IPO株の銘柄分析&予想

「テクニスコ」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他の精密加工部品製造・販売企業との比較や予想まで解説![2023年8月2日 情報更新]

2023年6月21日公開(2023年8月2日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 テクニスコ
市場・コード/業種 スタンダード・2962/金属製品
上場日 7月26日
申込期間(BB期間) 7月7日~7月13日
おすすめ証券会社 DMM.com証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 914円(+63.21%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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テクニスコが7月26日にIPO(新規上場)!

「テクニスコ」の公式サイトより

 テクニスコは、2023年6月21日、東京証券取引所に上場承認され、2023年7月26日にIPO(新規上場)することが決定した。

 テクニスコは1970年2月14日に設立された。同社グループは、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場向けのヒートシンク製品、ガラス製品及びその他の精密加工部品の製造販売を行っている。製造拠点は、広島工場を中心に、中国子会社であるTECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd.の蘇州工場及びシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.のシンガポール工場を含めたグループ製造体制を構築している。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

テクニスコのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 7月5
ブックビルディング(抽選申込)期間 7月7日~7月13日
公開価格決定 7月14日
購入申込期間 7月18日~7月21日
払込日 7月25日
上場日 7月26日

テクニスコのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2023年7月7日時点。割当は変更になる場合があります)
DMM.com証券
※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 
野村證券(主幹事証券) 97.4  
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 2.6  

テクニスコのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 450
仮条件
[予想PER(※2)
510~560円
14.9倍~16.4倍]
公募価格 560円
初値 914円
初値騰落率 +63.21%
予想トレーディングレンジ(※3) 200~1200
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社4社の予想PER(2023年7月4日ザラバの株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【4社平均】 12.1倍
テクノフレックス<3449> 14.7倍(連)
古河電気<5801> 14.0倍(連)
三協立山<5932> 11.8倍(連)
日本フイルコン<5942> 8.0倍(連)

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社4社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は類似会社より若干割高と判断できる。

テクニスコの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 879万8100株(予定)
公開株式数 公募228万1000株  売出-株
(オーバーアロットメントによる売出34万2100株)
想定公開規模(※1) 11.8億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

テクニスコは精密加工部品などを製造・販売

 1970年に切削加工を行う小さな受託加工メーカーとして創業以来、「切る」のみの加工技術から、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」と技術の幅を広げてきた。現在では、5つの最先端の加工技術を独自に組み合わせて顧客の課題を解決する「クロスエッジ®Technology」を軸として、「金属部品事業」と「ガラス部品事業」を二大事業として事業展開している。

 創業50年超の金属製品メーカーのスタンダード上場案件であり、人気化することは想定しづらい。株価バリュエーションも予想PER10~15倍の水準は、金属製品メーカーとしては妥当な水準で割安感はない。

 公開規模が約13億円とやや軽量感がある水準。上場後90日間は、主要株主がロックアップの対象となっている。上場後に放出される可能性のある株式は、株式総数(自己株式を除く)に対する割合約3.7%で需給面の不安は乏しい。

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DMM.com証券 ※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 
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テクニスコの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2019/6 799
(―)
36
(―)
▲ 1
(―)
2020/6 3,342
(―)
182
(―)
131
(―)
2021/6 3,653
(9.3%)
87
(-52.0%)
▲ 490
(―)
2022/6 4,831
(32.3%)
496
(466.6%)
398
(―)
■連結業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常利益
(伸び率)
純利益
(伸び率)
2021/6 4,346
(―)
353
(―)
277
(―)
2022/6 5,480
(26.1%)
887
(150.9%)
802
(189.5%)
2023/6予 5,265
(-3.9%)
247
(-72.2%)
129
(-83.9%)
2024/6予 6,475
(23.0%)
420
(70.0%)
301
(133.3%)
2023/3 3Q 3,901
(―)
252
(―)
188
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:-円 連結:34.21円/-円
予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの

テクニスコの業績コメント

 2024年6月期の業績は、売上高が前期比23.0%増の64.7億円、経常利益が同70.0%増の4.2億円と増収増益の見通しとなっている。

 足元では、同社グループの主力製品であるレーザー機器用ヒートシンクは、中国のゼロコロナ政策と電力不足の影響で取引先工場の稼働が制限され、各社の生産調整の影響を受けたことなどにより、売上が減少した。ガラス製品の売上は、海外のライフサイエンス市場向けを中心に順調に推移し、増加した。

 生産状況については、取引先工場の生産調整の影響により広島工場の稼働がやや落ちたこと、一方今後の事業拡大に向けた人員増加や生産体制増強のための設備投資等も見込んでいるため、利益率は前年より減少となった。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間(自2022年7月1日至2023年3月31日)の業績は、売上高39億0142万9000円、営業利益2億5991万9000円、経常利益2億5258万7000円、親会社株主に帰属する四半期純利益1億8817万1000円となっている。

テクニスコの詳細情報

■基本情報
所在地 東京都品川区南品川二丁目2番15号
代表者名(生年月日) 代表取締役社長 関家 圭三(昭和40年3月21日生)
設立 昭和45年2月14日
資本金 1億円(令和5年6月21日現在)
従業員数 新規上場会社203人 連結会社322人(令和5年5月31日現在)
事業内容 精密加工部品事業(ヒートシンク製品及びガラス製品等の製造・販売)
■売上高構成比率(2022/6期 実績)
品目 金額 比率
精密加工部品事業 5,480 百万円 100.0%
合計 5,480 百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 合同会社XEホールディングス 501万8200株 77.00%
2 関家 圭三 54万1000株 8.30%
3 特定有価証券信託受託者野村信託銀行株式会社 19万株 2.92%
4 テクニスコ従業員持株会 17万5300株 2.69%
5 関家 慶一郎 8万株 1.23%
5 関家 理子 8万株 1.23%
5 特定有価証券信託受託者野村信託銀行株式会社 8万株 1.23%
5 特定有価証券信託受託者野村信託銀行株式会社 8万株 1.23%
9 三宅川 泰二 6万株 0.92%
10 吉岡 豊吉 5万株 0.77%
10 村上 友孝 5万株 0.77%
10 相原 正行 5万株 0.77%
10 平尾 誠 5万株 0.77%
合計   650万4500株 99.81%
■その他情報
手取金の使途 <1>当社広島新工場建設のための設備資金、<2>TECNISCO(SuZhou)CO.,Ltd.への投融資、<3>TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.への投融資として充当
関係会社 ・TECNISCO (SuZhou) CO.,Ltd. (連結子会社)ガラス製品の製造、販売及びヒートシンク製品の販売
・TECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd. (連結子会社)シルバーダイヤ製造及びヒートシンク製品の開発、製造、販売
VC売却可能分(推定) 株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 -年-月-日
割当先
発行価格
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テクニスコの銘柄紹介

 同社グループ(同社及び同社の関係会社)は、同社及び連結子会社2社、非連結子会社1社により構成されており、精密加工部品事業の単一セグメントを営んでいる。同社グループが製造販売する製品群は、「ヒートシンク製品」、「ガラス製品」及び「その他」に区分され、それぞれ以下のとおり。

・ヒートシンク製品

 同社グループが扱う「ヒートシンク製品」は、電子部品が機能する際に発生する熱を吸収し放熱して、性能低下や故障を防ぐことを目的とした構成部品であり、半導体レーザー向け、パワー半導体向け、MPU向け等の高機能ヒートシンク製品を提供している。

・ガラス製品

 同社グループが扱う「ガラス製品」は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの機能性を上げる構成部品で、半導体センサーなどの電子デバイスの小型化、高機能化を可能とするための付加価値を高めた「ガラス製品」が求められており、各種センサー向け、モバイル機器向け、バイオ・医療向け等の精密ガラス製品を提供している。

