【日本株】世界最大級の半導体企業「TSMC」の進出で盛り上がる“九州”が地盤の注目5銘柄を紹介!
ダイヤモンド・ザイでは、毎号巻頭でマネーに関する旬の話題を取り上げているが、発売中のダイヤモンド・ザイ10月号で取り上げたテーマは「世界最大級の半導体企業の進出で、急成長する【九州株】を紹介!」。
昨今、半導体企業が多数進出するなど、経済成長の勢いが増している九州エリア。インバウンド消費も活発化しており、九州エリアのGDPは向こう13年で1.5倍に拡大するとの見通しもある。そこで、この記事では、九州を地盤に事業を展開する注目の5銘柄を紹介! 銘柄選びの参考にしてほしい。
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1980年代「シリコンアイランド」と言われた九州に、
台湾のTSMCをはじめとする半導体関連の企業が再び集結!
九州経済に今、熱い視線が注がれている。背景にはいくつかの要素があるが、最大の要素は、半導体産業の一大集積地として復活しつつあることだ。
1980年代、九州には半導体関連企業が数多く進出し、日本の経済成長を牽引するエリアとなって「シリコンアイランド」とも呼ばれた。近年、半導体関連の投資が再び増加しており、今では約1000社の半導体企業が集結している。
その中でも注目すべきは、半導体の受託生産で世界最大手の台湾企業・台湾積体電路製造(TSMC)だ。TSMCは熊本県菊陽町に新工場を建設中で、2024年末までに操業開始を予定。さらに、日本で二つ目の工場建設を検討していることも明らかになっており、投資総額は1兆円以上にも達すると見られる。
これだけの規模になると、その経済効果は半導体関連だけにとどまらない。地元のインフラ、雇用、消費関連、住宅・不動産関連など、さまざまな分野に波及することが予想される。SMBC日興証券は「波及効果は裾野が広く、長期にわたる」と見ており、レポートで「九州のGDPは2022年から2035年にかけて、50兆円から75兆円に拡大する」と発表している。
半導体だけでなくインバウンドでも大きく成長!
なかでも福岡への注目度は高く、人口も増加の一途をたどる!
さらに、九州はインバウンドの面からも注目だ。なかでも熱いのが、福岡県。世界的に人気が高い旅行ガイドブックの大手出版社・ロンリープラネットが発表した「2023年に行くべき旅行先」では、”食部門”で日本から唯一福岡市が選ばれた。
福岡のインバウンドを分析したSBI証券企業調査部シニアアナリストの田中俊さんによれば、九州の外国人入国者数は、2023年4月にコロナ前の2019年比で74%の水準まで回復。地理的に近い韓国やASEANなどの地域では、すでに2019年の水準を大きく上回っているという。
「特に、福岡はアジアの窓口として、地理的にも恵まれており、食文化や観光資源が豊富。中国からの団体旅行が解禁されれば、訪日客はさらに増えるでしょう」(田中さん)
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インバウンドの勢いに加えて、福岡市内では2つの再開発プロジェクトを中心とした建設ラッシュが続いている。また、2020年に行われた国政調査で、福岡市は政令指定都市の中で人口増加数と増加率がトップだ。
「福岡は国内有数の商業都市。特に小売りや外食は、さまざまな業態での出店が活発で、福岡、九州を制した企業は、全国展開や海外展開の道も開けてきそうです」(田中さん)
そこで、以下では九州を地盤に事業を展開し、足元の業績が伸びている注目株を5銘柄ピックアップした。アナリストの分析コメントも参考に、九州の有望株をチェックしてほしい!(※株価などのデータは8月3日時点。分析コメントは、SBI証券企業調査部シニアアナリストの田中俊さんと、マーケットコメンテーターの岡村友哉さん)
九州が地盤の注目株5銘柄を紹介! |
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株価(8/3時点) | 今期増収率 | 今期営業増益率 | PER | PBR | ||
◆九電工(東P・1959) | ||||||
4065円 | 16.2% | 10.7% | 10.9倍 | 1.10倍 | ||
【分析コメント】設備工事業の増収効果で、第1四半期は大幅な営業増益に。進捗率は例年より高く、連続増配など株主還元の姿勢変化も期待。 | ||||||
◆大黒天物産(東P・2791) | ||||||
5930円 | 6.2% | 35.6% | 23.2倍 | 1.74倍 | ||
【分析コメント】中国・四国・近畿・中部・九州に全て直営で203店舗展開。九州では、地場のスーパー「マミーズ」を買収して進出。 | ||||||
◆コスモス薬品(東P・3349) | ||||||
1万5880円 | 10.7% | 0.2% | 26.7倍 | 3.01倍 | ||
【分析コメント】九州からメガドラッグストアを全国にドミナント出店。2023年7月末時点で九州地区で609店舗を展開し、なおも出店を続けている。 | ||||||
◆アメイズ(福証・6076) | ||||||
1295円 | 13.7% | 24.5% | 8.9倍 | 1.40倍 | ||
【分析コメント】九州地盤に全国86店舗を展開する「HOTEL AZ」を運営。ビジネス・工事関係のホテル需要が好調。予想PERは割安。 | ||||||
◆ロイヤルホールディングス(東P・8179) | ||||||
2621円 | 25.9% | 100.7% | 36.3倍 | 2.93倍 | ||
【分析コメント】福岡地盤にホテル、外食、機内食などを展開。福岡都市圏の拡大に加え、インバウンド復活でも恩恵がある。価格転嫁成功企業。 | ||||||
※株価などのデータは2023年8月3日時点。 |
このように、九州には半導体関連やインバウンド需要で注目される企業がまだまだたくさんある。現状の株価や業績を十分チェックして投資しよう。
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