世界投資へのパスポート
【第305回】 2014年3月3日 広瀬 隆雄

ウクライナ情勢が世界経済に与える影響とは?
「有事のドル買い」は今回肩透かしの可能性も

 また先週欧州委員会が発表した欧州景気予想(EEF)ではドイツの力強い内需が、今後のドイツ経済の成長の担い手となってゆくというシナリオが描かれていました。


 ドイツ人はアメリカ人と違って、消費が不得意です。そのドイツ人がこれから気前よく財布のヒモをゆるめると予想される理由は、雇用が安定しており、さらにここ数年、着実に賃金が上がっているからです。


 このように賃金が着実に上がっている時に、ECBが必要以上の緩和を行う事は、ブンデスバンク(ドイツ中銀)から猛反発を喰うと予想されます。

各通貨への影響

 結論的にはウクライナ情勢でリスクオフになった場合でも一部投資家が願っているような臨時的な緩和はECBからは出て来ないというのが私のシナリオです。その場合、ユーロは欧州各国経済の基礎的要件(ファンダメンタルズ)の改善を反映し、ユーロ高になると予想します。

 また今回の記事ではスペースの都合で言及できませんでしたが、イギリス経済もドイツと歩調を合わせるかのように尻上がりに良くなっています。このことからポンドも強くなると思われます。

 ウクライナ情勢を嫌気して投資家のリスク姿勢が後退した場合、円は買われると思います。

 そして、いまここに挙げた各通貨の動きの反動として、ドルは安くなると思います。

 つまり「有事のドル買い」は肩透かしを喰うというのが私のシナリオなのです。