2023年7月に新規上場した「IPO株」10銘柄のうち、アナリストが「強気」と評価した「エコナビスタ」と「Laboro.AI」に注目!
ダイヤモンド・ザイ10月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんが、2023年7月に新規上場した「IPO株」全10銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。
今回は、その中でも小林さんが特に注目している2銘柄をピックアップしているので、投資の参考にしてほしい!
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2023年7月に新規上場した「IPO株」は全部で10銘柄!
金利上昇などの逆風が吹くが、利益成長が見込める銘柄は狙い目!
7月は10社が新規上場したが、上場中止も2社あった。公開価格に対する初値騰落率は、平均で見ると+76%と堅調。ただ、銘柄ごとの格差が大きい。航空機エンジン部品ベンチャーとして話題のAeroEdge(7409)が、公開価格の約3.5倍の初値を付けた一方、トライト(9164)など公募・売出規模の大きいものを中心に、4銘柄の初値が公開価格割れとなっている。
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さらに「抽選に当たれば、どんなIPO株でも儲けられる」という考え方も、通用しなくなった。少なくとも大型IPOに関しては、初値で確実に利益を取れる状況ではない。また、現値が公開価格を下回る銘柄も散見される。
「6月にかけての相場上昇が、強気の公開価格設定につながった面もありそうです。当面は、公開価格の妥当性に対して警戒感が強まるかもしれません。『公開価格割れだから割安だ』と思って買うと、痛い目に遭う可能性があります」(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さん)
日銀の金融政策の変更は、新興株やIPO株にも影響してくる。金利上昇が逆風となることに加えて「信用取引を使って膨らんできた個人投資家の取引も、縮小は免れない」と、小林さんは指摘する。とはいえ、IPO株すべてが落ち込むわけではない。
「AI関連などはいまだ人気が高く、PERが100倍、200倍といった銘柄も出ています。成長性が大きければ、それでも許容されます。今後の業績拡大が見込める銘柄が、狙い目であることに変わりはありません」
ちなみに、7月上場のIPO株の中で小林さんが「強気」と投資診断したのは5銘柄で、全体の半分にあたる。前述したような人気AI関連株なども含まれるので、チェックしてみてほしい。
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2023年7月の【IPO株】で「強気」と診断された5銘柄! |
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上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (8/5) |
PER (PBR) |
今後1年の 高値予想 (安値予想) |
投資判断 |
7日 | ◆グリッド(5582・東G) | |||||
2140円 | 6400円 (+199.1%) |
4140円 | 98.3倍 (15.68倍) |
6000円 (3500円) |
強気 | |
【分析コメント】電力・物流など社会インフラ分野に、AIを用いた計画最適化システムを提供。30%の売上成長と利益率の向上を目指す。利益拡大による株価上昇の余地あり。 | ||||||
21日 | ◆ナレルグループ(9163・東G) | |||||
2690円 | 2540円 (-5.6%) |
2631円 | 14.9倍 (2.07倍) |
3400円 (2200円) |
強気 | |
【分析コメント】建設現場に技術者を派遣。ITなどに派遣領域を拡大、人材紹介サービス、建設ICTコンサルへの展開も。公開規模は大きいが、業績堅調で株価に割高感はない。 | ||||||
26日 | ◆テクニスコ(2962・東S) | |||||
560円 | 914円 (+63.2%) |
612円 | 41.7倍 (1.49倍) |
1000円 (500円) |
強気 | |
【分析コメント】元ディスコ子会社で同社の技術を活かし、半導体レーザー装置用ヒートシンクなどを提供。中国向けが多い。利益回復の局面にあり、先端分野での活躍も期待。 | ||||||
26日 | ◆エコナビスタ(5585・東G) | |||||
1300円 | 3300円 (+153.8%) |
3205円 | 71.2倍 (14.21倍) |
4500円 (2700円) |
強気 | |
【分析コメント】介護施設向けにクラウド型見守りシステムを提供。家庭向けも東京・稲城市で採用、東京ガスと協働で本格展開を図る。エムスリーによる公開株取得も話題に。 | ||||||
31日 | ◆Laboro.AI(5586・東G) | |||||
580円 | 1195円 (+106.0%) |
1212円 | 172.9倍 (15.50倍) |
2000円 (900円) |
強気 | |
【分析コメント】企業にカスタムAIを提供。AIとビジネスコンサルに長けた独自の専門人材が強み。PERは非常に高いが売上が急伸、2024年9月期の利益拡大が期待できそう。 | ||||||
※データは2023年8月5日時点。 |
7月のIPO銘柄の中で、アナリストおすすめの2銘柄を紹介!
ともにAI関連の「エコナビスタ」と「Laboro.AI」に注目!
ここからは、7月のIPO株の中で、小林さんが特に注目する2銘柄を深掘りしていこう。
一つ目の銘柄は、7月26日に上場したエコナビスタ(5585)だ。
エコナビスタは、介護施設向けの見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」を主力とする企業。睡眠や生活習慣のデータをクラウドに蓄積し、AIで解析することができる。健康状態はオンラインで確認可能だ。累計導入床数は右肩上がりで、拡大余地は大きい。PERは妥当な水準だが、話題性と今後の利益成長が株価を押し上げる。家庭向けも全国自治体の採用を目指す。
続いて紹介するのは、7月31日に上場したLaboro.AI(5586)だ。
Laboro.AIは、顧客企業固有の成長戦略や事業課題に合わせたオーダーメイド型AIを開発・提供する企業。SCREENS HDなど業界を代表する企業と、資本提携を含む深い取引がある。今後も、新製品の開発などビジネスの新しい展開を目的としたAIの市場は拡大。継続顧客のみで年40%弱の売上成長を見込み、さらに新規顧客の獲得も期待できる。
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【2024年11月1日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |