一気に44.93ドルに下がりました。

アップルの過去5年間のEPS成長率は年率平均64.5%でした。しかし上のグラフからもわかるように、その驚異的な成長率が今、限りなくゼロに近づこうとしているのです。言い方を変えれば、アップルは「普通の会社」になろうとしているのです。
現在のアップルの株価は今年のEPSに基づいて9.8倍程度のPER(株価収益率)で取引されています。これは極端な悲観を織り込んだ数字だと思います。
”ジョブスの魔法”が切れる前に…
アップルは今回を含めて直近3回の決算発表で、連続して市場の期待を裏切りました。このことは軽視されるべきではありません。本格的に出直るには、時間がかかる展開になることが懸念されます。
ただ、短期的にはかなり売られ過ぎになっているので、「デッド・キャット・バウンス(=自然反発→死んだ猫でも地面に叩き付けると跳ねかえるので、生きているように見えるというところからくる表現です)」が期待できます。
先週の下落の際、窓を開けているので、とりあえずはその前の安値、つまり483ドルに戻る可能性があります。ただし「アップルの経営陣が業績を立て直すまで、付き合っていられない」という短期志向の投資家であれば、この窓埋めが完了した時点でサヨナラするというやり方があると思います。
逆に、日柄(ひがら=長期に渡る、時間)がかかっても構わないという根気強い投資家は、今が1つのエントリー・ポイント(買いチャンス)だと思います。但し、その場合でも、来期以降の決算発表でまたぞろ落胆すべき数字をアップルが出すようなら、この会社はそろそろスティーブ・ジョブズの魔法が切れかかっているのですから、長居は無用となります。
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