つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2020年]
2019年11月9日 頼藤 太希

「つみたてNISA」で積立投資できる「投資信託」とは
そもそも何か? 今さら聞けない「投資信託の仕組み、
分類、選び方」などの基本をFPがわかりやすく解説!

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

「つみたてNISA」(積立NISA)は、投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度。この連載では、「つみたてNISA」の特徴を紹介しています。

 「つみたてNISA」では、“毎月”や“毎日”など頻度を決めて、コツコツと積立投資を行います。「つみたてNISA」で選べる投資先は主に「投資信託」です。現在、日本の証券会社や銀行などで購入できる「投資信託」は6000本以上もあります。「つみたてNISA」には、そのうち173本の投資信託(うち7本は「ETF(上場投資信託)」)がラインナップされていて、173本の中から好きな投資信託を選んで積立投資するわけです。

 「つみたてNISA」で選べる173本の投資信託は、いずれも金融庁の厳しい条件をクリアした投資信託です。今回は、「投資信託の基本」と、「投資信託の分類の仕方」「投資信託の選び方のポイント」を紹介します。「つみたてNISA」でどの投資信託を選べばいいのかを考える参考にしてください。
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「投資信託」は“プロが選んだ金融商品の詰め合わせ”
ひとつでたくさんの投資先に分散投資できる!

 まずは、「投資信託」とはどんなものかを押さえておきましょう。

 「投資信託」は、投資家から集めたお金を、運用の専門家(ファンドマネージャー)がいろいろな資産(株とか債券とか……)に投資してくれる金融商品です。投資家は運用がうまくいけば利益を得られますが、運用がうまくいかなければ損をすることもあります。

 投資家から集めたお金をどの資産に投資するかは、投資信託ごとに異なります。ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、その投資信託の運用方針や市場の動きなどを踏まえて、投資先を決めています。

 通常、ひとつの投資信託は数十から数百もの投資先に投資します。仮に、個人が数十から数百もの投資先に投資をしようとすると、手間もお金もかかって大変です。でも、投資信託を利用すれば、投資信託をひとつ買うだけで、数十から数百もの投資先に分散投資したのと同じような効果を得られるのです。
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 なお、株式市場で、株のように取引される投資信託を「ETF(上場投資信託)」といいます。投資信託の場合、価格(基準価額)は1日1回しか変わりませんが、ETFの場合は、株と同じように、株式市場が開いている間は頻繁に価格が変動します。そこで、値動きを見て指値をする(価格を指定して購入する)など、よりタイミングを計った取引ができます。

 2019年11月1日現在、「つみたてNISA」で購入できる173本のうち、投資信託は166本、「ETF(上場投資信託)」は7本となっています。

投資信託は“3つの分類”を押さえておけばヨシ!
「国」「投資する資産」「運用方法」の違いに注目

 投資信託にはいろいろな分類の仕方があるのですが、あまり細かく考えすぎても、かえってややこしくなってしまいます。そこでここでは、わかりやすい投資信託の分類を3つ、紹介します。

◆投資信託の分類①:「投資する国」の違い


 まずは「投資する国の違い」で分類してみましょう。

  •  ●日本国内の資産に投資する投資信託 …… 国内型
  •  ●先進国の資産に投資する投資信託 …… 先進国型
  •  ●新興国の資産に投資する投資信託 …… 新興国型


 これはもう見ての通りですね。国内型は日本だけ、先進国型は主に北米やヨーロッパ諸国、新興国型は主にアジアや中南米などに投資する投資信託です。また、国内・海外問わず、世界中の資産に投資する投資信託もあります。

◆投資信託の分類②:「投資する資産」の違い


 次に、「投資する資産」の違いで分類してみます。

  •  ●株式に投資する投資信託 …… 株式型
  •  ●債券に投資する投資信託 …… 債券型
  •  ●不動産に投資する投資信託 …… 不動産投資信託(REIT・リート)
  •  ●複数の資産に投資する投資信託 …… バランス型


 こちらも、そのままなのでわかりやすいかと思います。先に紹介した国による分類と合わせて、たとえば「国内株式型」「先進国債券型」などと呼ばれることもあります。

 「つみたてNISA」で選べる投資信託は「株式型」と「バランス型」のみです。「債券型」と「不動産投資信託」は、今のところ「つみたてNISA」のラインナップにはありません。そこで、「つみたてNISA」で債券や不動産に投資したい場合は、債券や不動産を含む複数の資産に投資する「バランス型」の投資信託を買うことで、「つみたてNISA」でも債券や不動産に投資可能です。

◆投資信託の分類③:「運用方法」の違い


 最後に、「運用方法」の違いです。

  •  ●日経平均株価などの「指標」と同じ値動きを目指す
     …… インデックス型(パッシブ型)
  •  ●「指標」を上回る値動きを目指す、または「指標」を設けず絶対収益を目指す
     …… アクティブ型


「指標」とは、市場全体の大まかな動向を数字で表したものです。たとえば、国内株式型であれば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの指標があります。「インデックス型」の投資信託はそういった、指標と同じような値動きになることを目指して運用する投資信託です。

 「インデックス型」は、市場全体に分散投資できるというメリットがあります。また、指標に連動して運用するので、機械的な運用ができることから、信託報酬(※後述)などの運用コストが低いのが特徴です。
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 それに対し、一般的な「アクティブ型」の投資信託は、指標以上の成果を残そうとします。つまり、値上がりするときには指標以上の利益を目指し、値下がりするときには指標ほど値下がりしないように努力するのです。また、基準となる指標を設定せずに絶対リターンを目標にしているファンドもあります。

