IPO株の銘柄分析&予想

「ポーターズ」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他のクラウドサービス企業との比較や予想まで解説![2022年10月3日 情報更新]

2022年8月24日公開(2022年10月3日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 ポーターズ
市場・コード/業種 グロース・5126/情報・通信業
上場日 9月29日
申込期間(BB期間) 9月9日~9月15日
おすすめ証券会社 SBI証券マネックス証券DMM.com証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 3275円(+108.60%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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ポーターズが9月29日にIPO(新規上場)!

「ポーターズ」の公式サイトより

 ポーターズは、2022年8月24日、東京証券取引所に上場承認され、2022年9月29日にIPO(新規上場)することが決定した。

 ポーターズは2001年8月29日に設立された。人材紹介会社、労働者派遣会社、その他人材マッチングサービスに携わる企業のためのクラウド型マッチング総合管理システム「PORTERS」を提供する「HR Tech事業」を展開している。

 クラウド型の情報管理システム、ユーザー単位の月額課金制である料金体系と、それぞれの会社に応じて無料カスタマイズ可能なシステム機構の提供を行い、そのシステム機構における情報の一元管理やマッチングのための各種ツールを通じてマッチングプロセスの最適化を実現している。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

ポーターズのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 9月7
ブックビルディング(抽選申込)期間 9月9日~9月15日
公開価格決定 9月16日
購入申込期間 9月20日~9月26日
払込日 9月28日
上場日 9月29日

ポーターズのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2022年9月21日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
SBI証券
[最短翌日に取引可能]
4.3
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マネックス証券
[最短翌日に取引可能]
公式サイトはこちら!
DMM.com証券
※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 
みずほ証券(主幹事証券) 95.7  

ポーターズのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 1510円
仮条件
[予想PER(※2)
1510~1570円
11.1倍~11.5倍]
公募価格 1570円
初値 3275円
初値騰落率 +108.60%
予想トレーディングレンジ(※3) 1350~4500
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社3社の予想PER(2022年9月6日ザラバの株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【3社平均】 112.6倍
ウォンテッド<3991> 32.3倍(連)
カオナビ<4435> 253.7倍
ビジョナル<4194> 51.9倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より割安と判断できる。

ポーターズの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 155万株(予定)
公開株式数 公募5万株  売出36万株
(オーバーアロットメントによる売出6万1500株)
想定公開規模(※1) 7.1億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

ポーターズは人材マッチングサービス「PORTERS」が主力

 人材業界向けクラウドサービスを提供。HR Tech事業の単一セグメントであり、クラウドサービスである人材マッチングサービス「PORTERS」を主力事業として展開している。2021年12月期の有料稼働ID数は9,937ID。導入実績社数は2,000社。

 コロナ禍による影響を一時受けたものの日本国内の有効求人倍率は回復傾向にあるほか、企業のIT投資意欲は拡大する見込みであり、同社の事業環境は良好といえるだろう。公開規模は軽量感があり、ベンチャーキャピタル株主も見当たらないため、需給主導で初値を押し上げそうだ。

 公開規模については6~7億円台となる見込み。代表取締役社長とその資産管理会社、副社長ですべての株式を保有している。9/29は同社を含め2社が同時上場となるため、初値買い資金分散の影響は多少受けるだろう。

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ポーターズの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2018/12 863
(―)
44
(―)
32
(―)
2019/12 1,013
(17.4%)
141
221.4%
94
195.1%
2020/12 1,022
(0.9%)
150
6.2%
100
5.9%
2021/12 1,100
(7.7%)
230
53.1%
152
52.0%
2022/12予 1,260
(14.5%)
304
32.1%
211
38.2%
2022/6 2Q 611
(―)
170
(―)
111
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:136.13円/0.00円
※予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの。

ポーターズの業績コメント

 2022年12月期の業績は、売上高が前期比14.5%増の12.6億円、経常利益が同32.1%増の3.0億円と増収増益の見通しとなっている。

 同社の顧客である人材紹介会社及び労働者派遣会社の社教は、景気変動の影響により増減はあるものの、雇用環境が良好な近年においては安定的に推移している。新型コロナウイルス感染症の影響から有効求人倍率は一時的に低下したものの、IT人材を中心とした人手不足感は続いており、有料職業紹介、労働者派遣業界の需要は維持もしくは拡大傾向にある。また、有料職業紹介、労働者派遣業界におけるDX化の活用について引き続き拡大傾向にある。

 このような事業環境の下、同社の人材マッチングクラウドサービスPORTERSは堅調に有料ユーザーID数が増加し、2022年6月末時点で1万333IDとなっている。2022年12月期は1万232ID(前期比2.9%増)を見込んでいるが、上半期の解約企業を予測したうえでの見込み数となっている。PORTERSは業務システムであることから、データ移行等で長期間の移行作業が発生するため、中規模以上の顧客の解約については概ね6ヵ月前程度には把握できるという。

 なお、通期計画に対する第2四半期末時点における進捗率は、売上高6.1億円で48.5%、経常利益1.7億円で56.0%となっている。

ポーターズの詳細情報

■基本情報
所在地 東京都港区赤坂八丁目5番34号
代表者名(生年月日) 代表取締役社長 西森 康二(昭和38年10月3日生)
設立 平成13年8月29日
資本金 1000万円(令和4年8月24日現在)
従業員数 53人(令和4年7月31日現在)
事業内容 人材業界向けクラウドサービスの提供
■売上高構成比率(2021/12期 実績)
品目 金額 比率
HR Tech事業 1,100 百万円 100.0%
合計 1,100 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 KAキャピタル株式会社 75万株 50.00%
2 西森 康二 37万5000株 25.00%
2 御子柴 智美 37万5000株 25.00%
合計   150万株 100.00%
■その他情報
手取金の使途 運転資金として当社プロダクトの追加機能の開発費用や機能維持に必要な運用保守費用に充当する予定
関係会社 ※非連結子会社1社を有しているが、重要性が乏しいため記載を省略
VC売却可能分(推定) -社 -株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 -年-月-日
割当先
発行価格
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ポーターズの銘柄紹介

 同社グループは、同社及び非連結子会社の計2社で構成されている。なお、同社のセグメントは、HR Tech事業の単一セグメントである。

(1)ミッション及びビジョン

 同社は「Matching, Change your business」をミッションとして、「世界の雇用にもっとも貢献する企業になる」というビジョンを掲げ、その実現のために事業活動を行っている。「人材マッチングの最適化」は同社が創業当初から掲げている重要な経営目標である。人材市場における企業と人材のマッチングの最適化を通じて、企業が人材情報を見つけ、人材とつながり、そして、企業活動が活性化されることを同社は目指している。この実現のためのサービスとして、クラウドサービスである「PORTERS」を提供している。

(2)事業の概要

 PORTERSは人材紹介会社、労働者派遣会社、その他人材マッチングサービスに携わる企業のためのクラウド型マッチング総合管理システムである。人材マッチングサービスを提供する企業にとって「人材を求める企業」と「仕事を求める人材」のマッチングの最適化を図ることは非常に重要な要素である。このマッチングの最適化を目指すためには、双方の情報を一元管理した上で、マッチングのための情報設計、選考プロセス管理、契約・契約更新管理を行う必要がある。

 一方、人材紹介会社、労働者派遣会社等がこれらの要件を満たすために独自のシステム開発を行うことは、先行的に多額のシステム投資コストが必要となるほか、個人情報保護のための適切なシステム構築が必要であり、最適な事業環境を整える上で障害となっていた。

 このような中、同社では、人材紹介会社、労働者派遣会社、その他人材マッチングサービスの提供会社に対して、クラウド型の情報管理システム、ユーザー単位の月額課金制である料金体系と、それぞれの会社に応じて無料カスタマイズ可能なシステム機構の提供を行い、そのシステム機構における情報の一元管理やマッチングのための各種ツールを通じてマッチングプロセスの最適化を実現させている。

