IPO株の銘柄分析&予想

2023年7月のIPO株で評価が“強気”の5銘柄を公開!介護施設向け見守りサービスの「エコナビスタ」や、企業向けカスタムAIを手掛ける「Laboro.AI」に注目

2023年8月25日公開(2024年1月18日更新)
ザイ・オンライン編集部
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2023年7月に新規上場した「IPO株」10銘柄のうち、アナリストが「強気」と評価した「エコナビスタ」と「Laboro.AI」に注目!

ダイヤモンド・ザイ10月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんが、2023年7月に新規上場した「IPO株」全10銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。

今回は、その中でも小林さんが特に注目している2銘柄をピックアップしているので、投資の参考にしてほしい!
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2023年7月に新規上場した「IPO株」は全部で10銘柄!
金利上昇などの逆風が吹くが、利益成長が見込める銘柄は狙い目!

 7月は10社が新規上場したが、上場中止も2社あった。公開価格に対する初値騰落率は、平均で見ると+76%と堅調。ただ、銘柄ごとの格差が大きい。航空機エンジン部品ベンチャーとして話題のAeroEdge(7409)が、公開価格の約3.5倍の初値を付けた一方、トライト(9164)など公募・売出規模の大きいものを中心に、4銘柄の初値が公開価格割れとなっている。
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 さらに「抽選に当たれば、どんなIPO株でも儲けられる」という考え方も、通用しなくなった。少なくとも大型IPOに関しては、初値で確実に利益を取れる状況ではない。また、現値が公開価格を下回る銘柄も散見される。

 「6月にかけての相場上昇が、強気の公開価格設定につながった面もありそうです。当面は、公開価格の妥当性に対して警戒感が強まるかもしれません。『公開価格割れだから割安だ』と思って買うと、痛い目に遭う可能性があります」(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さん)

 日銀の金融政策の変更は、新興株やIPO株にも影響してくる。金利上昇が逆風となることに加えて「信用取引を使って膨らんできた個人投資家の取引も、縮小は免れない」と、小林さんは指摘する。とはいえ、IPO株すべてが落ち込むわけではない。

 「AI関連などはいまだ人気が高く、PERが100倍、200倍といった銘柄も出ています。成長性が大きければ、それでも許容されます。今後の業績拡大が見込める銘柄が、狙い目であることに変わりはありません」

 ちなみに、7月上場のIPO株の中で小林さんが「強気」と投資診断したのは5銘柄で、全体の半分にあたる。前述したような人気AI関連株なども含まれるので、チェックしてみてほしい。
【※「IPO(新規公開株)」の最新情報はこちら!】
【IPO(新規公開株)スケジュール一覧(2023年)】IPOの申込日や幹事証券、注目度などの最新情報を随時更新中!

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2023年7月の【IPO株】で「強気」と診断された5銘柄!

上場日 公開価格 初値
(騰落率)
株価
(8/5)
PER
(PBR)
今後1年の
高値予想
(安値予想)
投資判断
7日  グリッド(5582・東G)
2140円 6400円
(+199.1%)
4140円 98.3倍
(15.68倍)
6000円
(3500円)
強気
【分析コメント】電力・物流など社会インフラ分野に、AIを用いた計画最適化システムを提供。30%の売上成長と利益率の向上を目指す。利益拡大による株価上昇の余地あり。
最新の株価はこちら(SBI証券へ)
21日  ナレルグループ(9163・東G)
2690円 2540円
(-5.6%)
2631円 14.9倍
(2.07倍)
3400円
(2200円)
強気
【分析コメント】建設現場に技術者を派遣。ITなどに派遣領域を拡大、人材紹介サービス、建設ICTコンサルへの展開も。公開規模は大きいが、業績堅調で株価に割高感はない。
最新の株価はこちら(SBI証券へ)
26日  テクニスコ(2962・東S)
560円 914円
(+63.2%)
612円 41.7倍
(1.49倍)
1000円
(500円)
強気
【分析コメント】元ディスコ子会社で同社の技術を活かし、半導体レーザー装置用ヒートシンクなどを提供。中国向けが多い。利益回復の局面にあり、先端分野での活躍も期待。
最新の株価はこちら(SBI証券へ)
26日  エコナビスタ(5585・東G)
1300円 3300円
(+153.8%)
3205円 71.2倍
(14.21倍)
4500円
(2700円)
強気
【分析コメント】介護施設向けにクラウド型見守りシステムを提供。家庭向けも東京・稲城市で採用、東京ガスと協働で本格展開を図る。エムスリーによる公開株取得も話題に。
最新の株価はこちら(SBI証券へ)
31日  Laboro.AI(5586・東G)
580円 1195円
(+106.0%)
1212円 172.9倍
(15.50倍)
2000円
(900円)
強気
【分析コメント】企業にカスタムAIを提供。AIとビジネスコンサルに長けた独自の専門人材が強み。PERは非常に高いが売上が急伸、2024年9月期の利益拡大が期待できそう。
最新の株価はこちら(SBI証券へ)
※データは2023年8月5日時点。

