IPO株の攻略&裏ワザ情報!

2022年4月に新規上場した「IPO株」9銘柄の中で、株価上昇に期待の2銘柄! AI技術支援の「セカンドサイトアナリティカ」、ツイキャスの「モイ」に注目!

2022年5月26日公開(2022年10月12日更新)
ザイ・オンライン編集部
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2022年4月に新規上場したIPO株9銘柄の中で、アナリストが「強気」と診断したセカンドサイトアナリティカモイをチェック!

ダイヤモンド・ザイ7月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるフィスコの小林大純さんが、2022年4月に新規上場した「IPO株」全9銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。今回はその中で小林さんが注目している2銘柄を詳しく紹介!
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4月に新規上場した「IPO株」は全部で9銘柄!
全体相場が冴えないなか、投資家の物色がIPOに向かった!

 2022年4月は9社が新規上場。ただし、2月・3月に続いて、上場中止になった銘柄も一つあった。市場環境が依然として不安定なことから、特に公募・売出規模が大きめのIPOは出てきづらい状況だ。

 3月中旬からリバウンドしていたマザーズ指数は、4月にまた下落。「全体の調整はある程度、進んでいるのですが、まだ一波乱あると思います。米国の金利もさらに上がりそうで、グロース(成長)株の苦境は変わりありません」(フィスコの小林大純さん)

 一方で、4月上場銘柄の初値は好調だった。公開価格比は9社平均で+80%(ちなみに3月は平均+16%)。東証新市場で最初のIPOとなったセカンドサイトアナリティカ(5028)の初値は、公募価格比で2倍超。サークレイス(5029)に至っては3倍超をつけた。

 好調の要因は、テック系で小型IPOという、初値への期待の高まりやすい銘柄が多かったこともあるが、個人投資家の活発な取引が押し上げた面が強い。全体に相場環境が冴えないなかで、チャンスを求める投資家の物色がIPO銘柄に向かったようだ。

 初値が好調だった銘柄も「機関投資家の買いはほとんど入っていない」と小林さんは指摘する。つまり、今の新興株市場は個人投資家が主要なプレーヤーだ。「ただ、株価指標を意識しない買いが見られるのは気掛かりです」

 実際に、物色が一巡すると急失速する銘柄も多かった。成長期待の高い株でも、株価が上がりすぎていないか見極めたい。良い銘柄なら押し目を狙うのが得策だ。

 「株価がまだ過熱気味のものもあります。上場後の高値から、半値くらいまでは調整する可能性がある。高成長のIT企業でも、少なくともPER40倍前後くらいまで落ち着いてから買ったほうがいいでしょう」

 公開価格も注目ポイントだ。「強気すぎるものとそうでないものに、二極化している感があります。事業内容などから、その企業を“どう捉えるか”も重要です」

 一例として、不動産クラウドファンディングなどを手掛けるクリアル(2998)は、IT株としての価格設定だったが、不動産業としてみるのが妥当とも考えられる。逆に、成熟産業として価格設定された銘柄が、市場では高成長企業と捉えられることもありうる。そのズレがチャンスになることもあるだろう。
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2022年4月の【IPO株】9銘柄を徹底診断!