 同社は人材マッチングクラウドサービスであるPORTERSを1IDから利用可能なサブスクリプションモデルで提供している。利用ID数を柔軟に設定できることから、人材サービスを新たに開始する企業はもちろんのこと、事業拡大を目指す中小規模の企業、さらには業務効率化を推進する大規模な企業まで、各事業ステージにフィットするシステムとなっている。

 さらに、PORTERSを導入する企業規模やPORTERSを通じて何を実現したいかは企業によって異なることから、導入時の支援サービスの提供も行っている。具体的には、データ移行サービス、画面最適化チューニング、各種設定支援及びデータメンテナンス等を提供している。また、顧客の自社Webサイトとの間での各種情報の自動連携や、社内のシステムとの連携のためのAPI機能(※)も有料で提供している。PORTERSは人材ビジネスにおける業務プロセスの可視化、生産性向上及び業務の自動化を図るために必要となる様々な機能を備えている。

(※)API機能:Application Programming Interfaceの略。APIにより、他システムとの連携や、必要機能の追加など、顧客独自のユーザーアプリ開発を可能にすることができる。

ポーターズの投資のポイント

 コロナ禍による影響を一時受けたものの日本国内の有効求人倍率は回復傾向にあるほか、企業のIT投資意欲は拡大する見込みであり、同社の事業環境は良好といえるだろう。公開規模は軽量感があり、ベンチャーキャピタル株主も見当たらないため、需給主導で初値を押し上げそうだ。株価バリュエーションは他のHR Tech企業に比べ穏当な水準である。ただ、9/29はプログリット<9560>が同時上場予定のため、初値買い資金分散の影響は多少考慮する必要があろう。

⇒プログリット<9560>のIPO情報はこちら!

 同社グループは同社と非連結子会社であるシンガポール現地法人の計2社で構成されている。HR Tech事業の単一セグメントであり、クラウドサービスである人材マッチングサービス「PORTERS」を主力事業として展開している。1IDから利用可能なサブスクリプションモデルで提供しており、利用ID数を柔軟に設定できることから、人材サービスを新たに開始する企業はもちろんのこと、事業拡大を目指す中小規模の企業、さらには業務効率化を推進する大規模な企業まで、各事業ステージにフィットするシステムとなっている。

 2021年12月期の有料稼働ID数は9,937ID(計画数は9,751ID)。同社HPによると導入実績社数は2,000社。日本のほか、シンガポール、香港などのアジア圏やメキシコもサービスエリアとしている。今後は海外展開を本格化させ、サービス拠点の展開や現地企業等との業務提携及びマーケティング施策を実施することにより顧客拡大を進める予定である。2022年4月にAIによるスカウト代行サービス「PORTERS Assist」をリリースした。従業員は53名。

 業績面について、2022年12月期の業績は、売上高が前期比14.5%増の12.6億円、経常利益が同32.1%増の3.0億円と増収増益の見通しとなっている。売上高はPORTERSのID課金での月額利用料と有料オプションの月額利用料が含まれるリカーリング売上と、PORTERS導入時に行う要件定義やデータ移行などの導入コンサルティング費用、オプションの設定に伴う費用が含まれるスポット売上で構成されている。2022年12月期においては、リカーリング売上が12.1億円(前期比14.2%増)と見込まれており、売上高の96.1%を占める計画となっている。

 想定仮条件水準の今期予想PERは10~12倍程度で類似企業に比べても割安感がある。

 公開規模については6~7億円台となる見込み。代表取締役社長とその資産管理会社、副社長ですべての株式を保有しており、上場後も残る保有株式には180日間のロックアップがかかっている。前述のとおり、9/29は同社を含め2社が同時上場となるため、初値買い資金分散の影響は多少受けるだろう。

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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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