7月のIPO銘柄の中で、アナリストおすすめの2銘柄を紹介!
ともにAI関連の「エコナビスタ」と「Laboro.AI」に注目!

 ここからは、7月のIPO株の中で、小林さんが特に注目する2銘柄を深掘りしていこう。

 一つ目の銘柄は、7月26日に上場したエコナビスタ(5585)だ。

 エコナビスタは、介護施設向けの見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」を主力とする企業。睡眠や生活習慣のデータをクラウドに蓄積し、AIで解析することができる。健康状態はオンラインで確認可能だ。累計導入床数は右肩上がりで、拡大余地は大きい。PERは妥当な水準だが、話題性と今後の利益成長が株価を押し上げる。家庭向けも全国自治体の採用を目指す。

 続いて紹介するのは、7月31日に上場したLaboro.AI(5586)だ。

 Laboro.AIは、顧客企業固有の成長戦略や事業課題に合わせたオーダーメイド型AIを開発・提供する企業。SCREENS HDなど業界を代表する企業と、資本提携を含む深い取引がある。今後も、新製品の開発などビジネスの新しい展開を目的としたAIの市場は拡大。継続顧客のみで年40%弱の売上成長を見込み、さらに新規顧客の獲得も期待できる。
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IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

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⇒IPOに当選して儲けたいなら「主幹事証券」を狙え! 通常の引受証券の50~100倍も割当がある主幹事と主幹事のグループ会社の攻略がIPOで勝つ秘訣!

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【2025年版】本気でIPO当選を狙うなら、真っ先に押さえておきたい!
IPO[主幹事]の多いおすすめ証券会社

◆SMBC日興証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
23社
52社
19社
52社
24社
47社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「キオクシアホールディングス」や「日本郵政グループ3社」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」も提供。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
11社
76社
21社
91社
13社
89社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2024年は多少数が減ったものの全86社中76社と約88%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。
【2025年2月1日時点】


