米国株式市場は第1四半期決算発表シーズンに突入!
iQOSの売上鈍化のフィリップモリスや、決算控える
アップルに悪材料出るも、全体的には好調な滑り出し
米国株式市場は、決算発表シーズンに突入!
米国株式市場は4月13日(金)のJPモルガン・チェース(ティッカーシンボル:JPM)を皮切りとして、2018年第1四半期の決算発表シーズンに突入しています。
これまでのところS&P500指数に採用されている企業のうち、17%が決算発表を終えています。決算発表した企業のうち80%がEPSで事前のコンセンサス予想を上回りました。また売上高では72%がコンセンサス予想を上回りました。つまり今期も米国企業の決算は好調な滑り出しなのです。
懸念されたクレジットカード・ローンの焦げ付きの問題は?
今回の決算シーズンでひとつの見どころは、このところのロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の上昇でクレジットカード金利も上昇が見込まれている折、クレジットカード・ローンの延滞が起きるのではないか? という点でした。
これに対する各行のコメントは「延滞率の上昇はシーズニング(=時間経過)による自然増で想定内だ」というものでした。つまり、消費者が借金の返済に困り始めている兆候は見られませんでした。
アップル、フィリップモリスなど個別では懸念材料も
このように全体的には良いスタートを切った今回の決算発表シーズンですが、個別では懸念もあります。
まず「台湾セミコンダクター(ティッカーシンボル:TSM)」が、EPS予想3.48台湾ドルに対し3.46台湾ドル、売上高予想2509億台湾ドルに対し2481億台湾ドルと、EPS、売上高ともにコンセンサス予想を下回る悪い決算を出しました。
同社はその理由として同社にとって最も重要なコミュニケーション向けチップの売上高が前期比で-19%落ち込んだことを指摘しました。
このコミュニケーション売上高の中にはスマートフォン向け半導体が含まれており、その売上はクリスマス商戦期間の前後に増えるという季節性があります。そのため、前期比の数字が落ち込むのは仕方ないことですが、それにしても今回は落ち込みが激しかったし、今後の見通しも不透明な印象を受けました。
これを受けて金曜日にはカナコード・ジェニュイティー証券が3月期の「アップル(ティッカーシンボル:AAPL)」のiPhoneの販売台数予想をこれまでの5310万台から4800万台へ、6月期の予想をこれまでの4370万台から3940万台へと下方修正しました。
さらに「『アップル』がiPhone Xの販売を打ち切るのではないか?」というぼんやりとした噂がウォール街を駆け巡っています。「アップル」の決算発表は5月1日(火)でコンセンサスEPS予想は2.69ドル、売上高予想は611億ドルです。
もうひとつ、先週の市場のセンチメントを悪くした材料として、「フィリップモリス・インターナショナル(ティッカーシンボル:PM)」の決算で日本市場における加熱式タバコiQOS(アイコス)の売上が鈍化していることが判明した点が挙げられます。
加熱式タバコは同社の成長戦略にとって重要な商品であり、日本市場は世界に先駆けてそれが導入された関係で世界がその動向に注目しています。iQOSは若者を中心に、これまで順調に売上を伸ばしてきたのですが、ここへきて50歳以上のシニア世代がなかなかiQOSを試そうとしないという壁にぶち当たっているようです。
今週は決算発表のピークを迎える
先週はこのように「アップル」と「フィリップモリス・インターナショナル」の悪材料で市場参加者のセンチメントが暗転しました。しかし決算発表シーズンはこれからが本番です。
今週は以下のような銘柄が決算発表します。
◆2018年4月23日~27日に決算発表を迎える主な米国株 | |||
発表日 | EPS予想 | 売上高予想 | 最新の株価 |
◆アルファベット(GOOG) | |||
4月23日(月)引け後 | 9.28ドル | 302.9億ドル | |
◆キャタピラー(CAT) | |||
4月24日(火)寄付き前 | 2.09ドル | 120.6億ドル | |
◆ボーイング(BA) | |||
4月25日(水)寄付き前 | 2.57ドル | 211.1億ドル | |
◆AT&T(T) | |||
4月25日(水)引け後 | 0.88ドル | 393.5億ドル | |
◆フェイスブック(FB) | |||
4月25日(水)引け後 | 1.35 | 114.3億ドル | |
◆ビザ(V) | |||
4月25日(水)引け後 | 1.01ル | 48.2億ドル | |
◆アマゾン(AMZN) | |||
4月26日(木)引け後 | 1.29ドル | 499.5億ドル | |
◆インテル(INTC) | |||
4月26日(木)引け後 | 0.72ドル | 150.6億ドル | |
◆マイクロソフト(MSFT) | |||
4月26日(木)引け後 | 0.85ドル | 257.8億ドル | |
◆スターバックス(SBUX) | |||
4月26日(木)引け後 | 0.53ドル | 59.4億ドル |
【今週のまとめ】
2018年第1四半期の決算発表は全体的に好調!
重要な企業の発表が続々と控える、今週の動向に注目!
2018年第1四半期の決算発表シーズンがはじまりました。これまでのところ好調な滑り出しです。懸念されたクレジットカート・ローンの焦げ付きの問題は今のところ心配なさそうです。スマートフォンの売れ行きに対する懸念、加熱式タバコの売上成長鈍化など個別では問題が散見されるものの全体としては心配には及びません。今週は重要な企業の決算が続々と出るのでそれらに注目したいと思います。
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