 「アクティブ型」は「インデックス型」と異なり、ファンドマネージャーが個別の会社を分析したり、市場を分析したりして、有望な会社や業種、国などを選んで投資します。そのため、「インデックス型」と比べてリサーチのコストやファンドマネージャーの報酬などが多くかかるので、信託報酬などの運用コストが高めなのが一般的です。
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 信託報酬などの運用コストが高くても、運用成績がよければいいという考え方もありますが、過去のデータを見ると、目標とする指標を上回る成績を長期的に上げられている「アクティブ型」の投資信託はごくわずかなようです。運用が長期になるほど、信託報酬などの運用コストは運用成績に大きな影響を与えます。そのため、運用コストが低い「インデックス型」を選んでおいたほうが無難といえるでしょう。

「つみたてNISA」で買うべき投資信託は
3つのチェックポイントで選ぼう!

 さて、投資信託の基本がわかったところで、では、「つみたてNISA」で運用する投資信託はどのように選べばいいのでしょうか。それには、3つのチェックポイントがあります。

【「つみたてNISA」の投資信託選びのポイント①】
どのくらいの「リスク」と「リターン」が欲しいかを考える


「リスク」というと、なんだか危なそうに感じるかもしれません。しかし、投資の世界での「リスク」とは、「得られる収益のブレ幅」という意味です。つまり、ただ危ないという意味ではなく、「リスクが高い」というのは「ブレ幅が大きい」ということ、「リスクが低い」というのは「ブレ幅が小さい」ということなのです。

 「リスク」と「リターン」は表裏一体、比例の関係にあります。「ハイリスク・ハイリターン」などと言うとおり、リスクが高いほどリターンも大きくなる可能性があります。価格が上にブレる場合も下にブレる場合もブレ幅が大きくなるのが「ハイリスク・ハイリターン」。逆に、価格が上にブレる場合も下にブレる場合もブレ幅が小さいのが「ローリスク・ローリターン」です。「ローリスク・ハイリターン」などというものはないのです。

 それだけに、自分がどの程度のリターンが欲しいのか、どの程度のリスクなら許容できるのか(どの程度なら損をしても受け入れられるのか)を意識して投資信託を選ぶ必要があります。

 「投資する国」や「投資する資産」とリスクとリターンの関係は以下のようなイメージです。

 なお、複数の国や複数の資産に投資する「バランス型」の投資信託の場合は、それぞれの国や資産のリスク・リターンを平均した程度のリスク・リターンになると考えていただければと思います。

 投資信託の実際のリスクやリターンは、細かな要素が絡み合って、投資信託ごとに異なります。そこで、上の表はあくまでイメージですが、ローリスク・ローリターンの安定志向の人ならば「国内の比率が高くて、債券の比率が高い投資信託」、ハイリスク・ハイリターンの積極志向の人なら「海外の比率が高くて、株式の比率が高い投資信託」を選ぶというように、絞り込むことができるでしょう。

 もちろん、「つみたてNISA」では、複数の投資信託に積立投資することもできます。どういう組み合わせ方をしたらいいか(ポートフォリオ)については、別の記事で紹介したいと思います。
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【「つみたてNISA」の投資信託選びのポイント②】
“3つの手数料”のうち「信託報酬」を意識しよう


 投資信託には、買うときに必要な「販売手数料」、保有中に必要な「信託報酬」、売るときに必要な「信託財産留保額」の3つの手数料がかかります。とはいえ、「つみたてNISA」の場合、販売手数料は無料で、信託財産留保額もそれほどかからない(無料の場合もある)ので、販売手数料と信託財産留保額についてはほとんど意識する必要はありません。

 しかし、「信託報酬」はぜひ意識してほしい手数料です。何しろ信託報酬は投資信託を保有している間ずっとかかりますから、たとえ年0.2〜0.3%程度の違いでも、投資期間が20年近くになれば大きな差となるのです。同じような国・投資先に投資しているのであれば、少しでも信託報酬が安い投資信託を選ぶのがベターです。

【「つみたてNISA」の投資信託選びのポイント③】
まずは「インデックス型」でスタートするのがおすすめ!


 先ほどの「アクティブ型」の説明を見て、「なんだか儲かりそう」と思われた方もいるでしょう。しかし、「アクティブ型」は信託報酬が「インデックス型」に比べて高いため、運用成績が指標よりも相当大きく上ぶれない限り、最終的な運用益で「インデックス型」に勝つことはできません。運用コストの高さをカバーする成績をずっと出し続けられるならばいいのですが、それは至難のワザ。ですから、まずは運用コストの安い「インデックス型」の投資信託で「つみたてNISA」をスタートすることをおすすめします。
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 「つみたてNISA」は長期間、じっくりと取り組む投資です。ときには投資信託が値下がりしてしまうこともあるでしょう。値下がりしたときに慌てないためには、自分の取れるリスクを考え、信託報酬などの手数料がなるべく安く、長期間持っていられる投資信託を選ぶことが大切です。今回の基本を踏まえて、どの投資信託を選ぶか、ぜひ考えてみてください。

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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintechなどに関する執筆・監修、書籍、講演などマネーリテラシー向上に努めている。著書は『投資信託 勝ちたいならこの7本!』『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』 『入門仮想通貨のしくみ』『つみたてNISAでお金は勝手に増えていく』など多数。