【2025年版】数多くのIPO株に申し込める!
IPO[取扱銘柄数]の多いおすすめ証券会社

◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
0社
54社
0社
61社
0社
65社
100%:1単元1票の平等抽選 1200万
【ポイント】
ここ数年、IPO取扱数は年々増加しており、2024年には54社と全証券会社のなかで松井証券と並んで第2位にランクインを果たした。楽天証券に配分されたIPO株は、基本的に100%が抽選に回されるのも個人投資家にはメリット。ただし、抽選方法は「1単元1票」なので、資金を用意して多くの単元数を申し込んだ人ほど有利になる。株の売買手数料が1日100万円までの取引なら手数料0円になったのものメリット大。IPO当選後に売る際の手数料もお得だ。2022年10月にみずほ証券と業務提携したことで、みずほ証券が引き受けるIPOの一部ついて楽天証券が販売委託するとしており、今後ますます取扱銘柄数が増えることが期待できる。
※口座数は2025年1月末時点
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楽天証券の公式サイトはこちら
◆松井証券 ⇒詳細情報ページへ
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
0社
54社
0社
70社
0社
55社
70%以上:1人1票の平等抽選 160万
【ポイント】
年々IPOの取扱数を増やしており、2024年には54社と全証券会社中で楽天証券と並んで2番目に多くのIPOを取り扱った。事前入金なしにブックビルディング申し込み&抽選が受けられるので、手持ち資金の心配をすることなく手軽にIPOに申し込むことができるのは大きなメリット! ただし、抽選結果が「当選」となっても購入申込をしなかった場合などは、その後6カ月間、IPO・POの抽選対象外となるので注意しよう。 配分予定量の70%以上で「1人1票」の平等抽選が行われるので、限られた資金しかない個人投資家でも当選が期待できる。
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マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
1社
50社
0社
53社
0社
61社
100%:1人1票の平等抽選 265万
【ポイント】
毎年多くのIPO銘柄を取り扱っており、2024年の取扱銘柄数は50社と全証券会社中で第5位にランクインした。マネックス証券に割り当てられたIPO株は、100%すべてが1人1票の平等抽選で配分される。取引実績や資金量に当選確率が左右されないのは、個人投資家にとっては大きな魅力だ。
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【IPOだけでなく「米国株」の銘柄数もトップクラス!】
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◆岡三オンライン ⇒詳細情報ページへ
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
0社
49社
0社
49社
0社
38社
10%以上:1人1票の平等抽選
90%以下:取引実績による優遇抽選
46万
【ポイント】
以前は独立したネット証券だったが、2022年1月からグループ会社の岡三証券と合併。基本的に岡三証券が主幹事・幹事証券に入ったIPO銘柄はすべて岡三オンラインでも取り扱う使うようだ。IPOには力を入れており、ここ数年は取扱銘柄数が急増している。また、割当の100%をネット投資家に配分するのも魅力。取引実績が多いほど優遇されるステージ制が導入されているが、全体の10%以上は取引実績によらず全員を対象とした抽選で割り振られる。買付資金は当選後に入金すればOKなので、資金余力を気にせず申し込めるのも大きなメリットだ。
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◆大和コネクト証券 ⇒詳細情報ページへ
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
0社
37社
0社
44社
0社
42社
70%:1人1票の平等抽選
30%:優遇抽選
【ポイント】
大和証券グループのスマホ証券で、大和証券が幹事証券となっているIPO銘柄は基本的にすべて取り扱っている。全割当のうち100%すべてがネット配分で、そのうち70%が1人1票の平等抽選に配分されるのがメリット。また、優遇抽選の対象条件は「39歳以下」「NISA口座を開設済み」「信用取引口座を開設済み」「信用取引の建玉を保有」「投資信託を保有」の5つで、該当する項目が多いほど当選確率はアップする。どの優遇条件も比較的ハードルが低いのはメリットだ。
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◆岩井コスモ証券 ⇒詳細情報ページへ
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
0社
35社
0社
42社
0社
37社
10%以上:1人1票の平等抽選 34万
【ポイント】
IPOの取り扱い銘柄数は2023年が42社、2024年が35社と大手証券会社に引けをとらない実績を持つため、IPO投資家であれば口座を持っておきたい証券会社のひとつ。入金のタイミングはブックビルディング後の購入申込期間。その後抽選が行われ、当選すれば約定・受渡となる。また、1人1票の平等抽選で、申し込み単元数は10単元まで。NISA口座でのIPO株の購入も可能。
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◆岩井コスモ証券はIPO(新規公開株)の引受率がネット証券では最高レベル! 完全平等抽選も採用、資産が少ない個人投資家にも当選のチャンスあり!
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◆三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)⇒詳細情報ページへ
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2024 2023 2022
0社
20社
0社
26社
0社
23社
10%以上:1人1票の平等抽選 176万
【ポイント】
五大証券会社のひとつである「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」は毎年複数のIPO銘柄で主幹事を受け持っているが売買手数料が高めなのがネック。しかし、同じグループ会社のネット証券「三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)」なら「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」が引き受けるIPO銘柄に申し込み可能(一部銘柄を除く)なうえ、売買手数料が安めなので使い勝手が良い。ちなみに複数単元を申し込んでも当選確率は変わらないので、資金量が少ない人でも不利にならない。なお、2025年2月1日から「三菱UFJ eスマート証券」に名称が変更される。
※2025年2月1日から名称変更。
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。
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【SMBC日興証券】
IPOの主幹事数が業界トップクラスで
2024年には23社のIPOの主幹事を務めた
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