企業が出す配当の元になるのは、「毎期の利益」と「これまでに貯めてきた現金」の2つがある。どちらが重要かと言えば、毎期の利益の中から配当を出し、その額が増えていく方がいいのは言うまでもない。そこで、今回は今発売中のダイヤモンド・ザイ7月号の大特集「長期で持つほど儲かる!サラリーマンにも年金生活者にもオススメの年々配当が増える高配当株48」の中から3銘柄を紹介しよう。
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減配しにくく増配期待のある高配当株選びは
製造業や資源関連の株を避けるのが鉄則!
増配を期待しつつ、減配リスクが低い高配当株を選ぶにはどうすればいいのか。楽天証券経済研究所所長の窪田真之さんは、売上げに対して利益率が高い株を選ぶべきだという。
「利益率が低い銘柄の場合、不況になると赤字になりやすく、それだけ減配・無配のリスクが高まります。利益率の高さは非常に大切です」(窪田さん)
また、医薬、陸運、倉庫・運輸、情報・通信、小売り、銀行、サービスなど、いわゆる内需関連がいいという。
「今の日本経済の構造を見ると、製造業が不安定になっており、サービス業が安定しています」(窪田さん)
世界的に見ても、モノが売れない時代になってしまい、製造業だけでなく、それを支える設備投資関連もダメージを受けている。
さらに、原油価格の下落に代表される資源バブルが弾けたことで、エネルギーや商社、鉄鋼、化学といった業種も冴えない状況となっている。こうした業種は景気敏感株ともいわれ、好不況で配当の原資となる利益の額が大幅に変わることが多いので、いくら今の配当利回りが高くても、避けたほうが無難なのだ。

利益率が高く内需が中心。この2つの条件の中から、選りすぐった減配リスクが低い増配中の高配当利回り株を紹介しよう。
マイナス金利の影響で売られすぎている銀行株だが、メガバンクはマイナス金利の影響を受けない海外事業を展開しており、将来にわたって高配当が維持でき、増配する可能性も高い。
中でも三井住友フィナンシャルグループ(8326)が「最も経営がうまい」(窪田さん)のでオススメだ(※株価は5月9日現在。「配当伸び率」は、2期分の伸び率の平均。以下同じ)。
また製造業は不安定といったが、医薬品は、「実態は医療というサービスを提供する」(窪田さん)産業で、製品の性格上、景気の変動を受けにくく、配当が維持しやすい。
そこで選ばれたのが医薬品大手の高配当利回り株から4期連続で増配中のアステラス製薬(4503)。
さらに、窪田さんは今回は個別では紹介しなかったが、60円配当を続け(2016年3月期は記念配10円を付加)配当利回りがより高い(2.65%)、第一三共(4568)にも注目している。
最後に通信のイチオシはNTTドコモ(9437)だ。2015年12月末時点での契約純増数は大手3社で最も多く、2016年3月期は増収増益。今期の増配も発表。これで3年連続の増配となる。
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