上場日 公開価格 初値
(騰落率)
株価
(5/6)
PER
(PBR)
今後1年の
高値予想
(安値予想)
投資判断
4日  セカンドサイトアナリティカ(5028・東G)
1390円 3190円
(+129.5%)
2083円 52.3倍
(14.05倍)
3200円
(1500円)
強気
【分析コメント】AIを用いた分析・コンサルなど。成長期待と新市場IPO第1号のご祝儀ムードで人気化。反動安で過熱感は薄れた。
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7日  エフビー介護サービス(9220・東S)
1400円 1561円
(+11.5%)
1300円 6.6倍
(1.77倍)
1800円
(1000円)
中立
【分析コメント】福祉用具のレンタル・販売や介護施設の運営など。信越・北関東で集中展開。施設数の増加で成長期待も開設費用が先行。
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12日  サークレイス(5029・東G)
720円 2320円
(+222.2%)
1329円 41.3倍
(41.60倍)
2400円
(1000円)
強気
【分析コメント】クラウドの導入運用支援と自社開発システム提供。公開価格に割安感があり、市場拡大の期待も後押しして初値高騰。
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21日  フルハシEPO(9221・東S)
1140円 1733円
(+52.0%)
1700円 14.7倍
(4.10倍)
2200円
(1200円)
中立
【分析コメント】廃材を処理受託、木質チップとして販売。バイオマス発電事業へ参画、チップ販売拡大に期待も上場後の株価に過熱感。
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21日  ASNOVA(9223・名N)
1630円 1499円
(-8.0%)
1090円 7.7倍
(0.71倍)
1500円
(900円)
中立
【分析コメント】戸建・中低層マンション向けクサビ式足場のレンタル・販売、架払工事。需要は高まっているが物色人気に乗りづらい。
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27日  ストレージ王(2997・東G)
660円 756円
(+14.5%)
675円 9.7倍
(1.84倍)
850円
(550円)
中立
【分析コメント】トランクルーム開発や運営管理等。需要は旺盛で不動産投資としてのニーズも。ただ仮条件時の価格引下げで警戒感。
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27日  モイ(5031・東G)
470円 902円
(+91.9%)
903円 48.1倍
(12.57倍)
1300円
(700円)
強気
【分析コメント】ライブ配信アプリ「ツイキャス」を運営。知名度と成長期待から想定以上の買いを集め、需給懸念を打ち返して株価上昇。
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28日  クリアル(2998・東G)
930円 1600円
(+72.0%)
1189円 38.7倍
(5.19倍)
1600円
(750円)
中立
【分析コメント】不動産のクラウドファンディングや富裕層・機関投資家向け運用を行う。期待どおり高成長だが、公開価格がやや強気。
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28日  ペットゴー(7140・東G)
550円 1295円
(+135.5%)
878円 14.7倍
(3.62倍)
1100円
(700円)
中立
【分析コメント】動物用医薬品や食事療法食などペットヘルスケア商品をEC販売。ペットブームが追い風。ただ初値高は需給主導の面も。
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※データは2022年5月6日時点。

アナリストが特に注目する「4月のIPO株」2銘柄を詳しく分析!
「セカンドサイトアナリティカ」と「モイ」をチェック!

 ここからは、4月のIPO株の中でも、小林さんが特に注目する2銘柄を見ていこう。

 まずは、AI技術で企業のビジネスを支援するセカンドサイトアナリティカ(5028)だ。

 セカンドサイトアナリティカは機械学習を用いたデータ分析を手掛ける。たとえば、画像・音声解析や顧客の購買予測などで、企業のビジネス課題を解決。また、AIプロダクト(製品)をサブスク型で提供する事業も手掛ける。

 目下、フロー(売切り)型の分析・コンサルビジネス中心から、継続的な収益が入るストック型ビジネスのAIプロダクトへシフトを進める。株価は物色一巡後の調整で、過熱感が薄れてきた。今後は収益の成長に伴う上昇が見込めそうだ。

 なお、新生銀行が出資しており、顧客も金融業界が多いが、ほかにも協業パートナーの大手企業が多数ある。研究開発では大学・研究機関と密接に連携。技術・サービス水準の向上と成長に期待が持てる。

 続いて紹介するのは、ライブ配信「ツイキャス」を手掛けるモイ(5031)だ。

 モイはスマホやパソコンで手軽にライブ配信ができるサービス「ツイキャス」を運営。若年層を中心に利用者を拡大し、累積登録ユーザー数は2021年7月末時点で3360万人に及ぶ。

 公開価格の1.5倍でベンチャーキャピタル株主の売却制限が解除されるが、初値からこれを大きく上回った。そのため、需給懸念の後退により、取引が一段と活発化。株価指標面の割安感がやや乏しいため、押し目買いのスタンスで臨みたい。

 なお、売上と利益は順調に成長中。ユーザーがライブ配信をSNS上で拡散することで、新たなユーザーの獲得につながるモデル。また、課金率は現在3%程度といい、こちらも向上の余地が大きそうだ。
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2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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