鼻詰まりに抗ロイコトリエン薬
重症以上には抗体医薬も

 4位のモンテルカストナトリウム(製品名:シングレア、キプレスなど)と9位のプランルカスト水和物(製品名:オノンなど)はいずれも抗ロイコトリエン薬。このタイプは鼻粘膜の炎症を引き起こす化学伝達物質であるロイコトリエンの働きを阻害することで鼻粘膜の血流を改善し、特に鼻詰まりに効果がある。

 5位、7位、8位にはステロイド薬がランクインした。点鼻のステロイド薬はくしゃみ、鼻水、鼻詰まりに等しく効果がある。点眼薬は抗ヒスタミン薬や、抗原と反応してアレルギー反応を起こす肥満細胞からの化学伝達物質の放出を抑制する化学伝達物質遊離抑制薬が中心で、点眼のステロイド薬は症状が重いときに使用する。ステロイドの飲み薬は効果が高いものの、副作用のリスクも高いため、使用は慎重に、短期間にとどめたい。

 重症以上のケースでは、注射剤である抗IgE抗体「ゾレア」(一般名:オマリズマブ)も新たに治療の選択肢に加わった。これはアレルギー反応を元から抑える抗体医薬で、ヒスタミンやロイコトリエンなどが出てくる手前で、アレルギーの原因物質とくっつくIgE抗体が肥満細胞と結合するのをブロックする。

根本的に治すなら
アレルゲン免疫療法

 アレルギーを根本的に治したいのであれば、アレルゲン免疫療法は2~3年かけて治せる可能性がある。原因となっている抗原のエキスを注射や舌下から体に入れる治療法である。

 各治療法については「鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版」のエッセンスをまとめた「アレルギー性鼻炎ガイド 2021年版」が分かりやすくて参考になる。

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