・その他

 各種金属材料、シリコン(Si)材料、窒化アルミニウム(AIN)や酸化アルミニウム(AI203)などのセラミック材料の加工製品を提供している。また、ガラスやセラミック加工用のダイヤモンドツールも提供している。

 同社グループは、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場向けのヒートシンク製品、ガラス製品及びその他の精密加工部品の製造販売を行っている。製造拠点は、同社の広島工場を中心に、中国子会社であるTECNISCO (SuZhou)CO.,Ltd.の蘇州工場及びシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.のシンガポール工場を含めたグループ製造体制を構築している。

 同社グループが製造販売する製品は、顧客製品の中の構成部品として組み込まれるものであり、基本的には顧客ごとの要求仕様を受託し、試作から量産までにおいて製品化していく受注生産となる。「切る」「削る」「磨く」「メタライズ(非金属の表面への金属膜化)」「接合」の加工技術を組み合わせる「クロスエッジ®Technology」を、最先端の開発や生産に活かし、顧客の要望を叶え製品化させる技術力及び実現力が、同社の強みとなる。

 一般的な専業メーカーの場合、例えば「切る」を専業とするメーカーであれば、その後に「磨く」工程や「メタライズ」といった加工工程が必要である場合、それぞれを専業とするメーカーに外注することで最終的に製品化することになる。一方で、同社グループはこれらの複数加工技術を自ら組み合わせて製品を完成させる。これにより、顧客へ、「クロスエッジ®Technology」のメリットを提供することが可能となっている。

テクニスコの投資のポイント

 創業50年超の金属製品メーカーのスタンダード上場案件であり、人気化することは想定しづらい。株価バリュエーションも予想PER10~15倍の水準は、金属製品メーカーとしては妥当な水準で割安感はない。ただし、公開規模は13億円とやや軽量感がある。7/26日には、睡眠解析技術を通じた健康状態推移予測AIの開発を手掛けるエコナビスタ〈5585〉がグロース市場へ同時に上場する予定で、市場の関心は分散しそうだ。

⇒エコナビスタ〈5585〉のIPO情報はこちら!

 1970年に切削加工を行う小さな受託加工メーカーとして創業以来、「切る」のみの加工技術から、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」と次々に技術の幅を広げてきた。現在では、5つの最先端の加工技術を独自に組み合わせて顧客の課題を解決する「クロスエッジ®Technology」を軸として、「金属部品事業」と「ガラス部品事業」を二大事業として事業展開している。

 そのほか、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場向けに幅広くヒートシンク製品、ガラス製品などの製造販売を行う。同社製品は顧客製品の中の構成部品として組み込まれるものであり、基本的には顧客ごとの要求仕様を受託し、試作から量産までにおいて製品化していく受注生産の方式をとっている。

 2024年6月期の業績は、売上高が前期比23.0%増の64.7億円、経常利益が同70.0%増の4.2億円と増収増益の見通し。足元では、同社グループの主力製品であるレーザー機器用ヒートシンクは、中国のゼロコロナ政策と電力不足の影響で取引先工場の稼働が制限され、各社の生産調整の影響を受けたことなどにより、売上が減少した。

 一方、ガラス製品の売上は、海外のライフサイエンス市場向けを中心に順調に推移し、増加。生産状況は、取引先工場の生産調整の影響により広島工場の稼働がやや落ちたこと、一方今後の事業拡大に向けた人員増加や生産体制増強のための設備投資等も見込んでおり、利益率は前年より減少した。

 公開規模が約13億円とやや軽量感がある水準。上場後90日間は、合同会社XEホールディングスなどの主要株主がロックアップの対象となっている。上場後に放出される可能性のある株式は、株式総数(自己株式を除く)に対する割合約3.7%で需給面の不安は乏しい。

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2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
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